恋愛ワクチン 第七十七話 イオンお買い物デート

 

先々回の記事(https://universe-club.jp/column/hope)で、由衣ちゃんとのイオンお買い物デートの話を書いた。

由衣ちゃんはマックさんの会社の近くで一人暮らししている。

イオンまでは10分ほどの距離だ。

会社の前で待ち合わせて、並んで歩いていく。

手はつながない。

マックさんにとっては近所だし、由衣ちゃんも知り合いに見られることを怖れるからだ。

歩きながら色んな深い話をする。

だから心では手をつないでいる。

少なくともマックさんはそう思っている。
 

由衣ちゃんは普通の家庭で育たなかったし、マックさんは普通の家庭を築くことが出来なかった。

由衣ちゃんは「私にもようやく、こういう買い物を誰かと一緒にする日が来たんだって気持ちで嬉しいです」と言ってくれる。

マックさんとしては、遠い昔にやり残したままの課題をおさらいしている気分だ。

まあそんな感傷はどうでもいい。

普通の人にとっては読むほどの価値もない話だろう。

しかし、イオンお買い物デートの話を聞いて、とても羨ましがった女の子がいた。
 

彩ちゃんという。

由衣ちゃんとは同い年の、20才になったばかりの娘。

この娘もまた、家庭に問題を抱えていた。

そしてそのことで、心身を病み始めてもいた。

由衣ちゃんと彩ちゃんはラインでつながっている。

マックさんが紹介したからだ。

由衣ちゃんは、昔の自分が彩ちゃんに当てはまる部分が多いようで、彩ちゃんの相談に乗っていた。

由衣ちゃんによると「彩ちゃんは戦友です」とのこと。

同じ状況で戦って、なんとか自分の人生を取り戻そうと頑張っている。

彩ちゃんの問題解決には、とにかく今の家を出ることが必要だ。

そこはマックさんと由衣ちゃんとで意見が一致しているし、彩ちゃんも否定はしない。

しかし二つの問題がある。

彩ちゃん自身が家を出ることにためらいがあるのと、もう一つは、一人暮らしのアパートを借りるには、親の名義を借りるしかないという現実だ。
 

ここからが本題である。

今回はちょっと真面目な内容なので、よく読んで知識として了解してほしい。

マックさんは以前、実父に性的虐待を受けていた19才の娘と交際していたことがある。

この娘がもし18歳未満であれば、児童相談所に通報すればよい。

電話番号は189だ。管轄の児相につながる。

覚えておいてください。

19才という年齢は厄介だ。

児相に通報することもできないし、家出の手助けをすれば、下手すると未成年者略取誘拐で刑法犯になってしまう。

20才になるまでは手が出せない。

それで、19才の娘のときは、助けるのを躊躇した。

正確には、ちょっと裏技みたいな手を使って、自力で助かるためのロープみたいなものは垂らしたのだが、自分の手を差し伸べて引き上げることはしなかったし出来なかった。

あれ以上のことは出来なかったと思う一方、もう一歩踏み込むべきではなかったのか、と悔やむ自分もいる。

そして、その悔やむ自分が嫌いだ。

悔やむくらいなら、あの時救っておけよ。偽善だろ、それ。

マックさんの思考回路は厄介なのだ。自分でもときどき持て余す。
 

今回の彩ちゃんは20才である。

ちなみに彩ちゃんの場合は性的虐待ではない。ちょっと事情が異なる。

とにかく20才になっているので、マックさんが関わっても未成年者略取誘拐は問われない。

成人なので、一人暮らしのアパートを借りることも出来る。

しかし、それには彩ちゃんの所得証明が必要だ。

彩ちゃんは大学生である。普通のバイト代はコロナ禍もあって少ししかない。

パパ活でやりくりしているのだが、確定申告していないので、実際には家賃の支払い能力があっても証明ができない。

そこでマックさんは一計を案じた。

マックさんは会社の隣に、アパートを借りてヤリ部屋として使っている。

前にも書いたが、男が妄想する「若い女の子の一人暮らしの部屋」というコンセプトでもってジオラマのような部屋を作って、そこにマックさんを招待してもらうっていう設定でセックスがしたかったのだ。

