恋愛ワクチン 第七十話 交際タイプAとBの深淵

男性「ありがとう、楽しかったよ」
美穂「こちらこそありがとうございました。またよろしくお願いします」

男が運転する外車を見送って、視界から消えたのを確認すると、美穂は背を向けて歩き始めた。
自宅のマンションに帰るためだ。
今日の男性は定期のパパ。月極めで50万貰って2、3回デートする。
大きな病院を経営しているそうで、背は高く髪型もキメていて、絵にかいたようなイケオジ。
若い頃もさぞかしモテたことだろう。
美穂には、そういうパパが5人いる。
交際タイプはB。
SEXはするが、誰にも心を許してはいない。
もちろん演技はする。
甘えたり、パパが他の娘のことを話題にした時には少しすねてみせたり。
しかし実は、嫉妬なんかこれっぽっちもしてはいない。
パパは、美人でスタイルも良い、同世代の他の男たちからいつも口説かれていそうな美穂が、自分に対してはやきもちを焼くというシチュエーションが好きなのだ。
だから嫉妬した振りをする。
サービスでは無い。
騙すことが快感なのである。
嘘をつくと相手に対して優位に立った気持ちになる。
だから、美穂はパパたちに嘘をつくのが好きだ。

「交際しているのは貴男一人だけ」
「彼氏はいません」
「同世代の男性には魅力を感じないんです。年上の貴男のようなイケオジが好き」
全部嘘。

美穂はマンションに帰って来た。

美穂「拓海、いる?」
拓海「はーい、おかえりなさい」

色白の若い男性が、美穂を出迎える。
男性なのだが、裸に女性ものの下着を付けている。
まったく平坦な胸を、いたぶるかのように覆う、白い小さなブラジャー。
髭は脱毛済なのだろう、つるつるできれいだし、髪は長く伸ばして、茶色に染めている。
奇妙な女男だが、ゲイでは無い。
拓海の性的対象は女性だ。
しかし倒錯している。
拓海がどうしてこう仕上がってしまったかをかいつまんで記そう。
小学生の頃から、拓海の遊び相手は女の子たちだった。
当時から色白で可愛らしく、自然にそうなった。
6年生の時に、クラスのやんちゃな男子たちが、そんな拓海にちょっかいを出した。
仲良しの女の子たちの前で、拓海を全裸にして辱めたのだ。
女の子たちは助けることも無く、服を脱がされる拓海をじっと見ていた。
その経験から、拓海は性的対象が女性というノーマルな男性の心を持っているにも関わらず、女性を自分から口説くことが出来なくなってしまった。
精神的に去勢されたのだろう。
見た目が美形なこともあって、思春期には男性に口説かれたり犯されたりもした。
そして、いつのまにか「売り専」のバイトをするようなっていた。
そんなある日、知人の紹介で美穂と出会った。
美穂が美人なので、拓海はお友達になりたいと思って、愛敬を振りまいて、気に入られようとした。
そして、美穂に犯された。
拓海にとっては初めての女性経験であり、童貞を奪われたのだった。
以来、拓海は美穂の性奴隷として、美穂のマンションに飼われている。
家では、女性ものの下着以外、着ることを許されない。
貞操帯を付けられ、射精管理されたこともある。
しかし意味の無いことだ。
拓海は、美穂に犯される以外に、他の女性を口説けないのだから。
美穂は全裸の拓海を縛って、指で全身を這わせてじらすのが好きだ。
拓海は悦びに身をよじらせるのだが、その姿は男のようでもあり、そうと思うと、恥じらう少女のようでもある。
カメレオンの色が変わるように、あるいは責めている側の心を映す鏡のように、性別が変わる。
不思議な生き物だ。

