マッチングアプリを試すA氏

1.マッチングアプリをインストールするが色々と面倒

家庭外での恋愛を通して、モヤモヤを解消しようとするA氏。

職場や知り合いを通じて出会いを探すつもりは無い。ので、「出会い系」「マッチング」アプリのインストールを行った。

共通して言えるのは、プロフィールの入力が色々と面倒。しかし、プロフィールを入れないと出会いは成立しにくくなる。

誰かに丸投げしたいが、職場の秘書に任せるわけにはいかない。公私混同だからである。

あまりに面倒で、プロフィール入力代行業者とか、プロフィール入力代行AIアプリでも作ったら儲かるのではないかななどと思う。

次に、気になる相手を見つけ、メッセージのやりとりをするには、身分証明証等を運営に送信し、数千円から一万円程度の課金を行う必要がある。

A氏は根が小心者なので、運営が反社だったりしたらリストを売られてしまうかも・・等という妄想を抱き、びびる。

課金したからといって、出会える保証は無い。まったく出会えないシステムなら、ヤラセということになる。

驚くことに、約款のなかにヤラセの存在が謳われているものもある(実在する相手とやりとりしているかの保証はありません、と書いてある)。


なんか面倒だなぁ・・。

 

2.婚活系・不真面目系マッチングアプリはA氏ののニーズに合わない

まず、「婚活系」は、独身同士を対象としていることから、当方が既婚である事を隠さねばならず、相手に対し嘘を付くことになるので、使いにくい。

次に、ワンナイトラブをほぼ即時に求める「不真面目系」は、課金を目的としたサクラやヤラセが横行している。

画一的なメッセージやニュアンスで、すぐにそれとわかる。

無論、中には実在女性もあるが、少数の実在女性に対し、圧倒的多数の男性が群がる構図であり、良い物件とマッチングするには、高度なメッセージスキルと、プロフィールの作り込みが必要となる。

そのためには、男性のほうは、写真等を公開ないし送付を行わないと女性から選ばれない。しかし、公のネット空間や、どこの馬の骨とも知らぬ相手に写真を送るのは危険そのものである。

鼻の下を伸ばしたドヤ顔の写真がSNSにでも晒されたら、漆黒のネット空間を永遠に漂うことになる。

実際に約束を取り付けたとしても、女性はぼんやりとした写真や、加工した写真が多そうであり、女性の容姿に関してはギャンブル的要素が強い。

性格などは、メッセージのやりとりなんかでわかるわけがない。更にギャンブル的要素満載である。

だいいち、即時的な性交渉だけを求めるのならば、何もこのような膨大な手間をかけ、わけのわからない女性と会うような必要性に乏しく、然るべき店に行けば良いのである。

容姿は写真で、性格(フィーリング)は店員の情報を元にして相手を選べるし、自分の都合の良い時間や場所で、都合の良い内容のサービスを受けられる。

とてもコンビニエンスである。

自分にとって不真面目系マッチングアプリは使う意味が無いものであることがわかった。

逆説的ではあるが、A氏自身が求めているものは、どちらかというと「恋愛そのもの」「デートそのもの」から得られる「体験」であることが、不真面目系アプリの試用を通じて明らかになってきたのである。
 

3.恋愛系マッチングアプリで失恋する

そこでA氏は次に某「恋愛系」アプリに課金を行った。

デートの場となるレストラン等の候補が、アプリ側から表示され、希望する店と、お互いのプロフィールを元に、男女お互いがマッチングを行うというものである。

このアプリ上においては、相手に対して通名(偽名)を使用することが認められている。

デート代(飲食費)はほぼ男性が出す形になっており、候補の店の中には「へぇ、あそこが」と言いたくなるような一流ホテルのレストランなども含まれていて、運営側が予約まで行ってくれる。

店がアプリ運営側に候補としての使用許可を出しているものと解されるが、一流ホテルの上得意客などからすると、あまり面白くない話ではないかと思った。

このアプリにおいては、性交渉はエンドポイントになっておらず、あくまでまず健全に飲食デートをする事が目的であるという立て付けになっていることから、比較的ハイスペックな女性が登録しているし、かつクリアな写真を掲載している。
アプリの使用に後ろめたさが無く、言い訳が立ちやすいからであろう。

恋愛関係への入り口にとどまらず、単なる友達といった出会いを求める女性も登録しているし、ただ酒ただ飯目的の女性も登録していると推察された。

A氏は、ネットから拾った、ちょっと自分に似てる(羽生選手の)写真を加工して載せた。相手を充分に吟味したのちに元モデルで好みのルックス、帰国子女で多趣味である何だか素敵そうな女性一人とデート寸前までこぎ着けることができた。

年齢は一回り違うが、それは相手も承知の上である。デートは数週先になったが、率直に言って、A氏はここ数年で一番ウキウキ気分でその日を待った。

ところが、A氏の事前の期待が大きすぎたためか、会う前のやりとりにおいて多くを語りすぎたようだ。

これが相手の不安を誘発したのか

「第一印象と違いました。趣味も合いそうかなと思いましたが、もっとノリの良い人かと思っていました。一体A氏さんって何者なんでしょうね? デートの約束は申し訳ないのですが無しにして下さい。」

と、極めて事務的な口調で、直前で振られてしまったのである。

考えてみれば、当然である。A氏は既婚者であり、若い女性と、とりあえず食事代だけで、請うよりも請われるような恋愛を期待している。

そのような都合の良い状況を、嘘無しで作り出すのは難しい。言葉の端々に綻びが生じ、先方は直感的にそれを察知したのである。

A氏はとてもアホらしくなり、3ヵ月分課金していたが、使用開始後1週間足らずでアプリごと消してしまった。
 

4.マッチングアプリは女性優位な構造で、かつリスクがある

これらの経験を通し、いずれの出会い系アプリも、もっぱら男性が金銭を拠出する前提ではあるが、強弱はあれど総じて女性優位な構造となっており、この構造そのものがA氏の自尊心を満たせないものであると結論した。

即ち「男として敬われたい」のが、A氏の出会いを求める動機であるのに、チヤホヤされ慣れている高慢な女性との出会いが生じ易い場なのである。

A氏は臆病者なので、リスク管理に敏感である(この事は別項でまとめて書く)。

どのアプリであっても、やってくる女性が18才未満かもしれないという,社会的地位あるいは家庭を一瞬で失いかねない重大なリスクを内包していることに気づいた。

なぜならば、女性側も運営に年齢確認のための身分証明書をアプリを使って送信する決まりだが、業者と女性が直接会っていない以上、送られた身分証明書が本人のものだという保証はどこにもない。
(免許証等の公的書類の偽造は重大な刑事犯罪だが)画像加工されたものかもしれないし、知人のものかもしれない。

仮にそうであっても、男性側が事に及んだとき、恐らく各種条例違反について、免責されないだろう。要するに、逮捕される。

出会い系を利用していた児童が、何かのきっかけで補導され、ラインの内容などから男性がとばっちり逮捕なんていう話は、もはや日常でありニュースにもならない。

アプリを使って出会いを求める以上、このリスクからは逃れられない。

こうしてA氏は、一人の女性とも会うことなく、出会い系アプリからの卒業を遂げたのであった。

そして次の週、A氏はユニバース倶楽部の扉を叩くことになる。
 

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