しりとりで綴る交際倶楽部奮闘記5 前編
いとしのエリー → リケジョ
「リケジョ」は新しい言葉だ。試みに手元の広辞苑で引いてみると、載っていない。
それではと「Wikipedia」で検索してみると2010年頃から使われ出したらしい。
この言葉が広く世間に認知されたのは2011年茨城県立水戸第二高校(旧水戸高等女学校)の女学生が行なった実験結果がアメリカの専門誌に掲載され「リケジョの快挙」として報道されたことだという。
ジョーの認識によればその前に「歴女」という言葉が流布したと思う。
何れにしてもこの頃から女性のパラダイムが大きく変化したのだろう。
「リケダン」とか「歴史男」は聞いたことがないから、最初に使い出したのはおそらく男性だと推測されるし、そこには男性の女性に対する畏怖の念やその表裏一体として差別意識もあるのだろうが、今では女性自ら「歴女です」とか「リケジョです」と名乗ることもあるようなので、あまり目くじらをたてる必要はないのかもしれない。
考えてみると「パパ活」(木田さんの命名らしいですね)もこうした変化の中で普及した?言葉だろう。
こうした分かりやすい単語の普及は本来そこに含まれる「ドロドロした闇」を覆い隠す効果もある。
「リケジョ」にしても実態を探ってみると例えば「医学部入試における男女格差」という問題が最近明らかになったり、某女子による「スタップ細胞」を巡る顛末など、その名称ほどには単純ではない事柄を含んでいる。
さてユニバース倶楽部の「リケジョ」と言えばJasmine さんだ。
ジョーのコラムにコメントを貰ったことで、交流?が始まった。
正直に書けば女性からコメントを貰うことはほとんどないから、その存在はとっても嬉しかったし、コメントも楽しみにしていた。
そして女性からの視点はコラムを書く上でとっても参考になった。
それはジョーだけでなく、例えばマックさんもそのようで、Jasmineさんと熱心にコメントのやりとりしていた。
ただマックさんが常人と異なるのは、コメントを通じて実際にオファーしたことである。
それだけでなく、その後男性会員のノートルダムさんが加わり、さらに女性会員のレモンさんやNovemberさんも参加して一大グループ?になっているのはご存知の通りだ。
ジョーには一ミリもない発想で、やっぱり
「ぶっ飛びマック(呼び捨て失礼!)」
はユニバース倶楽部の怪人だし、至宝ですなぁ。
と言いながらジョーにもスケベ心がある(というかスケベ心しかない)。
マックさん、ノートルダムさんに続いてJasmine さんにオファーを出した。
確かマックさんのコラムだったと思うけれど
「マックさんに会えたし、退会しようかなあ」
とJasmineさんのコメントを見て少々焦って?オファーした。
とはいえ日程が中々合わず、1ヶ月以上先の日にお会いすることになった。
Jasmineさんとお会いするに当たってジョーにとっての問題は交際スタイルである。
Jasmineさんは大人の女性だから例えジョーがパンツを脱がなくても「プライドを傷つけらた」とは決して思わないだろう。
楽しい時間になる確信はあった。
しかしJasmineさんの登録動機については謎が多かった。
プロフィールページを拝見する限り、お手当て目的でないのは間違いないし、単純に出会いを求めてというわけでもなさそうである。
えっ、もしかして性的な欲求を満たすためなのか?そんな女性がいるとはジョーには俄かには信じがたいのだけれど、妄想だけがあれこれと駆け巡る。
そしてジョーの妄想を裏付けるかのように、マックさんの報告によれば
”出会ってからの最短記録”
を更新したというし、ノートルダムさんとも素晴らしい食事の後、官能的な時間を堪能してらっしゃる。
お二人のようにスマートに?エスコートをすることはジョーにはとても出来ない。
妄想だけが駆け巡り、約束の日が近づくのだった。
約束の日のかなり前だったと思うけれど、倶楽部を通じてJasmineさんからメッセージがきた。
かなりオブラートに包んだ表現だったけれど、要するに「その日は生理の可能性が高い」という連絡である。
日程変更の提案も頂いたけれど、ジョーは予定通りその日に会うことにした。
そして次のような返信をした。
「お気遣いありがとうございます。全く問題なしです。むしろ少しホッとしています。食事の後、お時間があれば美術館にお連れしたいと思っています」
Jasmineさんからの返信は短く次の通り。
「では、お互い安心して(?)お食事&美術館デートを楽しみましょう」
Jasmineさん、オトナじゃ〜〜ん!
