しりとりで綴る交際倶楽部奮闘記12
スキャム(scam、詐欺)→無毛(むもう)
マックさんの「スキャム」を受け今回のお題は「無毛」(むもう)だ。
「無毛症」という病名もあるが、ユニバース倶楽部の末席会員であるジョーが書くコラムだから内容が医学的になるはずがない(当たり前だのクラッカー)し、読みたいとは思わないだろう。
ユニバース倶楽部のコラムにふさわしいのはもちろん(?)「無毛=パイパン」だ。
本当はお題も「パイパン」にしたいところだが、残念ながらしりとりではなくなってしまう。
それでもこれから綴る内容からいって「無毛」では全くしっくりこないので、以下「パイパン」を使用することをまずはお断りします。
ユニバース倶楽部に登録している女性のパイパン率はどれくらいだろうか?
分母(オファー数)が多いとは言えないし、パイパンの有無を確認する作業はさらに少なくなるから、説得力に欠けるけれど、ジョーの確認作業では1人を除き、全員パイパンだった(苦笑)のでかなり高いのではないかと睨んでいる。
これは単にジョーの女性の好みによるのかもしれない。
ジョーは華やかな美人、もっと言えば「いかにも」という肉食系女子が好みなので、彼女達を中心にオファーしている。
それゆえにこのような結果になるのだろう。
ジョーとしては「ユニバース倶楽部の肉食系女子は全員パイパンである」と断言したいところだが、残念ながらエビデンスが少なすぎる。
それでも入会して驚いたのはユニバース女子の「脱毛」を巡る問題を知ったことだ。
「お前、そんなことも知らなかったの?」と言われれば、その通りで、お恥ずかしい限りではある。
「女ゴコロを分かっていない」とは妻からよく言われる言葉であるけれども、実のところ「女ゴコロ」とは「毛」の問題だったのである(ホントだってばぁ)。
それならそれで早く教えて欲しかったけど。
ユニバース女子から教えて貰わなくてもよく考えてみれば妻も付き合っていた頃から脱毛していたし(パイパンにさせたのはジョーだけど、苦笑)、生きていれば80 代半ばの母も腋毛やスネ毛をカミソリで剃っていた。
ユニバース女子に限らず、かなり昔から女性は「毛」をめぐって男性の「頭髪」以上に頭を悩ましていたのである。
遅ればせながら倶楽部に入会してから「脱毛問題」を知ったジョーだが、疑いぶかいので「それでもユニバース女子ほど気を使ってないだろう」と思い、廻りの女性(女子社員と友人とか)に聞いてみた。
すると驚いたことにほとんど全員が「脱毛」に気を配っていた。
「彼とのデート前、いつ脱毛するか頭を悩ませています」と顔を赤らめながらのたまう女子社員(これってセクハラ?)もいて今更ながらその重要性に気が付くジョーだった。
自分の無知を棚に上げてしつこく?「ユニバース女子はいざ知らずいくらなんでも一般的にパイパンは例外だろうよ」と思ったジョーは調べを進めていった。
さすがに今度は素人(?)には聞けないので、エステを経営する友人(女性)にリサーチした。
「エステの方は繁盛している?」
「競争が激しいから厳しいわね」
「それだけニーズがあるってこと?」
「それはそうよ」
「でもパイパンにするのは少数派よね?」
「何言っているの!うちのエステはV ゾーンの脱毛はオプションなんだけど、ほとんどの女性が希望するわよ。それどころか一番人気はハイジニーナといってパイパンかそれに近いものなの。これをやらなかったら商売上がったりだし、一番儲かるのよ」
全く知らなかった。ユニバース女子がパイパンなはずだよ。
「ジョーちゃん、イヤラシイ想像してるでしょう?」
「それ以外に何があるのよ!」
「もちろん彼氏に望まれて来る女性もいるけど、生理の時、毛があると蒸れて痒くなるのよ。その対策でパイパンにする人が多いの」
「う〜む、それってやっぱり建前じゃないかなぁ。パイパンの方が興奮するし、クンニしてもらいやすいからじゃない?」
「それは否定しないけど、衛生的な問題って女性にとっては大きいのよ。それでなくても体質的にオリモノが多い人が少なくないし、毛があると生理の時、辛いんだから。ハイジニーナって和製英語なんだけど、英語のHygiene(ハイゾーン、衛生的)が語源なの。パイパンは衛生目的なの!」
これ以上議論していると「ジョーちゃんもハイジニーナにしてみない?」とか「私のハイジニーナ見てみない?」(AV の見過ぎ?)と言われそうだったので、早々に退散するのジョーであった。
結局リサーチしてわかったことは2 つ。
⑴エステ業界の商魂がたくましいこと
⑵多くの女性がパイパン又はそれに近い形を望んでいること(ホンマに?)