美穂「今日は、加奈が来るわよ。いつものように支度してね」
拓海「はい」

加奈は美穂の二つ下のパパ活女子仲間。
ただ、交際のスタイルは美穂とは異なる。
基本的にお食事デートしかしない。
ユニバの交際タイプでいうとAである。
美穂も美人だが、加奈には敵わない。
というよりも、そもそもカテゴリーが異なる。
拓海の雰囲気に近いかもしれない。
華奢で清楚、色白で巻き毛。
ピアノを弾く姿がとても似合いそうな娘だ。
加奈の場合は、パパ活歴は、物心ついた時から、そう、幼稚園の頃から始まっていたようなものだ。
男たちは子供も大人も、皆、加奈を綺麗だと褒めた。
そして何がしか捧げものを持ってきた。
お菓子であったり、おもちゃであったり。
あだ名は「天使ちゃん」。
思春期になると男の子たち、それも学校で一二を争う、見た目も良くスポーツも勉強も出来る男子たちが、先を争って天使ちゃんに告白した。
加奈はそういった男子の一人と交際することにした。
そして初めてのセックスもした。
痛いばかりで気持ち良くない。
これは私には向かないな。
そう思って、それ以降は一切、誘いを断ることにした。
すると、男子は、前以上に熱心に加奈に尽くそうとする。
奉仕して、なんとか餌をもらおうとする犬みたいだ。
セックスよりも、こっちの方が気持ちいい。
それからは、寄ってくる男性たちを、上手に使っている。
決してセックスはさせない。
あんな痛いだけのものに付き合わなくても、むしろおあずけをさせればさせるほど、男たちは自分に貢ぐ。
お金が欲しければ、欲しいといえばいい。
たまにストーカーのようになる男がいるが、その時は、別の強そうな男性に相談する。
男たちって本当に便利だ。
加奈と美穂の出会いは、とあるパーティーだった。
美穂から話しかけた。
美穂は、高いブランドバッグも好きだし、綺麗なアクセサリーも好き。
それと同じように、加奈のような美人の女性は好き。
身の回りに置いて、豊かな気持ちになりたい。
それに加奈と二人でいると、相乗効果で目立つので、より多くの男たちが言い寄ってくる。
加奈の術中にはまってしまう男は、貢ぎ奴隷になってしまうが、その手前で引き下がった男は、美穂に色目を向ける。
それを頂いてしまうこともある。
加奈はにこにこして、興味深そうに、自分がつれなくあしらった男が美穂を口説くのを見ている。
美穂は知っている。
加奈には、実は性体験がほとんど無く、それ故にセックスへの好奇心を隠していることを。
加奈は、こんな火遊びゲームを繰り返していては、自分はこの先もずっと、本当の恋愛なんて出来ないんじゃないかという不安をも抱いていた。
男を手のひらで転がす術には長けているが、性的な精神年齢はとても幼いのだ。
そこを見抜いた美穂は、加奈をベッドに誘った。
ペニスなら、拓海のものがある。
私の性奴隷なのだから、拓海のペニスは私のものだ。
自由に使っていい。
これで加奈を犯そう。
そして加奈は、美穂によってゆっくりと開発されていく。
加奈は、美穂にセックスの悦びを教えてもらうことで、男性との普通の恋愛に戻れるかもしれないと思って応じた。
しかし、逆に遠ざかってしまったのかもしれない。
きっとこんな快感は、普通の男性とのセックスでは得られないからだ。
しかし加奈にはどうすることも出来ない。
加奈は男性からの好意を感じると、条件反射的に相手を操るゲームを始めてしまう。
美穂のように、無慈悲に自分の体を開発しようと責めてくる男はいない
そんなことをぼんやりと考えながらも、美穂のやさしいキスとを全身に感じながら、拓海の華奢な体付きには不似合いに大きなペニスを、今夜も加奈は受け入れることだろう。
拓海のペニスだが、犯しているのは美穂だ。
以上、多少の脚色は入っていますが、とある交際タイプBとAの女性と、一人の若い男性との、不思議な関係でした。
交際タイプAやBの深淵には、美穂や加奈のような女性たちもいるみたいですよ。
ひょっとしたら、CやDより奥が深いのかもしれません。

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