ボケまくる女

あまりユニバース倶楽部での出会いについてはコラムで書いていませんでしたが、今回は本人バレに繋がる情報は伏せ、重要で無い部分は一部誤魔化しつつ、コラムにしていきたいと思います。

「高身長でスタイルが良く、容姿も好み。動画も感じの良さそうな女性。」

オファー理由はそんなありきたりの理由です。

それがまさかデート終了後、帰宅途中の電車で膝が抜けるほどの疲労感に襲われるとは思いませんでした。
 

初回セッティング

私は初デートは無理せず「悪く無かったデート」が目標です。

特に気張って盛り上げる事もせず、突っ込んだ質問もしない。

ただただ無難な会話のみで程よく楽しい感じになればそれで成功だと思うようにしてます。

なので極めてニュートラルなテンションで初回デートに臨みます。

笑いのスイッチは基本オフ。いい球があれば拾えばいいかな。こんな感じです。

別に盛り上がらなくても、私が変な人間で無い事をアピール出来ればそれでオーケーです。

彼女のプロフィールに「肉が好き」とあったので、個室の焼き肉店を手配しました。

初回から個室で焼き肉!?と思われる方もいらっしゃると思いますが、喜ばれるケースも多いというのが実感です。

・正直コース料理は重い。焼き肉だと食べる内容と量が調整できる
・炭水化物をそんなに食べたくない
・食べる時間が短くて済む
・個室で安心。交通費の受け渡しやお手当交渉の会話も気を使わなくて済む

まあ、コース料理が苦手な女性に好まれるだけという側面もありますが^^;

先に店に到着して彼女を待ちます。

この待ち時間が一番ソワソワしてまだ慣れませんが、携帯を見て時間を潰しているところを見られても感じが悪いかなと思うので、何度も見尽くしたメニューを見ながら過ごします。

そうのうちに彼女から電話が入ります。
 

デート開始

彼女が個室に入ってきます。

彼女「はじめまして〜♡」

私「はじめまして。よろしくお願いします。」

彼女「初めてはなんか緊張しちゃいますね!エヘッ♡」

(エヘッ?)

私「そうですね。最初は緊張しますね。」



今思い返せばこの「エヘッ」あたりから嫌な予感というか何となくの不安感はありました。

まずはサッと交通費を渡してデートスタートです。


彼女「私、焼き肉好きなんです〜♡なんで知ってるんですか?」

私「プロフィールに書いてたよ(笑)」

彼女「いや〜ん!恥ずかしい〜!」

(いや〜ん?)

私「ハハハ。でも本当に好きなんだったら今日焼き肉選んで正解だったね。」


早速飲み物を注文。


私「何食べる?苦手なものある?」

彼女「大丈夫です。おまかせします♡」


私はいくつか単品と、豪華なお肉の盛り合わせを注文しました。

彼女「やった〜♡豪華〜!美味しそ〜!うふふ♡」

(うふふ?)

私「なら良かった(笑)」


(なんかテンション高めだな。)

飲み物が運ばれてきます。

彼女「かんぱ〜い!お疲れさまで〜す!」


私「かんぱい!」


サラダや単品を食べながらいつもの無難な世間話。これが一番気を使います。

基本的に相手の話を拡げるのですが、深く掘り下げても嫌がられるかもしれません。

なので会話を縦に深堀りするのではなく、最初は基本的に横に拡げます。

例えば、「今日はお仕事終わり?」→「そうです。」

【縦の質問】
「そうなんだ。何のお仕事してるの?」

【横の質問】
「そうなんだ。お仕事って週末がお休みなの?」→「そうです」→「じゃああとちょっとでお休みだね。」

なんとなくこういう具合です。

最初はひたすら浅く、横に拡げる事を意識しています。

そのうち、お肉の盛り合わせが運ばれてきます。


彼女「わ〜。すご〜い♡」

それを彼女はスマホでパシャパシャ。

彼女「私、こういうの上手く撮れないんです〜。。」

私「斜め構図とか真上から撮るのはどう?」

彼女「やってみます!」

彼女「ハッ!!いい感じです〜!物知りさんですね♡」

(ハッ?物知りさん?)

さっきからいくつかのワードチョイスに違和感を感じます。

これってツッコんだ方がいいやつなのかどうなのか?

