恋愛ワクチン 第八十五話 熟成(その1)

この記事を書いている一週間ほど前に、東京でハプニングバー「眠れる森の美女」が摘発された。
マックさんも、ハプニングバーはときどき利用するので、関心事である。
交際中のユニバ女性会員を連れて行ったりもするので、「大丈夫でしょうか?」と心配するラインも来た。
報道された内容からマックさんなりに考察すると、今回は、バーが「深夜酒類提供飲食店」の届をしていたという点が問題であったと思う。
飲食店というのは、「不特定多数」の人が出入りするところである。
仲間内でわいわい騒いで飲食するだけなら届は要らない。
だから、飲食店の届を出すということは、そこには不特定多数の人間が出入りするということを、自白したようなものと言える。
マックさんがよく行くハプニングバーは、ごく普通のマンションやビルの一室にある。
看板や表札は出ていないし、もちろん飲食店の届など出していない。
客もせいぜい10人くらいだ。
「眠れる森の美女」は、3階建てビル全部を店舗として、綺麗な金色の看板まで掲げて営業しており、検挙時には客は80人くらいいたそうだ。
これでは、いくら身分証を確認して客を「特定」していたとしても、「趣味の同じ人間が集まってパーティーしているだけ」という言い訳は通らない。
「不特定多数」の前でわいせつ行為をしたという解釈が成立してしまうだろう。
要するに、お店を大きくして派手に儲けようとしているハプニングバーは、リスクが高いということだ。
もう一つ、ハプニングバーが検挙されるきっかけは「情報提供」である。
今回の「眠れる森の美女」も、報道記事によれば、直接の端緒は情報提供であったそうだ。
誰が情報提供するかというと、お店とトラブルになって、出禁をくらった客だろう。
ライバル店は警察への情報提供なんてしない。
業界が委縮して、自分の首を締めることになるから。
だから、逆説的でもあるのだが、あまりルールに厳しく、すぐに客を出禁にしてしまうようなハプニングバーがあったとしたら、そこは警察に目を付けられやすいとも言える。
これは交際クラブでも言える。
売春防止法で摘発されないように、大人の関係の交渉事には一切関与しないよう、厳格にルールが敷かれてはいるが、もう一つ気をつけなければならないことは、アンチを作らないことだ。
逆恨みした元会員が、「あそこのクラブは売春斡旋してますよ」と警察に電話したら、一夜にして城が崩れかねない。
法的にグレーな領域のビジネスであるという点で、交際クラブとハプニングバーは似ている。
会員の質を保つことは大切だが、問題会員ほど、対応には気を付ける必要がある。
ある会員を「強制退会」する際には、支店スタッフ全員で、何なら木田社長が率先して土下座してお見送りするくらいの気持ちを持ったほうが良いと思う。
現場で会員対応をしている現場のスタッフさんたちは、くれぐれも肝に銘じてくださいね。
その意味でも、最近「強制退会」に関して☆の数による客観的/可視的なルール化がなされたのは良かった。
前置きがずいぶんと長くなったが、さて、今回の話は、ハプニングバーが舞台である。
女性は交際タイプBで登録3年目の20代前半OLの美也ちゃん。
初回デートで処女と判明。
登録して3年も経っているし、まさかと耳を疑った。
詳しく聞くと、実は再登録で、2年前の最初のオファーの男性がガチ恋で、びっくりして退会したのだそうだ。
しかし小さな職場で、その後の出会いも無く、思い直して半年前に再登録。
3人オファーがあった。
だから私は通算5人目ということになる。

 

マックさん「その3人の男性はどんな感じなの?」

美也ちゃん「1人は完全にお食事パパさんです。もう一人からは、今悩んでいるんですが、『自分も君一人だけにするから、君も僕一人だけにして、クラブを退会して欲しい』と言われています」

マックさん「あー、よくある。100パーとは言わないけど、まず嘘だよ」

美也ちゃん「ですよね」

マックさん「もう一人は?」

美也ちゃん「もう1人からは、大人がまだ怖い話をしたら、『とりあえず、ラブホに一緒に行ってみない?何もしないから』、と言われました」

マックさん「それ、僕たち昭和世代の男が、よく使った手だよ。それでそれで?」

美也ちゃん「私も、ラブホってどんなところか興味はあるので、じゃあ次のデートで連れて行ってくださいってなったんです。だけど、デート前日になって不安になって、『本当に何もしないですよね?』と確認のラインを入れたら、『それは僕も男だからそのときの状況次第で』、みたいな曖昧な返信だったんですよ。それで結局お断りしました」

マックさん「なるほどー、ある意味正直な男性だなあ。で、美也ちゃん、ラブホに興味はあるの?」

美也ちゃん「はい。どんなところなのか、見てはみたいです」

マックさん「分かった。今日は初回デートでお茶だけの約束だし、僕もこのあと一時間くらいで仕事に戻らないといけない。だけど、ラブホに行って美也ちゃんにお部屋見せてあげるくらいなら出来るから、良かったらこれから連れて行ってあげるよ。美也ちゃんはBタイプで、初回からHしたらクラブのルール違反で通報されちゃうから、絶対に襲わないから大丈夫」

美也ちゃん「いいんですか?それなら是非行ってみたいです」

 

To be continued.

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