恋愛ワクチン 第四十五話 性病について
マックさんは困っていた。
ある女の子から
「クラミジアにかかっていました。ごめんなさい(泣)」
というメールが来たからだ。
マックさんは医者の友人が多い。
高校が進学校だったおかげだ。
だから薬や検査、相談相手には不自由しない。
早速検査して、念のために服薬もした。
クラミジアと言うのは、薬を飲めば治る。
だからマックさん自身は困ることはないのだが、問題は先日記事に書いたあかりちゃんだ(第四十四話「あかりちゃんの幸せ」)。
あかりちゃんと生でしてしまった。
そしてあかりちゃんは、シアトルさんの言を借りれば、「人生に2~3回あるかないか」の幸せのチャンスの真っただ中にある。
あかりちゃんには真っ先に連絡した。
そして反省した。
マックさん、性病に関して考え方が甘かったと思う。
絶対にかかってはならないのはHIVだけで、クラミジアなどは風邪のようなもの、服薬すれば治る、そう考えていた。
確かに自分はそれで良い。
しかし、自分を介して他の子にうつしてしまったとき、その子にはパートナーがいるかもしれない。
パートナーがいる場合には、パートナーに内緒で治療しても、治癒後にまたパートナーにうつされてしまう。
ピンポン現象という。
回りまわって、マックさん→女の子→パートナー→女の子→マックさんと、三人ピンポンも成立する。
マックさんは、あかりちゃんとの関係を断てば逃げ切れるが、あかりちゃんをそのままには出来ない。
どうしよう?
あかりちゃんの検査が陰性であればそれでいい。
わざわざ彼氏に報告することも無い。
友人の医師に頼み込んで、あかりちゃんにも念のためにお薬を処方してもらって、一件落着である。
クラミジアの潜伏期間は1~3週間だから、一か月後に再検査して、再び陰性であればさらに確実と言える。
問題は、陽性に出た場合だ。
彼氏にも薬を飲ませなければならない。
一番確実な方法は、正直に彼氏に「クラミジアに感染したみたい」と言うことだ。
感染源を、元彼、または彼氏本人(ごめんなさい)とすれば良い。
女優を演じなければならない。
あかりちゃん、頑張って。
マックさんは、あかりちゃんの検査結果が陽性だった場合に備えて、彼氏に飲ませる薬を友人の医師に処方してもらった。
「あなたの分のお薬も貰ってきておいたから、飲んで下さい、お願い」と、あかりちゃんに言われたら、彼氏も受け入れやすいだろう。
「泌尿器科に行ってお薬貰ってきて飲んで下さい」よりも感じが良い。
事情を話すと、友人の医師は
「ちょうど良い薬があるよ」
と言った。
ジスロマックSRという薬である。検索してみてください。
なんと、一回服用するだけで良い。
なおかつ、ドライシロップで水に溶かすとヨーグルト味になる。
これなら彼氏に、クラミジアに感染したみたい、と告白しなくても内緒で飲ませられそうだ。
というよりも、ひょっとしてそのために作られた剤型なのではないだろうか?
薬を飲ませるのが大変な子供ならいざ知らず、成人用のドライシロップで、一回だけの服用で良いって・・絶対パートナーにこっそり飲ませるためでしょう?