待ち合わせは某ホテルのロビーで。
ランチタイムだったので、割と賑わっている。
時間通りにジョーの携帯が鳴り、携帯を耳にした鮮かな色のワンピースを身にまとった魅惑的な女性が近づいてくる。
遠目からでもプロポーションがよいのが分かる。
ジョーが手を挙げて合図を送るとJasmineさんも答えてくれる。
型どおりの挨拶を交わす二人。
Jasmineさんは少しはにかみ、照れたような仕草も見せる。
「初めましてですけど、何か初めての感じもしない、不思議な感じですね」
とジョー。
「私は緊張でガチガチですよ。エレベーターを降りてから緊張でロビーへなかなか行けませんでした」
公開オファーを受けるだけでなく、デートの様子をコラムの中で公開することを許す女性の言葉とはとても思えない。
そうなのだ、Jasmineさんの魅力はここにある。
好奇心旺盛で、大胆な行動も厭わないけれど、男性にそっと寄り添う乙女なのである。
もちろん「乙女」という言葉は男性が作り出した都合の良い言葉だと思うけれど、Jasmineさんなら、そんな男性のわがままを全部許してくれる気がする。
ああ、ナナ姫にJasmineさんの爪の垢を煎じて飲ませたい。
ランチはホテル近くのステーキハウスで。
事前に前泊したホテルコンシェルジュを通じて予約したのに、案内された席は良くない。
しかもランチタイムで賑わっていたから、喧騒の中での食事となった。
初デートの雰囲気はないが、際どい話も多いからまあ、良しとしましょうか。
ジョーがJasmineさんにどうしても聞きたかったことは倶楽部への登録動機だ。
プロフィールページを読んでもその動機ははっきりしない。
「Jasmineさんのような女性がユニバース倶楽部に登録しているのは信じがたいですねえ。色々理由はありますけど、コメントにも付き合ってくれて。そもそもコメント欄でのオファーはあんまり受けないんじゃないかなぁ。あっ、僕もオファーしておいてなんですけど」
「だって楽しそうだったから。ジェットコースターに乗る気分?」
「いや、ジェットコースターとは違うでしょう!だってマックさんの場合、事前のやりとはあったとは言え、会った途端に車の後部座席でプレイって。どれだけ男の妄想に応えてくれるんですか!分かりにくいかもしれませんが、褒め言葉ですからね」
「本当に嫌だったらもちろん断りますよ。それより運転手のウィンさんとバックミラー越しに視線が合うのがエロかった」
人がいなければ爆笑するところだが、口を押さえて控えめに笑い声を上げるジョー。
そして核心の?質問をする。
「Jasmineさん、どうしてユニバース倶楽部に登録したんですか?」
「大好きな彼が居るんだけど、お互い忙しくて会えて月に1回か2回。それじゃ、全然足りなくて」
Jasmineさん、ジョーにとっては妄想を刺激する100点満点の回答です。
でもジョーは追及?の手を緩めない。
「忙しいのは良く分かりますけど、時間は作るもんでしょう?」
「彼には趣味というか長年やっていることがあって。それが何よりも最優先なの」
「文句言わないんですか?」
「言いたい気持ちもあるけど、彼が大事にしているのもよくわかるし。それに会っているときはとっても優しいのよ。」
「ごちそうさま。でも月1じゃあ、寂しいですよね?大好きな彼だから。それならちょっとだけわがまま言えばいいのに」
「言えないよ」
「どうして?」
「それが私だから」
親愛なるユニバース倶楽部の男性会員の皆さま。
倶楽部での活動は一筋縄ではいかないことが多いですね。
そして時にそれを誰かにぶちまけたくなったり、やさぐれたりしますね、でもそんなときはJasmine さんを思い浮かべてください。
こんな乙女がユニバース倶楽部にはいることをどうかお忘れなく。
(後編に続く)