ただ、「最初は無難に」がモットーの私は、とりあえず様子を見る事にしました。


私「そんなたいした事じゃないよ。」

私「それよりそろそろ。焼いていいですか?(笑)」


彼女「ハッ!!私とした事が失礼しました!」

私「じゃあ最初に君が好きなお肉を選んでいいよ。どれを焼く?」

彼女「えっ、そう言われると悩みますね。。」

彼女「何にしようかな。。迷う。。」


私「ゆっくり考えていいよ(笑)」

彼女「う〜ん。。」

(めっちゃ考えてるな。。)

彼女「クイズです!・・と思いますか!?」


(ん?なになに?どした?)

突然過ぎて不意を突かれ、よく聞き取れませんでした。

私「えっ、何て言ったの?」

彼女「クイズです!私はどのお肉を選ぶと思いますか?」

突然のクイズ!?

突然のクイズに動揺が抑えられません。

私「え〜っと、あっクイズね!」

私は咄嗟に、盛られたお肉を指差しながら、

私「う〜ん。。ウデ・・と見せかけてランプ!どう?正解!?」

彼女はひと呼吸ためてから、両腕を目の前で交差して、

彼女「ブブ〜!!正解は・・ウデでした♡」

俺「うわ〜!外した〜!くっそ〜!(笑)」

私は動揺しながらも咄嗟にオーバーリアクションを取りました。

ただ、一旦彼女から視線を外して冷静になりたかったので、笑いながら顔を下にうつむけ、自分の表情が彼女に見えないようテーブルギリギリまで近づけました。

(いきなり何が起きた!?これからどうしようか。まずは一旦落ち着こう。)


気を取り直して顔を上げた私は、

私「では負けた私がお肉、焼かせて頂きますね。」

私「では、大きい方のお肉、差し上げますね。」


と冷静に対応。

「やった〜♡」

ウデを食べた私は、次は自分の好きなお肉であるランプを焼こうとお肉に箸を伸ばしました。

すると、

彼女「次は私が当てますね♡」

(この展開続くの!?)

仕方なく、ランプに伸ばした箸を引っ込めます。

彼女「う〜ん。モモでしょ!?」

(正直どれでもいいだんけど、正解にしとくか。。)

これが相手に伝わってるのかどうか分かりませんが、私はクイズミリオネアでの”みのもんた”のモノマネで、顔の表情を笑顔にしたり渋い表情に変えたり変顔を入れたりしながらじっくり間を空けて、

私「・・正解ッ!」

彼女「やった〜♡」

(これ毎回続くのかな。。)


・・・


結局、しばらくこれを繰り返します。

それに疲れて来た私は、

私「ちょっとごめん。一回サラダ休憩取ってもいい?(笑)」

と逃げようとしたのですが、彼女は休ませてくれません。

彼女「この野菜にかかってる緑のドレッシングって何の緑ですかね?メロンかなぁ?」

いや、あきらかにアボカドである。

アボカドの味がするのでアボカドである。

何か緑の葉っぱも入っての緑だとは思うが、主はアボカド。

誰でも分かるアボカドの味である。

「アボカドでしょ?」って答えるのは簡単だが、彼女はそれを求めてるのか?

”アレ”を求めてるんじゃないか?

おそらく”アレ”だろう。

何で初回のデートで”アレ”しなきゃいけないんだろう。。正直テンションがついて行かない。。

力を振り絞って”アレ”投げ返してみるか。。

オシッ!

私「だね。緑のドレッシングって言ったら、それはもう”メロン”だよね!」

私「念の為、念の為ね!改めてじっくり味確かめてみるね!」


むしゃ、むしゃ、

私「そうそうこれこれ!緑のドレッシングって言ったらメロン!・・メロン?ってこれ全然甘くない・・・って」

※結構声張っての全力で

私「これ完全にアボカドやないかい!!」


・・・

・・・

彼女「・・・ふふ♡」

(違うんかいッ!!)

(ノリツッコミじゃ無いんかい!!)

(微妙な「ふふ」って、このボールじゃ無いんかい!何を求めてたんや君は笑)


彼女「今の・・ノリツッコミというやつですか?」

(傷口グリグリするのヤメテ)

私「まあ。そうだけど。」


彼女「わ〜すご〜い!ちゃんとしたやつ生で初めて聞きました!♡

(グリグリするのヤメテ)

彼女「もう一度それやって貰ってもいいですか?」


(はあ。。一応次に繋げるために前フリしとくか。。)

私「アホか!絶対にしない!たった今ダダスベリしたやん!!絶対にしない!」

私「もう!二度と!ノリツッコミは!しない!」


彼女「え〜なんで〜!残念〜!む〜!」

(む〜?)

