パパ活とバレンタイン 後編

【前回の話】
パパ活のような関係(本質的には取引)において送るバレンタインには、それなりにルールがある。ライトが基本。おもしろかったり、かわいかったりすれば、なおよい。少しでも愛情があるなら別だが、そうでなければ本気のチョコは少しゾワゾワする。そんな話を前回(「パパ活とバレンタイン 前編」)、書きました。実際に、そんなケースがあったんです。すごく優秀で、すべての全力な女性でしたが、ちょっと違う……。

 

 

就活か!苦笑


彼女は、名門大学の女子大生でした。育ちの良さがにじみ出ていて、勉強もかなりできたのでしょう。しかも美人で、NHKのアナウンサータイプでした。

 

彼女は、最初からおかしかったです。

まず、彼女のパパ活用のプロフィール

 

「瑞希と申します。大学3年生です。就職活動が本格的に始まる前に、人生経験の豊富な方に出会って、いろいろな話をうかがい、社会経験を積みたいと考え、パパ活を始めさせていただきました。

 大学は法学部で、民事訴訟法を専攻しております。関心分野は米国の民事訴訟システムです。日本はまだ民事訴訟が盛んではなく、弁護士も市民から遠い存在で、我々一般市民が何らかのトラブルに巻き込まれたときに……(中略)。

 関係を持たせていただくのは、お1人に限定させていただきたいと考えております。時間を共有させていただくからには、日頃の疲れを癒していただけるよう、精一杯努力したいと考えております。お食事などをご一緒させていただく際は……(中略)」

 

エントリーシートか!!!!!笑笑笑笑

 

と、最初に見た時に笑ってしまいました。

若い頃の桑子真帆さんにすごく似ているんですよね。

だから、普通だったらすごく人気になると思うのですが、それほどでもない様子。多分、みんなあまりの硬さと熱量に引いているのでしょう。

 

僕は、「おもしろい人」が好きなので、オファーをしてみました。

すると、すぐにマッチングすることができ、2か月くらい付き合ってみたのです。

 

会ってみると、多分、大学でのあだ名は「お嬢」だろうな、という感じでした。

社会経験が乏しい訳じゃなくて、何でも精一杯やりすぎる女性でした。
 

桑子真帆アナの若い頃が可愛い!学生時代や入社当時の画像まとめ!|RTrend365

(RTrend365「桑子真帆アナの若い頃が可愛い!学生時代や入社当時の画像まとめ!」〔https://rtrend365.com/kuwako-maho-young-photo/〕)より

 

 

かみ合わない彼女


大学では社会活動系のサークルに所属していて、高齢者向けに気軽に法律相談ができるアプリを仲間と開発したり、また個人でも環境ボランティアの活動をしたりしています。それと同じ熱心さをパパ活にも向けてくるのです。

 

彼女といるときは、ずっとゾワゾワしっぱなしでした。なぜか「会っている間は恋人のように接しなければならない」と思い込んでいて、「そういうのはいい」と何度言ってもやめませんでした。恥ずかしいので、個室のある店しか行きませんでした。

 

僕は20代の女性と有料の「恋愛ごっこ」なんて絶対無理で、本気で嫌がっていたのですが、彼女はずっと「照れている」と思っているようでした。もっとちゃんと言えばよかったですが、それも面倒くさい。美人ですごくいい子ではあるのです。

 

ちょうど、彼女と付き合った2か月の間にバレンタインデーがありました。

少し前から「甘めが好きですか? それともビターですか?」「手作りしますからね」「できれば当日に渡したいです」などなど、アピールがすごかったです。

「本当に友達に配るような軽めのやつにして」と何度も言ったのですが、何においてもひたむきで、「報われない努力はない」という言葉を信奉していそうな彼女には通じません。何のために、その努力をしているのかと彼女に聞いても、きっと答えはないでしょう。そういう人でした。
 

(はむねずこさん〔https://www.pixiv.net/users/6544352〕の作品)

 

 

彼女がくれたバレンタインチョコ


バレンタインデー当日。彼女が持ってきたのは、金太郎飴のように、切っても切ってもハートが出てくる、細長いチョコのパウンドケーキでした。手作りです。少しラムの味がして、甘さ控えめでビターです。そして、ケーキのうえにはチョコで書いたLOVEの文字が……。これ、本命の彼氏にあげるやつです。いや、本命の彼氏も引くのではないでしょうか。彼女、日本向かないかも。
 


ものすごくゾワゾワしましたが、喜ばない訳にはいきません。笑顔を作り、「わー、こんなの焼けるなんてすごい。ありがとう!」と言いました。しかし、心の中で「頼むからもっとカメラを引いて客観的にこの場面をとらえてくれ! ものすごくシュール!!!」と思いました。

 

彼女とは、その1か月後くらいに「妻にバレた」と嘘をついて関係を終えたのですが、今、どうしているでしょうか。外資系の大手の法律事務所などにいそうです。

 

これは極端な例でしたが、たまにお手当をもらっているのだから気持ちを込めなければと、まじめに考えるパパ活女子がいます。有料の「気持ち」はシュールです、苦笑。ビジネスな感じは嫌ですが、普通にしてほしいと思います。大抵の女性はそうですが、たまに頑張りすぎる子がいます。


 

バレンタインデーとはどんな日?


バレンタインデーは、聖ヴァレンティヌス(?~269年)殉教の日です。

様々な説がありますが、ローマ帝国の軍人皇帝クラウディウス2世が、北方の異民族との戦いのために軍人の結婚を禁じる法令を出し、聖ヴァレンティヌスはそれに反対して軍人と女性の結婚式を執り行ったために処刑されたというエピソードが残ります。
 


その後、聖ヴァレンティヌスはひそかに恋人たちの守護聖人として語り継がれ、崇められていくのです。

 

チョコレートを配る風習があるのは日本だけ。日本でこの風習が始まった起源は、わかっていません。

1936年に現在のモロゾフの源流になる製菓会社が自社のチョコレートをこの日に恋人に送りましょうと広告を打ったのがきっかけ、あるいは森永製菓と伊勢丹が高度経済成長期にチョコレートを一般家庭に広めるために仕掛けたなどの説があります。でもそれ以来、60年以上の長きにわたり、大切な人にチョコを送るという習慣は続いてきました。
 

(jouer「モロゾフの「ジュエルシリーズ」はバレンタイン限定の人気チョコ♡おすすめは?」〔https://jouer-style.jp/15553〕)

 

最近、義理チョコ文化はようやくなくなってきましたが、本命チョコはまだまだ盛んに渡されているでしょう。

そんな歴史と背景をもつバレンタインチョコですから、シュールなものにならないようにお願いしたいと思います。

 

※パウンドケーキの写真はイラストACの無料素材、聖ヴァレンティウヌはピーピーエス通信社の有料画像です。

 

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