宇宙倶楽部的交際日記「私的心像風景」再び
C 月×日
数年前にリニューアルオープンしたそのホテルは場所柄なのかとにかく怪しげなカップルが多い。
「戦車も買える」が謳い文句のそしてよく考えてみたら(よく考えなくても)戦車を買うことは絶対ないはずなのに、要するに騙されて作った黒いカードの効力が発揮されて、「よろしければエグゼクティブラウンでチェックインをさせていただきます」という。
そこは名称こそジョーのような「プチブル」の心をくすぐるけれど、その実態は「エグゼクティブ」とはあらゆる点で対極にある貧相な場所であった。
ジョーの周りには「辛うじて服を着たチ〇コ とマ〇コ」と呼称するしかないカップルが数組、同様に、チェックインをしている。
そういう男女が集う場所を 「エグゼクティブ」と呼称するのは噴飯ものだ。
「お前もその一人だろうよ!」という当然の、しかしながら全く的外れな突っ込みに対しても心の内を隠しつつ、耳を傾けるフリができる程度にはジョーは大人だ。
もちろんこういう振る舞いを「大人の対応」だとすればの話だけれど。
さて本日のお供は今、ジョー一番のお気に入りであるダイナマイト嬢だ。
彼女の魅力は兎にも角にもその肉体にある。
鍛え上げられた、美的なそれではなく、少し丸みを帯びたメリハリのある女性らしいソソル体だ。
周りの怪しげな女性とダイナマイト嬢を比べると、上品さの点で雲泥の差であることは言うまでもないが、その垂涎の曲線美はジョーが前回プレゼントしたフランス製のランジェリーで覆い隠されているだろう。
というわけで、こんな貧相な場所はすぐに出て、部屋でダイナマイト嬢を押し倒したいのであるが、彼女と共に注文した「カプチーノ」を飲み終わらないうちに席を立つのは忍びないというより恥ずかしい。
そんなジョーの「心像風景」をダイナマイト嬢は見透かしたように 「ジョー、ここで押し倒してもいいのよ」 と膝に手を載せながら囁く。
こういう「囁き」と「膝に手」は股間を物理的に刺激するだけでなく、脳内麻薬物質の分泌を促すのに素晴らしい効果を発揮する。
さすがにここで押し倒すわけにはいかないので、すぐに部屋へと移動し、部屋に入るや否やダイナマイト嬢の口を塞ぎながらベットに押し倒す。
そして彼女のお召し物を破れない程度に激しく剥ぎ取ると、ジョーのプレゼントしたフランス製のランジェリー姿。
男ゴコロと股間を刺激する素晴らしい肢体である。
キスを繰り返しながらブラジャーのホックを外すと洋ピン(死語?)さながらの「オーマイゴット!」と叫びたくなるような乳房が露わになる。
大きめの乳輪もジョーの好みだ。
そして十分湿っている面積の小さな布だけをずらして珍しくドーピングなしに硬直しているジョー自身を差し込むのだった。
その代わり?あっという間に終わるのもいつも通りなんだけれど(苦笑)。
C 月△日
予定では日付の変わる前に帰ると言っていたダイナマイト嬢だったけれど、プールで泳いだり、食事を楽しみ、 ホテル周辺やホテルのバーをはしごしているうちに日付が変わり、結局泊まることになった。
眠る前に珍しく? もう一度ジョー自身を受けて入れてもらった。
翌朝目覚めると、ダイナマイト嬢はすっぴんで眠っている。
マックさんなら、女性が再び化粧をするまで寝たふりを続けるが、ジョーはエセ紳士なのでそんな配慮はしない。
そしてすっぴんの彼女は「どちら様ですか?」 と言いたくなるほど、別人28 号だ。
しかしながらだからといってダイナマイト嬢の魅力が失われるわけではない。
化粧を落とすと、10 歳以上幼く見えるが、その幼さと変わらないエロくそそる肉体との対比がかえって際立ち、機能的優れているとは言い難いジョーの股間にミタビ素晴らしい効果をもたらす。
ジョーの気配を感じて目 覚めたダイナマイト嬢はジョー自身の変化もすぐに察知して自ら腰を落とす。
肉体もさることながら全力でセックスを楽しもうとする姿勢が彼女の最大の魅力である。
お手当は過去最高価格であるが今のところ気持ちよく支払うことが出来ているのもジョーの欲望をいつも全力で受けて入れてくれているからだ。
素早く朝の営みを終えると(苦笑)お互いゆっくりとバスにつかり、ルームサービスで朝食をとった。
ダイナマイト嬢が時間をかけて入念に化けた後、解散。
B 月?日
オサム君から悪魔のお誘いである。
「セックスセミナー受けませんか?」
というのである。
いつもなら一笑に付して断るところだが、ダイナマイト嬢という魅惑的なセックスパートナーを得たところだったし、彼女はいつも ジョーの欲望に応えてくれたが、逆にジョーが性的に満足させたことはなかったので、参加してみることにした。
オサム君既に2度ほど受講していて「人生が変わった」という。
流石にジョーは苦笑を禁じえなかったけれど、「ジョーさん、セックスについてちゃんと学んだことないでしょう?このセミナーは目からうろこモンですよ!」というので、眉唾ながら何となく説得力も感じていた。
当日は先生と呼ばれるジョーよりも年上男性の高級マンションに案内された。
参加者はジョーとオサム君を含め、4 名である。
平日の午後にスケベを学ぶなんてまともな大人がやることではないと思うけど少し期待もしていた。
しかしながら結論から書けば期待外れに終わった。
先生はテキストその他を交えて、女体の構造を熱心に語り、そしてジョーを除く生徒たちも真剣に耳を傾けていたが、ジョーがひとり、こみ上げる笑いを我慢するのに苦労していた。
おそらく先生はまじめにセックスについて考えてきたし、その中で女体の不思議さに圧倒され、ある種の真理?に達したのかもしれない。
でも先生がセミナー内で使うセックス用語が独特すぎてジョーは可笑しくてたまらない。
これで他の生徒たちから笑い声がおこればもしかしたらセミナーをもう少し楽しめたかもしれないが、誰も笑っていないし、オサム君に至ってはその用語を使って、先生に質問までしている。
最初は笑い を堪えていたが、だんだん笑えなくなってきた。
休憩を挟んで結局セミナーを3時間以上受けたが(苦笑)何も学ばないまま、ジョーはマンションを後にしたのだった。