恋愛ワクチン 第百十話 善と悪(15)

菜緒ちゃんは私のほかにもう一人既婚の40代男性と交際している。
お金は貰っていない。
お金を貰っていないということは、その男性のことが好きなの?と聞くと、そうではないと答える。
菜緒ちゃん「好意はありません。流されやすい性格で断れないからだと思います」
その男性とも、私と同じように裸で抱き合ったり、互いの体を舐め合ったりする。
膣は許さない。処女は守る。
私は年齢もあって、それほど挿入や射精にこだわらないのだが、その男性は時々挿入しようとしてくるそうだ。
菜緒ちゃんはそのたびに「痛いです」と言って抗う。
男性もそれ以上無理を通そうとはしない。
しかし「お尻はどう?」と言われ、アナルセックスなんて知らなかった菜緒ちゃんはびっくりしてその時は断ったのだが、ネットで調べてそういうやり方もあると知って、次に私と会ったときに「△さん、お尻の処女を買っていただけないでしょうか?」と菜緒ちゃんから言い出し、私が応じて開通させた。
そしてその後、既婚男性と会ったときには、アナルに射精もされたそうだ。
既婚男性はそれでも膣に入れようとしてくる。
火に油を注いだような話だから無理もないか。
そのたびに菜緒ちゃんが拒み、今のところはまだ膣の処女は守られている。
指は私にも既婚男性にも入れられた。
私が指を入れたのは、ポルチオの付近を押して感度とポイントを確認するためだ。
菜緒ちゃんは「恋愛感情も性欲も私にはありません」と断言するのだが、押す所を押せばちゃんと感じる。
決して感度の悪い娘ではない。
シックスナインの体位で舌先をしっかりと膣内に押し込んだりもした。
だから入り口付近は大分と開いている。
菜緒ちゃんは手や口での奉仕が上手だ。
マックさん「凄いね。AVとか観て勉強したの?」
菜緒ちゃん「いいえ、そういうのは観ません。本能で動いています」
騎乗位になって勃起したペニスを素股のように股間に密着させたまま前後に擦りながら、片手で睾丸を撫でて、もう片手で亀頭を愛撫する。
こんな技初めてだ。
処女の娘がそれをしていると思うとさらに興奮する。
堪らない。
挿入して膣の奥で射精したい。
もしも、もう一人の既婚男性の存在を知らなかったら、その男が繰り返し膣の処女を狙っている話を聞かなかったら、私は菜緒ちゃんの処女に手を付けなかっただろう。
処女を温存したまま性感を開発する、いわゆる「処女の熟成」は経験がある。
どんなに挿入したくなっても、我慢することは私には出来るはずだ。
しかし、菜緒ちゃんにはライバルの既婚男性がいる。
流されやすい菜緒ちゃんがその男に処女を貫かれてしまうのは時間の問題ではないだろうか?
それなら俺が先に奪ってやろう。
騎乗位の菜緒ちゃんに素股でペニスを擦られているうちに、そんな欲情がムラムラと湧いてきた。
騎乗位の菜緒ちゃんの上半身を抱き寄せて両手で背中を固定する。
そうして逃げられないようにしてから、亀頭が膣口に当たるようにペニスの角度をずらしてあてがった。
菜緒ちゃんは抵抗しない。
少しだけ先を押し付けてみる。
指や舌で広げられた膣口に亀頭がゆっくりとのめり込んでいく感覚。
マックさん「痛い?」
菜緒ちゃん「大丈夫です」
亀頭の半分くらい入っただろうか?いったん腰を引いて外す。
そして再びあてがう。そしてまた引き抜く。
ゆっくりとこの作業を繰り返した。
菜緒ちゃんは何も言わない。抵抗もしない。
それどころか、何度目かに亀頭をあてがったときには、自ら腰を沈めて深く進めようと導いてきた。
菜緒ちゃんが少し顔をしかめる。
マックさん「痛い?」
菜緒ちゃん「少しだけ。だけどまだ大丈夫です」
さらに二三度このストロークをゆっくりと繰り返したとき、つるっと亀頭全体が包み込まれる感覚があった。
菜緒ちゃん「入っちゃいましたね」
マックさん「そうかな?」
菜緒ちゃんをしっかりと抱き寄せたまま、しばらく動かずじっとする。
そして再びゆっくりとしたストロークを繰り返す。
菜緒ちゃん「全部入りましたね?」
マックさん「まだ亀頭が入っただけだよ」
いったんペニスを外して体を入れ替え、菜緒ちゃんを下にして正常位の体勢を取った。
両腕を菜緒ちゃんの膝の下に立てて、股間が剥き出しになるように固定し、ペニスを再び膣にあてがう。