やっぱり医者の友人は有難い。
これからも大切にしよう。
ジスロマックSR、近日製造販売中止になるらしい。
問題があったのではなく、売れなかったからだそうだ。
どういう風に役に立つか、声を大にしては言えないから、広まらなかったんだろうな。
医者の友人がいる皆さんは、在庫があるうちに確保しておくといいかもしれません。
さて、あかりちゃんの件はここまで。
深く反省した(本当です)マックさんは、自分の知識を再確認して、遊びのスタイルを見直すことにした。
最初に「クラミジアにかかってしまいました(泣)」と連絡があった女の子とは、ゴムをつけてセックスした。
なぜゴムを付けていたにも関わらずマックさんがびびったかというと、マックさんはフェラをしてもらうのが好きで、それは生だったからだ。
「オーラルセックス(口腔性交)による性感染症に関するQ&A」で検索してみて欲しい。
なんと、厚生労働省のHPである。
ここに、オーラルセックスで感染する性病は、淋菌、クラミジア、ヘルペス、梅毒の4種類であると明記されている。
HIVはオーラルセックスでは感染しない。
だからマックさんは、フェラはいつも生でしてもらっていたのだが、今回の件で反省した。
ゴムフェラをしなかった理由の一つは、女の子自身がゴム臭さを嫌がるからだ。
「オーラルセックスコンドーム」というものがある。
通常のコンドームのゴム臭さをなくして、果物のような香りをつけたものだが、これを付ければ大丈夫だろう。
クンニのためには、「デンタルダム」というものがある。
サランラップでも良いかもしれない。
これで性器ヘルペスの、唇への感染を防ぐことが出来る
アマゾンで購入できるので早速注文した。。
使用感は後日、コメント欄に追記する予定だ。
次に、最重要問題である、HIV感染についても再考した。
HIVだけは絶対にうつされては困るし、ましてや自分を介して他人にうつすなんてことがあってはならない。
そう考えると、やっぱり生での膣内性交は良くない。
たとえ同意があったとしても、いけないことなのかもしれない。
まったく駄目ではなく、同時に二人の異性と生でするのが良くない。
一人だけとなら良い。
一人だけであれば、仮にその彼女がどこかでHIVをうつされてきて、マックさんが感染したとしても、他の女の子にうつして迷惑をかけることはないからだ。
自己責任という言葉が許されるのは、リスクが自分でとどまる範囲だ。
他者にリスクが及ぶことをするのは、ただの無責任である。
だから、生でセックスして良いのはただ一人だけ。
別の人と生セックスしたい場合には、いったんHIV検査を受けて、陰性であることを確認してからにすること。
これが原則となる。
肝に銘じよう。
さて、マックさんの知識においては、HIVというのは生での膣内性交でしか感染しない。
上記の厚生労働省のHPの内容もそうである。
本当にフェラやクンニでは感染しないだろうか?
「おおさかエイズ情報Now」というサイトの「感染確率Check!」で確認した。
コンドームを付けていない状態で、HIV感染女性が男性のペニスを舐めた場合の感染確率は0%である。
感染女性にクンニした場合の感染確率は「0.1%以下」である。
ゼロではない。
一応覚えておこう。
マックさん、プレイ自体はずいぶんと色々やってきた。
やり尽くした感もあるが、性欲の続く限りこれからも工夫を重ねて楽しみたいと思っている。
しかし、性病のリスクに関しては、もっともっと気を引き締めてかからなければならない。
これまでもたとえば3Pの時など、違う女の子に挿入するたびにゴムを替えるので、一晩でゴムを10個20個消費してきた。
しかしこれからはフェラのときも、オーラルセックスコンドームを使うことにしよう。
また、あかりちゃんの時みたいに女の子が生を許す素振りを見せても誘惑に負けてはいけない。
今回、あかりちゃんには本当に悪いことをした。
同意だの、自己責任だの、女性も20才を過ぎた成人だからと言ったところで、こちらのほうがはるかに大人なんだから、私たち男性が導いてあげなければなあ。
お金の問題じゃないです。
人として当たり前の話。
しかし、こうしてぼやいていてもしょうがない。
明日からも頑張って、また楽しく遊ぼっと。
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別の子からのラインです。
「アジー」というのは、通販(個人輸入)で買えるクラミジアの薬です。
この子は、たぶん以前に感染したことがあるのでしょう。
マックさんからの連絡のあとすぐに手持ちの薬を服用して、数日後に陰性化確認のために婦人科受診しています。
普通は婦人科受診すると、まず検査からとなりますが、仮に陰性に出ても、偽陰性かもしれないし、手持ちの薬をまず飲んでそれから受診と言うのは、いちばん無駄のない合理的な行動かもしれません。