恋愛ワクチン 第三十七話 いとしのエリー(後編)

総勢、マックさんを含めて10人ほどのグループである。

タクシーやUberだと、複数台になるので、移動の途中ではぐれてしまう怖れがある。

なので、移動には地下鉄を使うことにした。

地下鉄に乗っているのは、若い人が多い。

ふと衣里ちゃんを見ると、背の高い学生風の若者と談笑していた。

里香ちゃん加奈ちゃんと女性社員全員が、その様子をさりげなく見守っている。

しばらくすると、二人はSNSの交換まで始めた。

何と言う早い展開。

あとで衣里ちゃんに聞いたら、その男性は留学生で、たぶん実家がお金持ちとのこと。

だから、とりあえず連絡先だけ交換したのだそうだ。

マックさんは気が付かなかったが、身に付けていたものが、若者向けではあるが、高価なブランドで揃えてあったらしい。

里香ちゃんが衣里ちゃんの一部始終を見ていて教えてくれた。

地下鉄に乗り込んですぐに、男性が衣里ちゃんの胸元を見て(男なら誰でも気になる巨乳だ)、それからちらっと顔を見た。

その瞬間を逃さず、衣里ちゃんは男性と目を合わせて微笑んだ。

男性の目が少し泳いだが、見つめてくる衣里ちゃんに気を許したのか、話しかけてきた。

里香ちゃんが溜息をついてマックさんに言う。

「外国語で話すだけなら、私も出来なくは無いと思うんですよ。だけど衣里ちゃんの、あのコミュニケーション能力は、私はとても真似が出来ない。もう脱帽しかないです」

加奈ちゃんもぼやく。

「衣里ちゃん、すごいなあ。おっぱい大きいと男の人が寄ってきて羨ましいと思っていたけど、それだけじゃなかったんですね。感心しました」

そのあと地下鉄を降りて商店街を歩いていたら、いつの間にか衣里ちゃんが消えていた。

「衣里ちゃんどうしたんだろ?」

「まさか、はぐれた?」

「まあ、衣里ちゃんだったら一人でホテルに帰れるだろうから大丈夫だろう」

30分ほどたって、衣里ちゃんが現れた。

「どうしたの?」

「ごめんなさい、イタリア人の観光客に声をかけられて」

若い男性グループに話しかけられて、そのまま少し一緒に歩いて友達になったらしい。

モテる子、自分で狩りの出来る子っていうのは、こんな調子なのか


凄いなあ。


その後も、何人かとSNSを交換するのを目撃した。

まるで歩く出会い系アプリだ。

街で知らない人と目が合ってしまったら、普通の子は目をそらすだろう。

衣里ちゃんは、つぶらな瞳で見つめ返す。

その一方で瞬間的に相手を値踏みし、筋の良さそうな男とみれば微笑む。

マックさんも里香ちゃん加奈ちゃんも女子社員たちも、皆が感服した。

さて、ホテルに帰って来た。

シャワーを浴びて夕食だ。

衣里ちゃんが近寄ってきて、小声で言う。

「マックさん、ごめんなさい。□さん(中編で書いた太パパ)から連絡が入って、ちょっと挨拶にいかなければならなくなったの。夜には帰ってくるから。」


太パパは、どうもこの街に来ているようだ。

ホテルのマネージャーが、衣里ちゃんが来ていると連絡を入れたのだろうか。

仕方が無い。

「ああいいよ。里香ちゃん加奈ちゃんいるし、こっちはこっちで楽しくやってるから」

「ごめんなさい」

衣里ちゃんは出て行った。

夕食になっても衣里ちゃんは帰って来なかった。

しかし皆慣れてしまった。

美味しい料理を前にしてそれどころではない。

夜は、里香ちゃん加奈ちゃんを相手に、3Pして楽しんだ。

里香ちゃんにキスしながら加奈ちゃんに挿入、加奈ちゃんにキスしながら里香ちゃんに挿入、これを交互に繰り返しながら、最後は里香ちゃんで射精した。

余韻にひたっていたとき、衣里ちゃんが現れた。

さすがに気まずそうだ。

裸の上にバスタオル一枚だけを巻き付けて、おつとめさせていただきますと言わんばかりの殊勝なポーズで立っている。

「衣里ちゃん、僕いま射精しちゃったし、今日はもう疲れたから、みんなもう寝ようよ」

マックさんはどこまでも優しい。

「里香ちゃんで射精したから、僕は加奈ちゃんと寝ることにするよ。里香ちゃん衣里ちゃんは向こうのベッドで一緒に寝てね」

「はーい、わかりました」

マックさんはすぐに寝入った。

翌朝起きて、隣の部屋を覗くと、里香ちゃんが一人で気まずそうにベッドに座っている。

「衣里ちゃんは?」

「それが・・あのあとすぐにまた行方不明になってしまって・・」


「ああ、脱走したか」

マックさん、怒る気になれない。

それどころか、不思議な清々しさを感じた。

ここまでやってくれれば、大したものである。

その日の午前中は衣里ちゃんと連絡が取れず、お昼近くになってようやくメッセージが入った。

「マックさん今どこですか?合流したいので場所教えてください」

移動中だったので、昼食をとる予定のレストランを教えて、そこで落ち合うことにした。


衣里ちゃんがやってきた。

悪びれもせず、つぶらな瞳でにっこりとマックさんを見て微笑む。

私の巨乳と微笑みには敵わないでしょ?と言わんばかりだ。

ジョーさんであれば、ここで胸がキュンとして、切ない、悔しい、いたたまれない、などと感じるのかもしれない。

いや、寝取られ願望の持ち主としては、よくやった、天晴れ衣里ちゃん、と褒めるのだろうか?

マックさんは、ただただ感服した。

見たことのない珍獣を目の当たりにした満足感に近い。

里香ちゃんがマックさんに囁いた。

「衣里ちゃん・・胸元キスマークだらけですよ。」

後で聞いたら、太パパさんは

「本当に社員旅行なら抜けて出て来られるだろう?」

と衣里ちゃんを呼び出し、さらには何と、自分もマックさんと同じフロアに部屋をとって、お昼近くまで衣里ちゃんを離さず抱きまくったらしい。

キスマークは、この女は俺のものだ、というマーキングである。

巨乳にはしっかり歯型まで付いていた。

マックさんとしては、衣里ちゃんを寝取られたことよりも、マックさんの存在を太パパさんにオカズにされちゃったところが気になる

ちょっとだけ、オカマ掘られた気分だ。

まあ面白かったからいいんだけどね。

寝取られ大好きなジョーさんだったら、衣里ちゃんに特別賞与あげそうなお話だと思うんですが、いかがでしたでしょうか?

(完)
 

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