私的心ジョー風景〜ジョー、バチがあたるの巻〜前半
カヨコ姫と初お泊りだ
羽田空港でサクラちゃんと後のハグ(この時点では思ってもみなかったけれど)をして別れた後カヨコ姫に会うべく移動するジョー。
手にするキャリーバックの中にはお土産のチョコレートとサクラちゃんにあげなかったスタイフ社のペディベア1体(晃太郎から奪い取った。我ながらブラック企業やね)。
こういうことするからバチが当たったのかしらん(涙)。
待ち合わせ場所は東京駅近くのホテルのロビー。
ジョーは約束の時間少し前に到着。
カヨコ姫はすでに待っていた。
ジョーを認めて笑顔で手を振るカヨコ姫。
可愛いな。サクラちゃんほどじゃないけど(涙)。
まずはハグでご挨拶。カヨコ姫の匂いがする。
「ジョーさん、お帰りなさい。お疲れ様でした。時差ボケじゃない?」
「大丈夫。カヨコ姫に会ったら時差ボケ吹っ飛んだよ(昨日すでに吹っ飛んでおります。涙)。お土産渡したいからまずはチェックインしようか」
今日はカヨコ姫と初お泊りだ。
我ながら「あんたも好きねえ」という感じだ。
ボーイに案内されお部屋へ。
カヨコ姫のリクセストによりメゾネットタイプのお部屋。
ボーイがドアを開け、入室を促す。
部屋に入るなりカヨコ姫が歓声を上げる。無駄に広いというのがジョーの第一印象だけれど、カヨコ姫が喜んでくれるなら、もちろん嬉しい。
負けずとも劣らない官能的なキス
一通りのお部屋の案内の後(割と時間が掛かった)ボーイは部屋を出る。
早速、キャリーバックからチョコレートとペディベアを取り出すジョー。
「ハイ、おみやげね。チョコレートとペディベア」
「わー、嬉しい!スタイフ社のじゃないですか!スゴイ!」
「知ってるの?」
「もちろんですよ、女の子なら誰でも喜びますよ。ジョーさん、誰に教わったんですか?」
「僕には娘がいるからね。娘も大好きだから」(カヨコ姫、嘘ついてごめんなさい)
少し疑わしい笑いを浮かべながらカヨコ姫からキスをせがまれた。
しかもほっぺたではなく、mouthtomouth。
カヨコ姫はこういうことするタイプじゃないので(どちらかと言うとツンデレ)ドキドキするジョー。
口を離そうとするとカヨコ姫の方から舌を絡めてくる。
サクラちゃんに負けずとも劣らない官能的なキスだ。
これが噂のスタイフ社効果なのか?
サクラちゃんの言う通りだ。ありがとう、サクラちゃん(号泣)。
芸術談義をするのが一番の楽しみ
カヨコ姫とは趣味が合うのが嬉しい。
彼女と芸術談義をするのが一番の楽しみだ。教わったことはたくさんある。
例えばシャガールについて。シャガールはカヨコ姫お気に入りの画家の一人だ。
それに対してジョーはシャガールやよく比較されるダリなどはあまり得意じゃない。
以前その話で議論?した時、カヨコ姫はシャガールの素晴らしさについて熱く語り出した。
「シャガールの絵は平面である作品に時間と空間が混在しているんですよ。ジョーさんの好きな曼荼羅と同じですよ。それからシャガールのベースには生まれ故郷であるロシア民話の影響がすごく強いんです。一見荒唐無稽に見える画面構成も彼の人生を再現したんだと思って鑑賞するとシャガールの世界に入っていけますよ」
非常に説得力があった。だから今回パリに立ち寄った時、シャガールを求めて4つの美術館をやっつけた。
確かにカヨコ姫の言うように「ロシア民話」という補助線を引いてやるとシャガールの絵の世界に引き込まれる。
するとゲンキンなもので今までの苦手意識が吹き飛び、すっかりシャガール派に宗旨替えするジョー。
そしてホテル近くのギャラリーでちょうどシャガール展を開催中だったので二人で出かけた。
ギャラリーの入り口で別行動になるのはいつも通り。
それぞれのペースで鑑賞した。
パリでの事前学習によりジョーは頭でっかちになっているから、この展覧会が悪いはずがない。
展示作品には絵画作品だけでなく、陶芸や彫像もあり、カヨコ姫の言っている意味がさらによく理解できた気がする。
特に陶芸はとっても魅力的だった。実用性には乏しいけど、花瓶なら是非欲しい。まあ、買えないでしょうけど。ああ良い展覧会だったなあ。
ジョーの心の問題だから。
その後は宿泊するホテル地下の高級?焼き鳥屋で食事をした。
美味しい焼き鳥とワインを飲みながらカヨコ姫と美術談義。
とっても楽しい。
その話の後はいつものようにカヨコ姫から彼氏の愚痴を聞く時間だ。
「とにかく性欲のレベルが私と合わないんですよ」
とカヨコ姫。
姫、可愛い顔して大胆な事言うね。ここはカウンターであることお忘れなく。
「それがそんなに問題かしらん?話を聞く限りなかなかできた彼氏じゃない」
とジョー。
写メも見せてもらったけどイケメンでもある。
「セックス以外で不満はないです。でもそこが大問題なんですよ、私にとって」
とカヨコ姫反論。
「その穴埋めにパパ活なんだね。でも僕は穴埋めできいないんだよ、特にこうして素晴らしいワインを飲むと」
とジョーは下ネタで嫌味。
「彼が毎日抱いてくれたら少なくともセックス目的のパパ活なんて必要ないですよ」
おいおい、それを言っちゃおしまいよと口には出さないけれど、寅さんになって心の中で呟くジョー。
その時だった。マナーモードにしていた携帯がブルブルと音をたてる。
サクラちゃんからだ。
一旦着信を切り、カヨコ姫には「仕事の電話だから掛け直してくる」と言って外に出た。
胸騒ぎがした。
サクラちゃんから電話があることはほとんどない。
店から少し離れたトイレに駆け込みコールバックするジョー。
サクラちゃんはすぐに出た。
型どおりの挨拶と旅行のお礼を言った後、本題を切り出すサクラちゃん。
それは今後の付き合い方に関する提案というより宣言だった。
出された変更条件は3点。初の2点は問題ない。
特に1番目はちょっと嬉しかった。問題は3つ目の条件だ。これは受け入れ難い。
ジョーの心の問題だから。沈黙が二人の間に流れる。
そしてその沈黙を破ったのはもちろんジョーだ。自分でも全く思いがけない言葉を口にするジョーであった。
※マック様、A様引っ張ってごめんなさい。
ジョー