そのアパートのもう一部屋をマックさんが借りて、それを彩ちゃんにサブリース(転貸借)する。

もちろん、マックさんがアパートを借りるにあたって、転貸借は禁止されているが、そこは黙って、マックさんと彩ちゃんとの間で転貸借契約を交わす。

これなら、彩ちゃんは、所得証明がなくても、部屋に住むことが出来るというわけだ。

「そんな面倒くさいことしなくても、マックさんが彩ちゃんに部屋を借りて、ただ住まわせてあげるだけでいいだろう?」と不審がる人もいるかもしれない。

確かにそうなのだが、形の上だけでも、マックさんが彩ちゃんに部屋を又貸ししている、という体裁を整えておくことには、意味がある。
 

彩ちゃんには別に太パパさんがいる。

実はマックさん、その太パパさんとは面識がある。

太パパさんと彩ちゃん、マックさんと由衣ちゃんの4人で、二部屋とってお泊り旅行したことがあるくらいの仲だ。

先に彩ちゃんにオファーして大人になったのが太パパさんで、マックさんは二番手なので、太パパさんは兄貴にあたる。

太パパさんがアパートを借りたり保証人になったりが難しいようなので、マックさんが借りるのだが、マックさんが彩ちゃんを太パパさんから横取りしようとしているように思われてはいけない。

彩ちゃんの収入が減ってしまうし、彩ちゃんは太パパさんが好きなのだ。

太パパさんも、彩ちゃんが家を出たほうが良いという点についての認識は同じである。

それで太パパさんと彩ちゃん、マックさんと由衣ちゃんの4人で再び顔を合わせて、私がアパートを借りて、太パパさんが家具を買いそろえ、由衣ちゃんが彩ちゃんを精神的にケアするという役割分担を決めた。

彩ちゃん救出作戦である。

夜、マックさんと由衣ちゃん、そして彩ちゃんの三人で、彩ちゃん憧れのイオンお買い物デートに出かけた。

買い物かごを二つ、女の子がそれぞれ持って、日用品や食料品の買い出しをする。

支払いと帰りの荷物運びはマックさんの仕事だ。

大した金額ではない。

しかし三人とも満足だ。

三人で、夜空の星を数えながら、10分ほどの帰り道の会話を楽しむ。

互いの心の傷のちょっとした告白や、思い出話に花が咲く。

三人だけのセルフヘルプグループ。

その言葉が一番ふさわしい。

マックさんは、由衣ちゃんと彩ちゃん、二人の若い娘を救っている。

そこは手ごたえがあるから真実だ。

善行を施していると胸を張りたいところだが、仮に由衣ちゃんと彩ちゃんではなく、若い男の子であったらどうか?

あるいは女の子であっても、マックさんの好みでない容姿やスタイルであったらマックさんは同じようにお部屋を手配したり、イオンのお買い物に行ったりするのか?

しない。

だから、善行はしているのだが、あくまでパパ活という括りの中での話である。

なので、自慢できる話じゃないし、誰も褒めてはくれないだろう。
 

しかし、善行は善行だ。

由衣ちゃんと彩ちゃんだけが認めて感謝してくれればいい。

他の誰に何と言われようが、後ろ指さされようが、この娘たちには今、自分という人間が必要なのだ。

ひょっとしたら、由衣ちゃんも彩ちゃんも、将来、私とのお買い物デートの記憶を、パパ活という忌まわしい経験の一部として、消去しあるいは無意識に書き換えるのかもしれない。

それは仕方がない。

そこまでの徳では元々無いのだから。

しかしもしかしたら、楽しかった記憶として、私のことを思い出してくれるかもしれない。

その時には、若い娘の体を金で抱くという、私のこの小汚しい行いも、少なくとも彼女たちの中では浄化されていることだろう。

 

5年ほどパパ活をしてきた還暦過ぎの男が辿り着いた一つの考えである。

よろしければ男性の皆さんご参考になさってください。

 

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