彼女「じゃあ次に私が食べたいお肉は何でしょうか♡」

(休むヒマをちょうだい笑)

私「そうだな。さっきはサシが多い肉だったからアッサリ赤身。とみせかけて、赤身はラストにおいておきたいとみて・・リブシン!」

彼女「・・・正解ッ!」

彼女「何で分かったんですかぁ〜?」


(これどう答えたらいいんだろう?)

私「え〜っとね。。その。。あれ」


彼女「では次、私が当てますね!」


(ボールを投げ返す時間をちょうだい笑)



・・・


途中でバテてトイレ休憩で離席。

顔を洗って気を取り直します。

ボケもこれだけ一方的に投げ込まれると、もうそれは暴力と同じだな。。

ボケの暴力だな。。

そもそも笑いスイッチオフで来たから、彼女の投げ込むスピードについていけない。。

これはもうデートじゃねえな。



勝負だな。



気を取り直して個室に戻ります。


・・・


まだまだ戦いは続きます。

彼女が投げ込むボールをひたすら拾って投げ返す。

投げ返そうとしてる間に次のボールが飛んでくる。

こんなイメージです。

どんなボールが来るか予測がつきません。

すでに私はボロボロです(笑)

・・・

彼女「これってあれですかね。今は秋だから松茸ですかね?」

お肉の盛り合わせの大皿に、申し訳程度の野菜が盛ってあり、その中にエリンギがあります。

エリンギです。どう見ても。

(来たッ!!!!)

ようやく狙ったボールが飛んで来ました。

先ほど「もう二度とノリツッコミはしない」と前フリもしてます。

私は最後の力を振り絞って、

私「そうだね。まあここ、いい焼き肉店だから当然松茸だろうね。

私「匂いも嗅いでみるね。」


クンクン

私「いい香り。これは完全に松茸だわ。早速焼いてみよう。」

ジュージュー

私「おし、そろそろ焼けたかな?ではいただくね。」

パクッ

私「そうそうこれ。噛むごとに口の中に広がる秋の味覚!・・が広がらない??あれ、おかしいな!?・・・って」

私「これエリンギやないかいッ!!」


※最後の力を振り絞って全力で声張って

私「味!見た目!全部!完全なエリンギやないかいッ!!」


彼女「きゃ〜〜♡2回目キタ〜〜♡」


・・・


こんなやり取りが延々と続き、私の精神と体力はバテバテのボロボロ(笑)

その後、お手当を渡してすることはしたのですが

彼女「お風呂一緒に入ろ〜♡」


という誘いに、

私「ごめん。ちょっとだけ一人で休憩させて(笑)」

と断り休憩を取らせて貰いました。

帰りの電車では膝が抜けるほどの疲労感と、ボケを拾いきれなかった挫折感が押し寄せて来ます。

頭の中では先程までの彼女とのやり取りを振り返り「こう返した方が良かったんじゃないか?」と脳内で反省会。

というか、そもそもお手当払って俺何してんだろ。。という思いが頭をよぎります。

・・・いや、違うな。

ボケを拾いきれなかった俺が悪い。

次こそは最初から笑いのスイッチオンで、どんな球でも投げ返してみせよう。
 

その後

彼女とのデートは最初から笑いのスイッチオンの完全な戦闘モードで臨みます。

彼女「何食べますか?」

私「何食べようか。あれ?何書いてんのか全然読めない。」

彼女「メニュー表、逆さです。」

私「ああ逆ね。ごめんごめんこうね。あれ?まだ読めないけど。。

彼女「まだメニュー表、横向きです。」


・・・

彼女「お手洗いどこでした?」

私「お手洗い?え〜っとね。あそこのドアを出た向こうだよ。」


彼女「それ出口です。」

攻撃は最大の防御。

先手先手でこちらのペースに持って行くことで、なんとか彼女の攻撃を序盤は凌げるようにはなったものの、彼女の攻撃力は凄まじく後半になるにつれていつも防戦一方に追い込まれます(笑)

以上、ユニバース倶楽部からの出会いで実際にあった「ボケまくる女」とのエピソードです。
 

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