京都はおいしくてエロいという説1

【その説に大阪人は異をとなえる】
実を言うと、そし実を言わなくても京都に住みながら、事務所は大阪にあるので、基本京阪で淀屋橋に通っている。そして日常的に付き合いがあるのは、大阪人が圧倒的に多い。だからなのかそうでないかはよく分かりしまへんが、「京都はごはんがおいしいおすな」などとうっかり発言しようものなら、並み居る大阪人から総反撃を喰らうことになりますねん。「京都がおいしい?もちろんおいしい店もありますやろうけれど、気取った店が多くてワシらみたいな庶民にはかないませんな。やっぱり安うて旨いのは断然大阪でっせ」という訳だ。最初の頃は「そうですやろか。あんさん、京都の安くてうまい店知らんだけとちゃいます?」と反論していたが、今はしない。なぜって、例えば三条辺りではマズイ店がちらほらあることを知ってしまったからだ。賃料が高い地域だからそれが料理の価格に反映されるのは、まだ我慢できるし仕方がないとも思う。しかしながらまずい店には殺意を抱いてしまう。「ぶぶ漬けでもどおどす」と言いながら、店主を有次のドスで刺したくなるんどす。もちろん錦市場の専門店「有次」のドスは人を刺すためのものではないけれど、そうしたくなるほど殺意を覚えるのは、京都にはおいしい店(しかもリズナブル)もまたたくさん存在するからだ。その人たちに失礼やろというわけだ。

【食は烏丸五条にあり】
井上章一のエッセイを読むまでもなく、洛中には京都原理主義者が確かに存在する。彼ら彼女たちの特徴としてまず時間感覚のおかしさが挙げられる。例えば、室町時代から続く和菓子屋の当主が「前の戦争の時、京都は焼け野原になってしもうて。手前どもの店なぞ10年間商売できしまへんでした。そやからコロナなんて何でもあらしまへん」と曰うのをジョーは耳にしたことがある。「京都が焼け野原になった」というのはジョーの知識と合わないからよく聞いてみると原理主義者のいう<前の戦争>とは<応仁の乱>だったことだ。さすがにひっくり返りそうになった。ただ彼ら原理主義者の時間感覚は100年単位だから、江戸時代も、明治維新もまるで自分が経験したかのように語る。その一方で空間的感覚は恐ろしく狭く限定されている(ジョーは数百m単位ではないかと睨んでいる)。宇治が京都ではないのはまだ理解できるけれど、西陣でさえ、本音としては京都とは認め難いと考えているようだし、烏丸五条について言えば「祇園祭で山鉾が巡航しないところをほんまモンの京都と言えますか?」と譲らない。ジョーは京都に来てからお茶を始めたのだけれど、そこは原理主義者の巣窟で、なぜかジョーにはみんな優しいから原理主義者だからといって遠ざけることはしない。でも「烏丸五条は京都じゃあらしまへん」と言わはるとちょっと残念やなあと思うんどす。美味しいお店もぎょうさんあリますのに。

【まずは魚と白ワインの店から】
その店は烏丸五条にあり、ジョーが長期滞在しているサービスホテルから徒歩20秒ほどだ。週に一度は暖簾をくぐるし、今一番のお気に入りの店でもある。料理のジャンルを説明するのは難しいけれど、店の入り口横に店内を見渡せるガラス窓があって(以前は格子窓だったのだろう)そこには白いペン?で、「お魚と白ワインの店」とある。最初この店の横を通り過ぎたときさまざまな疑問が湧いた。例えば「肉のメニューはあらしまへんの」とか「赤ワインは飲めへんのかしらん?」とか。結論から書けば基本肉のメニューはないし白が20種類近く用意されているのに、赤はハウスワイン1種類のみ。看板に偽りなしだ。しかも用意している白ワインはフランス産のみ。かなり個性的な店である。何人かの女子をお連れしたけれど(苦笑)、エロ嬢は特にお気に入りで「地球滅亡最後の日の前日はここでご飯を食べたい」という。
この日、世間は休日だけれど、この店は14時オープン。エロ嬢からのリクエストで昼飲みどす。まずはシャンパンから。この店では週替わりでグラスシャンパンが頂けるのが嬉しい。今週はポルヴェールジャック、ブリュット(辛口)。兎にも角にもエロ嬢とグラスを合わせる。爽やかなスッキリとした味わいが乾いた喉を潤す。エロ嬢も「掴みはオッケーやわ」とご機嫌だ。マスターにおススメを聞いてそれを参考に注文するのが、僕らのスタイルだ。マスターから今日のおススメとして「最高のイクラが入りました。それとポテサラを合わせてます。ポテサラもジョーさんの好みやと思います」と言われたら断る理由がない。さらに初物さんま(仕入れ値1匹800円!)と胡瓜のカルパッチョ、琵琶湖産天然ウナギの白焼を岩塩と山ワサビでを注文。今年は雨が多くて天然ウナギは壊滅状態らしいけれど、特別ルートで入荷とのこと。「山ワサビ」というのもたまらない。注文の段階で口中は唾で溢れている。客はジョー達を含め、3組だけど、調理人はマスターだけだし、給仕は夕方からやって来るからこの時間帯は飲み物の注文もマスター一人が受ける。だから提供は早いとは言い難いけれど、それもまたこの店の味わいだ。お代わりしたシャンパン飲み干す頃、いくらのポテサラが提供される。間髪入れず料理に合わせたワインをマスターに選んで貰う。ジョーはアルザス、エロ嬢はブリュゴーニュ。アルザスというと甘口というイメージがあるが、柔らかくそれでいてシャープな自然派ワインだった。マスターセレクトだから選択に間違いはなく、確かに素晴らしいワインだ。

