恋愛ワクチン 第九十四話 ダビデ像を描きたくて(1)
「はじめまして。
登録を検討している20代後半の女性です。
パパ活をはじめたい理由は複数ありますが、芸術系の勉強をしており、男性の身体に『触れながら』描かせていただきたいという事が一番の理由です。
お会いしている時間内に、短時間クロッキーのモデルを楽しくつとめて下さる男性様と出会えたらなと考えているのですが、この様な希望は無理がありますでしょうか?
面接を受ける前に、倶楽部の皆様のご意見を頂戴したいと思い質問させていただきました。
二番目の理由は、歳上の余裕ある男性に抱かれたいととっても思うからです。
私は男性経験1人のいまだに処女なので、慎重ですが、覚悟は決まっています。交際タイプはC寄りのBを選択しようと考えております。
質問者側では追記ができないようなので、ご回答下さる方にはこの場で前もって御礼を申し上げます。」
パパ活匿名質問箱の質問番号13698。この質問者が今回のコラムのヒロインの絵里ちゃんだ。
ヒロインと書いた。私はいつもコラムで女性のことを書くときに心掛けていることがある。
それは女性を美しく描写することだ。
脚色ではなく、自分がなぜその娘に魅かれたのか、その根源に向き合う。すると自然とその女性が持つ美しさが文章から滲み出る。
これまでの私のコラムを読み返してみれば解るが、全ての女性たちが個性的に輝いているはずだ。
絵里ちゃんの魅力は少しだけ生きにくそうな不器用さにある。
小学生のころから自分は他の人とは違うと自覚していたようで、特に肌と肌との触れ合い、スキンシップが苦手だ。
男子とだけではなく女子とも触ったり触られたりしたくない。
不思議な感性の持ち主で、19世紀の文化や小物が好きだ。デートの際は毎回、趣味で骨董市などで集めた絵里ちゃんの宝物を一つずつ持ってきては見せてくれる。中国の古いガラス壺とか、明治時代の帯留めとか。
絵里ちゃんの魅力は、そんな不器用な自分を、変にマイナスに考えて悩んだりせずに、自然に受け入れて生きているところにあると思う。
これもまた一つの生きる力なのだろう。今流行りの「自己肯定感」とか「承認欲求」とかとは全く無縁である。
絵里ちゃんは見た目も綺麗だし可愛い。しかし私は絵里ちゃんの見た目もさることながら、魂の健やかさに魅かれた。
他の男性たちは絵里ちゃんの持つ独特な魅力に気付くだろうか?ちょっと変わった娘っていう評価で終わってしまうとしたら勿体ない話だ。
絵里ちゃんは「生きにくさを抱えながらも歪むことなく素直に生きている姿」に魅力を感じ取ることの出来る私と出会って良かったと思う。
そして私がこのコラムを書いている理由、お馬鹿なアンチは「マックの野郎、また自慢話書きやがって」と思うかもしれないが、そうじゃなくて、絵里ちゃんを喜ばせるためである。
この文章を書いている時間、私は間違いなく絵里ちゃんのことだけを考えている。それを喜んでくれるであろう絵里ちゃんのために書いている。
別に処女を頂こうという下心ではない。処女卒業は初回デートでさっさと済ませた。それからもう10回くらい会っただろうか?毎回お泊りで愛し合っている。今更私に何の下心があるだろう?
デートの回数を重ねて、それまでの彼女の人生の話を聞いて、よく頑張ってきたね、そしてよく勇気を振り絞ってこのユニバース倶楽部に応募した、偉かった偉かった、そう頭を撫でてあげるような心境だ。
前置きが長くなったが、今回のコラムはそんな絵里ちゃんの上記質問の顛末記である。
初日顔合わせの日、私は駅で待ち合せて落ち合った後、絵里ちゃんを連れて車で海辺の別荘へと向かった。
絵里ちゃんはBタイプであったので、初日はHに誘うつもりは無い。別荘で文字通り私自身が一肌脱いで、モデルを務めるためだ。
道中自己紹介とよもやま話をする中で、温泉の話になった。絵里ちゃんは温泉が好きだそうだ。
マックさん「そういえば、この先にも立ち寄り湯のできる温泉があるよ。混浴だけど」
絵里ちゃん「混浴ですか。まだ行ったことが無いです」
マックさん「もしかして・・良かったら行く?」
絵里ちゃん「よろしいんでしょうか?」
全然嫌そうじゃない。むしろ行きたがっている。
温泉宿について露天風呂へと向かった。ここには何回来たか分からないほどだ。恵理ちゃんは宿の造りが気になるようで「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋のよう凝った造りがツボなのだろう。
常連さんたちがいる。
マックさん「こんにちは」
常連さんたち「あ、どうもこんにちは」
私は毎回若い娘を連れてくるので、常連さんたちからは重宝されている。私が湯から上がって体を拭いていると、常連さんたちがわざわざやってきて「ありがとうございました!」とお見送りしてくれるレベルである。
マックさん「今日は新しい娘連れてきたよ。実は皆さんに頼みがあるんだけど、この娘美大生で処女なんだけど、男性の裸体を触りながらスケッチしたいんだって。お風呂だからスケッチは出来ないけど、この娘に体触らせてあげてもいいっていう人いる?」
常連さんの一人「ああ、お安い御用ですよ。どうぞいくらでも触ってください」
わざわざ仁王立ちになってくれた。
絵里ちゃん「よろしいんでしょうか?」
マックさん「いいよいいよ。この人たちこういう面白いことあると良いなと思って来てるんだから。遠慮せずに触らせてもらいなさい」
絵里ちゃん「失礼します」
絵里ちゃんはおそるおそる二の腕から触り始めた。
全裸の処女の娘が、たまたま居合わせたおじさんの裸体をぎこちない手つきで触って、筋肉の感触を確かめている。表情は真剣だ。なんともシュールで良い。
(続く)
※表題下のアイキャッチ画像は絵里ちゃんが男性たちの裸体を触らせてもらったお礼にあそこを広げて処女膜を見せているところ。二人の男性に支えられて温泉の真ん中にある花台の上で開脚しています。マックさんが撮影した写真を見ながら絵里ちゃん自身がコラムの挿絵用にスケッチしてくれました。