ナナ姫と海外旅行 IN バルセロナ 前編
Contents
悩むジョー
問題はスペイン行きを社員や妻に何と説明するかだ。
本当は問題でも何でもなくて、ナナ姫のリクエストに応えなければ良いだけの話だけれど。
しかしながら、ナナ姫から濡れた瞳でお願いされたし、旅に行けば、おそらくナナ姫の濡れた×××(自主規制)を味わえるだろうし、何より、スペインには行ったことがなかったから、この機会を逃しくないとも思った。
当然ながら?ジョーの経営する会社はスペインには縁もゆかりもない。
地元の経営者仲間で行う海外視察は数ヶ月先だし、今年はシンガポールに決まっているのは社員も知っている。
プライベートな旅行でスペインへとなればこちらは妻の方が納得しないだろうし、少なくともどうして一人で?ということになり、痛くない腹を探られることになるだろう(実際は痛いんですけど)。
でもナナ姫とどうしてもスペインに行きたい。
子の矛を以って、子の盾を陥さば如何と(うむ?)。
To be or not to be, that is the question.(使い方あってる?)。
「若きウェルテル」並みに悩むジョーであった。
あっ、若くないか!
スケジュールを考える
定期的に訪れる海外は香港だ。
得意先周りが主な目的だから3日程度で事足りるし、せいぜい1週間が限度で、仕事終わりで妻が合流することもある。
ややリスキーだが香港経由でスペイン(バルセロナ)へ飛ぶしかない。
まずは妻の香港合流を阻止しなければならないが、何かを察知しているのか失敗に終わる。
こうなるとスケジュールはさらにタイトになる。
香港で全く仕事をしないわけにはいかないので、普段なら3日かかるところを1日半で終わらせなければならない。
そしてバルセロナに3泊。
妻が香港にやってくる日にジョーも香港へ帰って?くるという日程だ。
ナナ姫との関係が終わった(号泣)今になって振り返ってみると、本当に危ない橋を渡ったと思う。
特に国際線の場合、フライトの遅延や欠航の可能性がそれなりにあるから、今こうして書いていてもその時の自分の気持ちがよく理解できない。
それだけナナ姫の魅力に取り憑かれていたということだろう。
「40にして惑わず」というが未だ人生に惑い、天命も知ることのない、50代のジョーなのであった。
デートスタート
待ち合わせ場所であるサクラダファミリアにナナ姫は時間通りにやってきた。
ジーパンに白いシャツ、その上に薄いブルーのジャケットを羽織っている。
そしてサングラス。
極ありふれたカジュアルなイデタチだけれどモデル歩きで闊歩しながらジョーに近づくナナ姫は観光客でごったかえしている入り口からでもとっても目立つ。
その上待ち合わせ場所が異国の地だ。
否が応でもテンションはアゲアゲだし、美しいナナ姫がさらに2割り増しで美しく見える。
ナナ姫はジョーを認めると手を振りながら近づいてくる。
ああかわいいな。
まずはハグで挨拶。
とってもいい匂いがする。
そして頬っぺたに軽くキスされる。
この段階で骨抜きにされているジョーである。
「ジョーちゃん、待った?やっぱり外国で会うと気分が盛り上げりますね」
「確かに。3日間よろしくね」
「ハイ!ディープバルセロナをご案内しますよ」
予約した入場時間になったので、スマホ画面を提示する。
セキュリティーチェックの後、入場。
ナナ姫とは付かず離れずの距離で見学した。
さて問題はサクラダファミリアだ。
天才建築家の代表作と紹介されるが、ジョーにはその魅力が分からなかった。
本来、教会が持っているはずの宗教的な荘厳さが全く感じられなかったからだ。
完成時には12 本の尖塔(12 人の使徒を象徴しているらしい)が聳え立つという。
建築中であるのを差し引いてもその尖塔があまりに異様で美しくないというのがジョーの感想だ。
東京ディズニーランドに来ている気分である。
そして東京ディズニーランドには全くいい思い出がない。
あっ、関係ないか。
ところでガウディはバルセロナを中心に活躍したから、市内には彼が設計した建築物がいくつかありグエル邸やカサバトリョ、カサミラなどどこも観光客でごった返している。
そして外観はどれも個性的だが、細部まで意匠を凝らしており、こちらの方はどれも興味深かった。
サクラダファミリアとは異なり一見の価値はあると思った。
何より隣にはナナ姫。
まずは上々のスタートだ。
スペインの料理
バルセロナには数日滞在しただけだから、その魅力を十分堪能したとは言い難い。
しかし間違いなく言えることはとにかくご飯が美味しいということだ。
そして安い(正確には安い店が多い)。
ガウディー見学の後はナナ姫の案内に従い、「バルセロナの築地」である?通称ラ・ボケリア市場(正式名称はサンジョセップ市場)へ。
ボケリアはスペイン語で胃袋を意味するというナナ姫のウンチクを聞きながら約200 店舗を見て廻る。
肉、魚、野菜、果物、そして気軽なバル。
各店舗特徴があり、食材も豊富かつ、色鮮やかで全く見飽きない。
市内中心部にある市場なので、地元買い物客よりも観光客の方が多いようだ。
特筆すべきは魚の種類の多さ。
一般に西洋圏では「悪魔の使」と言われて忌み嫌われるタコもあり、スペインでは欠かせない食材というのもナナ姫からの豆知識だ。
お腹も空いていたので、一番混んでいるバルに入った。
市場にあるバルだからなのかメニューが豊富でどれを頼んでいいかわからない。
英語表記も簡単についているけれど、基本スペイン語だからどんな料理なのかわからないものが多い。
普段なら周りの人の注文を指差して「あれ」というところだけど、今日は語学に堪能なナナ姫にお任せする。
ジョーはビール、ナナ姫はサングリアでまずは乾杯。
ややあって次々と料理が運ばれてくる。
そしてどれもこれもとっても美味しいのだ。
肉も魚も野菜も、そしてデザートも。
もっとたくさんの種類を注文したかったけれど、お腹が一杯で、色々と挑戦できなかったことが、唯一の心残り。
そして滞在実質3日間で色んなお店に行ったけれど、ハズレの店は1軒もなく、しかもリーズナブルな値段で提供されるのには驚いた。
バルセロナの食レベルの高さを堪能したジョーであった。
下世話なお話
愛人と旅に、特に海外旅行行く場合、楽しみはいくつもあるけれど、夜の活動が1番であるユニバース男性会員諸先輩も多いことと思う。
もちろんジョーもその一人だ。
ただ、ご存知のように?ジョーの場合、機能的優れていないので、3泊の内、一晩だけでも「官能ナイト」があれば良いと思っていた。
しかしナナ姫に限ってはそんなことでは許してくれない。
下世話な書き方で申し訳ないが、バルセロナ滞在中6発のトマホーク(嘘)が発射された。
まだ比較的盛っていた20 代の頃でも短期間にこれほど発射したことは記憶にない。
昔から「変態なのに行為は淡白」とよく言われたし、自分自身でも自覚していた。
兎に角ナナ姫の性に溺れるジョーであった。
後編に続く