恋愛ワクチン 第八十九話 熟成(その5)
「壁尻」ってご存じだろうか?
壁に穴が開いていて、そこから女性の下半身だけが出ている状態。
英語だと「glory hole」と言うらしい。
「czechfantasy.com」という、チェコのサイトが有名なので、興味のある方は探してみてください。
さて、美也ちゃんは処女ではあるのだが、決してセックスに興味が無いわけではない。
初めてが痛そうで怖いのと、お母さんが「お嫁に行くまで処女は大切にしなさい」という昔風の考えで、その影響でなかなか踏み切れないのだが、一人エッチは中学生の頃からしている。
指入れはしたことが無い。
タンポンも未経験だ。
「一人エッチのときのオカズは何?」と聞いてみたら、「壁尻です」と返ってきた。
実はczechfantasy.comは美也ちゃんから教えてもらった。
このサイトの動画にはずいぶんお世話になったそうだ。
マックさんは、交際女性たち全員に、「一人エッチする?するなら、そのときのオカズは何?どんなシチュエーション?」と尋ねる。
性癖を掘り下げて確認するためだ。
「生まれて初めてエッチな気持ちになったのってどんなとき?」とも聞く。
ひよこが初めて見たものを親と認識してしまうように、人生で最初にエロいと感じたオカズは、その後もずっと引きずるものだ。
男女は関係ない。
たまたまネットでフェラの動画を見て性に目覚めて、中学生になってどうしてもペニスを舐めてみたくて、同級性の男子にセックスさせてあげる代わりにフェラさせてもらった、それが初体験です、っていう女性もいた。
その女性は、20代になっても相変わらずフェラが好きで、1時間でも2時間でも舐め続けたいと言っていたし、実際そうだった。
美也ちゃんの場合は、壁尻が性的なインプリンティング(刷り込み)であるようだ。
それなら、壁尻を作ってやろう。
その話をハプニングバーでしていたら、ちょうどその場に大工さんが居合わせて、「僕が作りましょうか?」と言ってくれた。
バーのマスターも「面白い」と寄って来てくれて、私がお金を出してそのハプバーに壁尻を作ることで話がまとまった。
そして出来たのがこちら。
どうです、これ。
めっちゃ完成度高いでしょ?
側面に黒いものが張り付けてありますが、あれをはがすと小穴が開いていて、覗いたりペニスを入れたりも出来る。
壁尻をやってくれている女性は、私のコラムを読んで逆オファーしてくれたOLさん。
彼女は、輪姦されてみたいっていう願望をずっと抱いていて、それを叶えてあげるべく、マックさんがハプニングバーに連れて来たのだった。
たまたま壁尻の完成直後だったので、こけら落としをかねて、願望を叶えてあげました。
壁尻にしろ、輪姦にしろ、女の子たちの秘めた欲望を掘り下げて実現してあげるのはマックさん大好きなのだ。
変わった性癖、彼氏にもパパにも頼めない、言うと引かれてしまうんじゃないかっていうもの抱えている女性は、「素敵ですね」のテキストメッセージ機能使って、名古屋支店の「マックさん(私はクラブ名もマックさんです)」に逆オファーしてみてください。
ただし、既婚者と腰の太い方はNGです。お待ちしています。
内側から見るとこんな感じ。
女性からは下半身がまったく見えない。
下半身は煩悩であり、上半身は理性と考えると、理性を保ったまま、煩悩だけを解放してやるみたいな感じが良いみたい。
女性自身からは下半身が見えないから、はしたなさ、恥ずかしさという、自制心のブレーキがかかることなく、ただただ膣や子宮からの快感刺激に浸ることが出来る。
だから、セックスという行為に対して罪悪感のようなものがあって、どこかで心のブレーキがかかってイキにくい女性にいいのかもしれない。
美也ちゃんも、なかなか処女卒業に踏み切れない理由の一つが、前述の母親からのメッセージだから、それでまた深層心理的に壁尻が好きなのかもね。
下半身は壁の向こうなのだから、責任を持たなくてもいいみたいな感じ。
とにかく美也ちゃんは、輪姦願望のOLさんが、大好きな壁尻でいろんな男たちに犯されるのを目の当たりにして、めっちゃ興奮した。
「すごい!すごーい!」の連呼。
合間を見て、マックさんが美也ちゃんの両手首を掴んで、頭を部屋の壁に押し付け、イラマチオする。
歯も当てなくなってきたし、奥まで押し込んでもむせなくなってきた。
イラマチオして、壁尻セックスを見せて、またイラマチオ。
処女膜を温存したまま、お口を使った代用セックス。
熟成は順調に進んでいる。
別の日には、ハプニングバーで、美也ちゃんの処女膜観察会もした。
美也ちゃんがパンツを脱いで、自分の両手で太ももを持って開脚。
マックさんが小陰唇を指で広げて、居合わせた男女に「これが処女膜」と解説する。
例によってマンコは透明な愛液でぬるぬるのベタベタだ。
美也ちゃんは本当によく濡れる。
ハプニングバーが初めてという、23才の若い男性が来ていた。
東京でハプニングバーの取り締まりがあったので、ひょっとしたらもうハプニングバーは無くなるんじゃないかと考えて、その前に行ってみようと思い立って来たのだそうだ。
マスターがその男性を声をかけて、美也ちゃんのために男性版壁尻をやってもらうことになった。
これは美也ちゃん喜んだ。
初めて見る同世代の若い男性の下半身が壁穴から突き出ているのだ。
そして自由に弄んでも良い。
たぶん舐めたくて、咥えたくて仕方が無かっただろうが、それはマックさんが禁じた。
おあずけである。
手で触ったりこすったりするだけ。
壁穴プレイが終わった後、その23才の男性がシャワーを浴びに行ったので、マックさんは美也ちゃんに「いっしょに入ってヌルヌルになったあそこを洗って貰っておいで」と促した。
ためらう美也ちゃんの服を無理やり脱がせ、全裸にすると、居合わせた客たちの視線を感じて真っ赤になった美也ちゃんの手を引いて、男性のいるシャワールームに押し込んだ。
「すみません、この娘のあそこベタベタに濡れちゃってるんで、よく洗ってあげていただけますか?」
男性は戸惑ったような、しかし歓迎する素振りで美也ちゃんを招き入れた。
中学高校と女子高育ちで、大学も女性がほとんどの学部であった美也ちゃんにとっては、初めての同世代男子との裸の触れ合いだ。
最初は恥ずかしそうな声であったが、しばらくすると、きゃっきゃっと笑い声が混ざってきた。
その時マックさんに、どんな感情が沸き上がったと思う?
嫉妬だよ、嫉妬。
美也ちゃんと同世代の若い男性という、マックさんには決して届かない存在に対する炎のような羨望。
独占欲の希薄な、淡々とした、性欲はあってもおよそ恋愛感情らしきものが育たない、砂漠のようなマックさんの心に、嫉妬という植物が芽生えた瞬間である。
これが欲しかった。
熟成。
表題の「熟成」は、もちろん美也ちゃんの熟成の意味でもあるが、それ以上に書きたかったことがある。
本当に熟成させたかったのは、実はマックさん自身の心なのでした。
これこそがマックさん流の「疑似恋愛」だ。
美也ちゃんの処女卒業のイベントのお話はもう少し先になる。
というか、そんなものどうだっていい。
嫉妬とか失恋とか、そういうものの中にこそ、マックさんの大好きな珍味は隠れているのさ。
恋愛は御法度だから自分の心に抑制がかかるけど、嫉妬や失恋は相手に迷惑かからない限り思いっきり堪能できるからね。
(終わり)
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