それにもまして素晴らしいのは、いくらだ。マスターによれば今日のは最高の生いくらで旬であってもこれほどのものが、手に入ることはなかなかないという。冷凍技術、そして解凍技術が進歩して一年中美味しいいくらが味わえるが、それでも旬にはかなわないということなのだろう。もちろんポテサラだって負けてない。いくらに負けないように?卵多めで作ったポテサラだ。決してしつこくなく、卵の白身をわざと大きく切りその食感を残すことで、いくらのプチプチ感を引き立てる。そりゃあ、ワインが進みますわな。
その後に提供されたサンマもうなぎもびっくり仰天のお味で、僕らのワイン消費量のピッチが上がる。ここに来るときはあまりシメは頼まないのだけれど、今日は何かもう少し食べたいということで、二人の意見が一致した。それじゃあ、ということで、気にはなっていたけど、いつもは辿り着けない「スープパエリア」を注文。一口食べて後悔した。ここには毎週のように通っているのに、なぜ今まで注文しなかったのだろう。うまい、美味すぎる!しかしながらこれで注文は終わりではないのだ。すでにお腹ははち切れんのばかりなれど、食べずには帰れない一品がここにはある。それがパンナコッタだ。甘口のシェリー酒と共に頂く。伝説の料理人魯山人は「甘味は旨味」と断言した。この言葉を証明するのが、このパンナコッタとシェリー酒の組み合わせだ。僕らがそれを「世界一のパンナコッタ」と称するのに躊躇はない。二種類の甘味が僕らを天国へと誘うのだ。「甘ったるい」とは似て非なる味わいであることを特に強調しておきたい。やっぱりエロ嬢がいうように地球滅亡前日はここやね。

【気になるこのお店のお会計】
「バル」というカテゴリーからすると決して安い方ではない。しかし内容を考えれば十分満足だし、僕らのように飲んで食べても今まで二人で3万を超えたことはない。各種カードの他、PayPayも使えるので便利だ。広い店ではないから、予約はしておいた方がいいだろう。特に週末は予約なしだと入れないことの方が多い。

【そしてホテルスパへ】
いつもならそのまま長期滞在しているホテルに帰って(20秒だしね)クンズホツレツ(死語)なのだけれど、今日はエロ嬢のリクエストで二条にあるホテルにお泊まりだ。そのホテルには数年前のオープン時に泊まったことがある。某ホテルグループのカテゴリーでいくと最高級にランクされるが、その時はまだサービスがランクに追いついていなかった。特別価格だったから許せたけど、今では倍以上の価格になっている。結論から書けば、格段に良くなっているというより、別のホテルになっていた。スムーズにチェックインできたし、どのスタッフも機敏にそして柔らかく落ち着いた対応だ。ロビーでお茶のもてなしを受け、部屋に案内される。この日の目的の一つは地下にある水着で入れる温泉スパだ。酔い覚ましに(本当は酔っ払って入ったらいけないらしい)行ってみる。エロ嬢は黒と白のビキニで登場。重力に負けていない爆乳と大柄で骨格はしっかりしているのに、引き締まった肉体、それでいて肉付きの良いお尻。文字通りエロい。温泉スパだから泳ぐのには相応しくなく、ゆっくり体を温めた後は、バスローブを着てサイドのソファーベットで寛ぐのが正しいのだろう。ジョーは横になって本を開く。エロ嬢はトリートメント室へ移動して「香ホリスティックセラピー」なるものを受ける。名称からして値がはりそうだけれどエロ嬢のリクエストだ、野暮なことを言うのはよそう。


【お部屋でやることは一緒だけれど】
エロ嬢はご機嫌でお部屋に戻ってきた。「半分以上、意識不明だったけど、本当、気持ちよかった!お肌ツルツルやし」と言われたらやっぱりジョーも嬉しい。こうなればもちろん?すぐに戦闘開始だ。これはこれまでも何度も書いたが、ジョーは自分の性技に全く自信がない。当然ドーピングはしているから、硬さはともかくとして、大きさにも持続力も誇れない。それなのに、エロ嬢はジョーとのセックスを絶賛する。これが言葉だけなら、信じられないが、体の反応、特にあらゆる液体が噴き出し、絶叫しながら何度も絶頂に達するのをみると「もしかしたら」と思いたくなる。もちろん全てが演技の可能性はあるし、エロ嬢がことエロに関して百戦錬磨であるのも知っている。でもね、互いに満足した後、エロ嬢がジョーを強く抱き締める時、これ以上何があるんだよと思う。そして今回もそうだった。そうだ、京都はおいしくて、エロいのだ、という結論は強引すぎますやろか?

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