シュガーダディー女子と合コンの巻 IN 沖縄 前編
みんなで沖縄に行こう
問題は沖縄だ。今まで酒席で記憶が飛ぶことは何回もあるが、
例えば「みんなで沖縄に行こう」などという酒の力を借りての?計画(ほぼ実現されないにしても)を1ミリもイヤ1ミクロンも覚えていないということはなかったかもしれない。
しかもオサム君のラインメッセージには具体的な日にちだけでなく、フライトの指定まである。
おいおい、これって決定じゃん。早速オサム君の携帯を鳴らす。
「あっ、ジョーさん?かけようと思ってたところだったんですよ。昨日大変だったんですよ!」
「それが途中から全く記憶にないんだよ」
「えっ?タクシーに乗ったのも?ホテルまで僕が送って行ったんですよ!どこまで記憶にあります?」
「ナナ姫と『夜霧よ今夜もありがとう』をデュエットしたのは記憶にあるけど」
「ということはそれ以降覚えてないってことですか?まさか沖縄行きは覚えていますよね?」
「それだよ。どうやら沖縄行きを約束したらしいね」
「勘弁してくださいよ。ジョーさんが言い出したんですよ!」
どうやらジョーの提案で沖縄行きが決まったらしいです。
沖縄は完全にバブル状態
3年前新事業立ち上げのため、ジョーの会社は沖縄に拠点を作った。
利益が出るまでにはまだかなりかかりそうだ(ユニバースの沖縄支店も?)。
これはよく出される数字だが日本の米軍施設の70%が沖縄に集中し、沖縄本島の15%を米軍関連施設が占める。
そのためか沖縄は県民所得に鑑みても土地の値段が高い。
観光業が絶好調で既にハワイを抜いたそうだ。
距離の近さもあって台湾や中国からの旅行者が多いけれど(台湾からは毎週2便船がやってくる)、今後はヨーロッパ人を誘致するのが課題だという。
そのこともあって主に外資系ホテルの建設ラッシュだ。
それがまた地価の上昇に拍車をかけている。
今年の県内地価の上昇率は5%で全国1位だ。
特にジョーの事務所がある町は 11%弱の上昇率で 3つの大型ホテルが建設中だ。
先般那覇のメインストリートである国際通りの土地が坪1000万円で取引された。
確かに認知度が高い場所だが、地元の不動産屋によれば「ほんの数年前の倍」の価格だという。
完全にバブル状態だ。
土地の値段が上がれば当然他の値段も上がる。固定費はやや大げさに言えば毎月上がっている感覚である。そもそも沖縄は物価が高い。
生活品も県内での生産拠点が限られるため、輸送費が上乗せされている。
建設業者に話を聞くと、沖縄は古い建物が少なくないので、解体し建て直すことになるが、アスベストが使われている場合には県内に処理場がなく、福岡まで船で運ばなければならないという。
そのため解体のコストは本土の3割り増しになるそうだ。
そういう沖縄事情が徐々に分かってきたこともあって今後の事業性を見極めるため、しばらく沖縄に滞在する予定があった。
それをどう間違えたか「じゃあ、次回は沖縄に集合だ!」とジョーが叫んだらしい。
そしてミカちゃんもナナ姫も沖縄で撮影の仕事があり、その終わりで合流しようということになった(らしい)。
という事情で沖縄でございます、ハイ。
沖縄の魅力は何と言っても海
今年の夏は日本全国どこも暑かった。ただし今年の沖縄は例外だった。
日本各地で最高気温を更新する中、沖縄は最高気温でも 30度前後の日が続く。
ジョー達の沖縄滞在中もとっても過ごしやすかった。「これからは沖縄が避暑地さぁ?」とうちなんちゅうは笑いながら口にする。
今年に限って言えばまんざら冗談でもない気がする。
さてジョーにとっての沖縄の魅力は何と言っても海。
その青さや透明度は離島には負けるけれど、ジョーは本島北部の海が好きだ(何より人が少ない)。
そしてオサム君がコネを使って借りてくれたコテージは北部にあり、海が見渡せてプライベートビーチ付きである(支払いはジョーね)。