しかしである。
いくら衛生のためとはいえ、男性側の嗜好と理解がなければパイパンがこれほど市民権を得ていないだろう(パイパン嫌いの男性も少なくないことをジョーは承知している)。
ちなみにジョーのパイパン女性初体験は20代の頃だが(今から30 年前ね)、最初興奮どころか動揺したのをよく覚えている。
後で分かったことだがその女性はジョーの他にパートナーがおり、その男性の命令?でパイパンにしていた。
ジョーがパイパン好きになったのはその女性に別の彼氏がいるのを知ってからだ。
間違いなく、ジョーの性癖は彼女により、熟成されていったわけだ。
そしてそれは「パイパン」と共にメモライズされたため、現在に至ったのである。
まさに「人に歴史あり」ですな(苦笑)。
ところで言うまでもなく、しかしながら言わないと誰も気が付かないから言ってしまうが、ジョーは知性派だ(ウソ、本当は痴性派)。
だから学術書を紐解くことに躊躇はない。
ジョーが手に取ったのは「脱毛の歴史—ムダ毛をめぐる社会・性・文化」(レベッカ・M・ハージグ著 東京堂出版)というお堅い本である。
著者は女性学の研究者で本書はアメリカ女性を中心とした脱毛に関する変遷を追いながら脱毛を社会的・文化的見地から考察した本である。
著者の主張にやや分かりにくい点があるが、なかなか知見に富んだ本だった(スケベ心から買ったら後悔します。脚注も含めると300 ページ以上あるし、価格も3200円+税だし)。
特に第7 章「いちばん下をきれいにする」が面白かった。
そこでこの章を中心に本書の要点をまとめてみたい。
⑴ 先住アメリカ人は文化として脱毛の習慣があったが、当初は移住したアメリカ人の軽蔑の対象になっていたこと
⑵ 20 世紀に入り、女性の社会進出が活発になるに従って脱毛の習慣が拡がっていったこと
⑶ 3の習慣は安価なカミソリ(安全カミソリ)の開発と(安全カミソリ)軌を一にしていること。
⑷ 現代ではアメリカ女性の99%が何らかの脱毛をしていること(男性は60%)
⑸ 1980 年代までアメリカポルノ界でパイパンにしている女優は誰もおらず、むしろヘヤーを晒すことが重要だったこと
⑹ それが2000 年代に入ってパイパンの習慣が認知されたのは人気テレビ番組「セックス・アンド・ザシティ」の中で女性の一人が「ブラジリアンワックス」の施術を受けたエピソードを紹介したことによること(「ブラジリアンワックス」の名称は、元々はブラジル人が経営するアメリカにあるエステ店の商品名らしい)
⑺ パイパンを含む脱毛の習慣が爆発的に拡がったのは比較的安価な「脱毛ワックス」の開発によるところが大きいこと。
そして「脱毛ワックス」の原料は石油廃棄物で、製造業から消費者サービス業への転換というアメリカの産業構造の変化と大いに関係があること
⑻ さらに効果が高いとされる「レーザー脱毛」は元々アメリカ国防省が発注した持ち運びが容易な兵器だったこと
⑼ 「レーザー脱毛」は一応各州や連邦政府の管理下にあるものの、その実態はかなり杜撰で、トラブルも少なくないこと
⑽ 高額所得者のアメリカ人女性が脱毛に生涯で使うお金は平均22,000 ドル(250 万)で脱毛は一大産業になっていること
以上かなりアバウトにまとめてみたが、いずれもジョーの知らないことばかりだった。
現在、さらに進化しつつあって、遺伝子レベルで体毛の成長を制御するという動きもあるという。
「動き」というと遠い将来の話のようだが、そうではなくて、実現まであと一歩まで研究は進んでいるらしい。
しかしながら商品化を躊躇しているのは企業の委託を受けて研究を進めている当の医療界だという。
生命に関わる重要な病気が数万とあるのに儲かるからといってたかが「脱毛」如きに心血を注いて良いかという躊躇らしい。
アメリカの医療業界は過去の政策の影響で医者の数が多く、競争が激しいため、生き残りをかけて儲かる?「レーザー脱毛」は受け入れた。
その経緯を考えると遺伝子レベルでの脱毛の商品化も時間の問題のような気がするがどうなりすかねえ。
ただ一つ言えることは「脱毛」が「金のなる木」で、需要と供給のバラスは単純ではないけれど、相互に影響し合いながら、これからも推移していくし、新たな商品化やサービスがなされるのだろうということだ。
そしてまとめ(のようなもの)。
パイパンの流行は社会経済と無関係でないどころか大いに関係があるとジョーは思う。
そしてジョーの認識では「経済=お金の問題」だからパイパンとお金は切っても切れない関係にあるのではないか。
そしてユニバース女子にパイパンが多いとしたら、それはこの倶楽部が多くの女性会員にとっては「お手当」つまり「お金」目当てであることと無関係ではないとジョーは考えるがちょっと無理筋?
という訳で(どういう訳だ?)頭の体操の後は、マイちゃんのパイパンを拝みに行くので、この辺で筆を置くことにします。