まずは亀頭を挿入する、それからゆっくりと奥へと進める。
菜緒ちゃん「痛い」
膣口付近は指や舌で広げられていても、奥はそんなには広げられていない。せいぜい指一本を入れられただけだ。
だから、膣口を広げられて出血しない処女さんであっても、奥に初めてペニスを迎える時には広げられる痛みがあるそうだ。
この話は他の娘から聞いた。
その子は処女のときから指やマジックを挿入して一人エッチをするタイプだったので、初めての時に膣口は痛くなく出血もしなかったのだが、ペニスを奥に挿入される時には相応に痛かったそうだ。
初めての相手は私では無いので作り話ではない。
顔をしかめて苦悶する菜緒ちゃん。
しかしここで容赦してはいけない。仕留めると決めたからにはしっかりと仕留める。
菜緒ちゃんの表情を眺めながら黙々と奥までペニスの挿入と引き抜きを繰り返す。
痛がりながらも菜緒ちゃんは少しだけ笑みを浮かべた。
菜緒ちゃん「入っちゃいましたね。△さんに初めてを捧げてしまいました」
その言葉を聞きながらも、休むことなくペニスを突き立てる。
性欲の塊りとなった機械のように。
痛みに耐える菜緒ちゃんの口にキスをする。
舌を入れると菜緒ちゃんも答えて絡ませてくる。
ゴムはしていない。流れでこうやってしまったのだから。
射精したら妊娠するかもしれない。
妊娠させたい。
しかしさすがにそこは抑えて、精液が上がってきた頃合いを見計らってペニスを抜き、菜緒ちゃんのお腹に膣外射精した。
いつになく多量の精液。
菜緒ちゃんはハアハアと息を荒げて開脚したまま動かない。
スマホを手に取って、開通したばかりの膣から精液にまみれたお腹、さらには放心状態の菜緒ちゃんを顔を含めて記念撮影する。
マックさん「菜緒ちゃん、太ももの下から手を伸ばしてあそこを下の方に引っ張っていてくれる?
菜緒ちゃん「こうですか?」
会陰のヒダをお尻のほうにひっぱると、これまでは見えなかった小さな膣口が現れた。
ペニスで広げられていた直後なのでまだ穴が閉じ切っていない。
処女膜らしき肉ひだの一部が裂けているが出血はしていない。
またbefore/after写真のコレクションが増えた。
そのあとシャワーを浴びて着替えてご褒美のお金を渡して、記念に何か買ってあげようということになって街に向かった。
洋服とワコールの下着を一緒に選んで、サラダボウルで軽食を食べて駅まで送った。
菜緒ちゃん「今日はもう少し大丈夫です。遅くなっても構いません」
マックさん「いや、門限あるし、家族に不審に思われてもいけないよ。またすぐに会えるから」
菜緒ちゃんはまた淋しそうな顔をした。少し前、デート直後に解離を起こしたときと同じ表情だ。
不安にはなった。しかしその時はとにかく時間内に帰すことが優先だと考えた。
その後、菜緒ちゃんへのラインは既読にならなくなった。
解離性障害の症状が悪化したのだろうか?
日を重ねるにつれて焦りが増す。
悪に堕ちたくない。
自分が菜緒ちゃんの処女を奪ってしまったことに対しての正当化を頭の中で考える。
言い訳を探す。
菜緒ちゃんがもう一人の既婚男性に挿入されてしまうのは時間の問題だった。
それなら、自分がその重みを引き受けてしまおう。自分の方がまだ菜緒ちゃんを幸せにできる。
そんな根拠の無い自信。
詭弁。ラインが既読にならないという結果が全てを物語っている。
毎日何度も菜緒ちゃんからのラインを確認する。
頼む、良くなってくれ。
笑顔で「マックさんのお陰で吹っ切れました。病気もよくなりました」と書いて送ってくれ。
そして気が付いたことがある。
既視感。
これ、昔から私がしてきたことだ。
精神的に不安定な女性を振り回して結果的に相手の症状を悪くしてしまう。
統合失調症を発症した元妻がそうだったし、他にも心当たりがある。
ひょっとしたら、これ自体が、私の「トラウマの再演」のようなものではないだろうか?
今度こそは上手くいくと信じて、そこには決して意図的な悪意は無く、むしろ自分は善意で動いていると思い込んで、また相手を潰してしまう。
そうか、だからこんなに苦しいのか。
トラウマの再演をしていたのは、実は私だったんだ。
(続く)

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