中部で待ち合わせをし、レンタカーで北部を目指す。
沖縄本島は縦に長いので、中部からでも北部へは 2 時間近くかかる。
でもこの日は天気も良くて海を見ながらのドライブはとっても快適だった。
途中オリオンビールの工場見学をしたり、ソーキそばを食べたり(行列ができていた。うちなんちゅうは行列のできるソーキそば屋には行きません)
車も停めて海岸に降りたりしてテンションはアゲアゲだ。
大人になってからの合コン?旅行?は楽しいね。あれこれ寄り道したので、コテージに着いたのは夕方近く。
無間地獄の刑確定です
肝心のコテージは予想以上に広くて少し古いけれど、よく手入れされている。
リビングからの眺めが最高で美しい海が目の前に広がる。
我慢できなくて水着に着替えてとりあえず海へということになった。
オサム君とミカちゃんは持参した「マイサップ」を準備している。
そこへナナ姫が水着姿で登場!PALM TREE(?)カラーの外国製ビキニで、リビングをモデル歩きで闊歩する。プロだから当たり前だけれど、堂々とした立ち姿だ。
「ジョーさん、どうどす?」
普段使わないようにしているという京都弁をわざと使ってジョーを挑発するようにモデルポーズを取るナナ姫。
ハイ、ジョーやられました。
無間地獄の刑確定ですな。
その後は海で子供のように遊んだ。
オサム君の指導の下、ジョーもサップを初体験。
素潜りをしたり、少し沖まで泳いだりした。あっ、ビーチバレーもやったなぁ。
海辺に4人の歓声がこだまする。ひとしきり遊んだ後はテラス席に戻り、シャンパンで乾杯。そして持ち込んだ食材を使って調理タイム。
調理師免許を持つオサム君は魚のカルパッチョ。
ミカちゃんとナナ姫はサラダを作っている。
ジョーも娘から習った(!)鳥の唐揚げを準備した。
全員が裸になって線香花火
食事の準備ができたところで改めて乾杯。
美味しい食事、お酒、そして会話も弾む。食後はトランプ。シンプルにババ抜き(苦笑)。
罰ゲームはオサム君の提案で「裸で海岸を往復」となったから、真剣度が違う。
嬉しいことに?ナナ姫が負けた。
「え?、タダでうちん裸見るんどすか?うちんの裸、ほんまは高いどすぇ」
と酔っ払っているからなのか京言葉丸出しで口を尖らすナナ姫。
すかさず、ミカちゃんが「ナナちゃん、それシャレにきこえまへん」と悪い笑顔で突っ込む。
ややあって観念したナナ姫はやおら立ち上がり、目の前で下着を取り、海外に走り出す。
僕ら3人は大笑いしながらそれを追いかけける。
どう考えてもいい大人がやることではないが、楽しすぎる。
結局、全員が裸になって(!)、花火をやった。花火の王道はやっぱり線香花火だね。
その刹那の控えめな火花にうっすらと浮かぶナナ姫の肢体はこの世のものとは思えないほど色っぽかった。
そりゃあ、地獄に落ちるはずだよ。
深夜まで遊んだにもかかわらず翌日は早めに行動開始。やんばるの「ター滝」を目指す。
近くまで車で移動した後はトレッキンシューズに履き替えてリバートレッキングを楽しんだ。
基本川沿いを歩くが途中、川の中に入って移動する。
お約束の?水の掛け合いをしながら小一時間でター滝に到着。
ター滝は思ったより、しょぼくてマイナスイオンを浴びながら昼食という妄想は妄想で終わったけれど、みんなで作ったおにぎりを食べれば、これ以上の贅沢はない。
さらにジョーが決死の覚悟で運んだクーラーボックスにはビールとシャンパン!オサム君は運転手なのでノンアルコールビールだったけれど、ジョーはビール、女性陣はシャンパンで乾杯。
チーズをつまみに、ややしょぼい滝を見ながらのビールは昼間ということもあって思いの外、酔い廻る。
それにしてもモデルのシャンパンラッパ飲みはなかなか見れない光景でしたなぁ。
(後編に続きます)
ジョー・ルビコン