【実録】「パパ活」デビュー戦③(最終話)──僕のパパ活師匠


▼下記の記事の続きです。
【実録】「パパ活」デビュー戦①──清楚な銀行員、杏奈さん
【実録】「パパ活」デビュー戦②──闇属性の杏奈さん

 

<前回までのあらすじ>
初めてのパパ活で最初にマッチングしたのは、24歳の銀行員、杏奈さん。彼女は、お笑いコンビ「パーパー」のあいなぷぅさんに似た女性だった。しかも全身から負のオーラを漂わせ、目が死んでいる……。話を聞くと、2年間で300人の男性と会い、大半と「大人」をしたというパパ活マスターだった。暗く、どこか投げやりで、口の重い彼女だったが、仕事とパパ活の愚痴には冗舌だった。2杯目を飲んだあたりから、しだいに愚痴がスパークし、彼女は闇属性を解放しだす。僕は、彼女の話からパパ活の本質を学ぶのだった。

 

彼女からの最初のアドバイス


最初に気を取り直したときは、「いけるかな」などと思っていた僕でしたが、彼女のすさまじい話を聞いて、そんな気はもうとっくに失せていました。あまりの闇の放出に、彼女のメンタリティが全く分からず、少し疲れてしまっていました。しかし、まだ店に来て30分しか経っていません。あとの時間をどう使おうか、悩みました。

 

そうだ、彼女はこれだけたくさんの「パパ活」をしているんだから、初心者としていろいろ教えてもらおう。そう思いました。彼女も全然、隠す気はなさそうで、何でも教えてくれそうな気がしました。僕は、今度は違った方向に気を取り直しました。

 

一番気をつけるべきは性病!

「すごい世界だなー。いろんなことがあるんですね。僕はこれからその世界に足を踏み入れるんですけど、これは気をつけておけっていうの、ありません?」

「うーん……、なんだろう……。あ! 病気!

「せ、性病……?」

「そうです。私、この前、『この人、清潔そうだからいいか』と思って、つけないでしちゃたんですよ。そしたら、クラミジアになっちゃって大変でした。絶対、気を付けたほうがいいですよ」

(当たり前だよ……)

何度も言いますが、彼女はギャルなどではありません。地銀の支店の窓口に座っていそうな、地味めで清楚な印象の女性です。

 

大体、パパ活のような関係で「生でする」なんて、絶対に考えられません。相手もそうだが、この子の頭のネジはどうなっているのか、と思いました。荒れた援助交際で目にする「NS」「NN」などの文字が、頭をよぎりました。NSとは、ノースキン、つまり避妊具なしのセックス、NNとは生中出しの略です。最近は、そんな恐ろしいことが横行していますが、これじゃあパパ活も一緒じゃないか……。

 

国立感染症研究所「クラミジア・トラコマチスの電子顕微鏡像」より)


 

師匠の話すパパ活の世界とディストピア


いきなり、こんなアドバイスが来たので、パパ活における「大人」事情も聞いてみました。なんせ2年で大人300人です。今日が最初の僕からすれば、「パパ活師匠」と呼べる存在です。

 

パパ活の大人事情

「大人希望って、多いんですか? 男側はほとんどそう? 女性はどうなんだろう?」

男性は、ほとんど大人希望ですね。最初はなくてもいいなんて言いますけど、結局大人です。9割以上がそうですね。女性は、半々くらいじゃないでしょうか」

「多くの女性はその辺も十分に分かっていて、大人する気もないのに、大人をエサに引っ張ろうとするから、気を付けた方がいいですよ。『最初から大人は考えていません』『信頼関係ができたら大人も考えています』なんかは、エサの常套句ですよ」

 

なぜ、彼女はこんなに詳しいのでしょうか。自分がやっているだけだったら、他の女性がどうかなんて分からないのにと思いましたが、次の彼女の話で腑に落ちました。

 

パパ活女性専用の5ちゃんねる

「あ、そうそう、パパ活女子、PJって言うんですけど、PJが情報交換する5ちゃんねるみたいなサイトがあるんです。変なパパはそこでいろいろ書かれたりするんですよ。情報交換も盛んですし、何人か友達にもなりました。女性版だけじゃなく、男性がPJについて情報交換する男性版のサイトもありますよ」

「私、ほかに婚活もしていて、婚活アプリもやってるんですけど、そこで知り合った人と友達になったんです。その彼も『パパ活』していて、彼からそのサイトを教えてもらいました。彼とは、『パパ活』の愚痴を言い合ったりしてます」

「その彼は、彼氏とかじゃないの?」

「全然。彼、面食いなんで。『パパ活』やりながら、婚活アプリで美人の彼女探してます。やりちんなんですよ。私と彼は、男女の関係とかじゃなくて、この東京で一緒に生きる同志みたいなもんですね」

 

もう、訳が分からん。僕は20年近く東京に住んでいて、アングラな世界をたくさん見てきたつもりだが、最近の若い子の間には、こんなカオスが広がっていたのかと驚きました。まるで、ディストピア──。

 

その他にも、彼女にはパパ活について、たっぷり教えてもらい、約束の時間を超えて、1時間後に、別れました。僕が、パパ活の全体像についてある程度、最初にある程度、把握したのは、彼女のお陰です。まさに、パパ活師匠
 

 

しかし僕は、彼女と別れた後、ぐったりと疲れ果ててしまいました。

恐ろしい世界に足を踏み入れてしまったかもしれない」、そんな思いが去来しました。また、彼女に会う前に期待に胸を膨らませていたことを思い出し、「ここにもやはり、普段会えないような驚くほどの美人や清楚で上質な若い子などはいないのかもしれない……」とも思って、暗い気持ちになりました。

 

僕は、暗澹とした気持ちで、楽しそうな若い男女が行きかう、夜の新宿の街路を眺めました。初体験の「パパ活」で僕が見たのは、東京と現代日本の闇だったのです。
 

 

が、しかし、次の出会いが、そんな気持ちを吹き飛ばしました。

その彼女についても、いずれ書きたいと思います。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

※写真はイラストACの無料素材。

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