情報セキュリティ論
【質問】
身バレは心配しなくても大丈夫でしょうか?
ネットを見ていると、NHKの元アナウンサーが愛人クラブに入会していてそのことが取り上げられていました。正直不安です。
個人情報の管理は大丈夫なのですか?
【回答】
ご質問誠に有難う御座います。
現代における最強の情報セキュリティは嫌われないことで御座います。
人から嫌われれば、どんなセキュリティもほぼ無意味。一般人がとり得る現代における最強のセキュリティが嫌われないことであることに私は疑いを抱いておりません。
ハッキングで情報流失!!なんてあんまない
コンピューターや機械は決して完璧では御座いませんが、人間とかいうポンコツデバイスと比べれば圧倒的に間違えません。
さて、ご質問者様がパパ活をし、その後アナウンサーになったとしましょう。
すると当然ですがアナウンサーになったご質問者様は多くの方の目に留まります。
当然ですがその中にパパ活時代に出会っていた人が混じっている可能性は極めて高く、そういう方が口を滑らせればご質問者様はあっという間に身バレ?をし、ホームページのアナウンサー欄から姿を消すことになるでしょう。
いわゆるスキャンダルと言われるような情報流失は基本的にこのような流れで流失しております。ユニバースの個人情報管理がどれくらいのセキュリティかは知りませんが、仮にペンタゴンレベルのセキュリティであろうが、そんなことは瑣末な問題でしょう。
他にもご質問者様が冴えないおじさんとホテルに入る場面を誰かに目撃されれば、そこから身バレをすることも御座います。そういうレベルになればもはやユニバースに出来ることは御座いません。
さらに自分を商品として売り出す以上、顧客たちには自身の情報をある程度公開する必要が御座います。
仮にご質問者様が大学生であれば、その顧客の中に大学の教授が混じっているかもしれませんし、社会人であれば会社の上司がいるかもしれない。身バレというのはそういう風に起こるもので御座います。
少なくともユニバースのデータベースがハッキングされて身バレする確率と比べれば、身近な人間の密告によって流失する可能性の方が何百倍も高いことでしょう。
貴方の情報の価値を無くせ
古くはカエサルが使ったシーザー暗号に始まり、現代のRSA暗号に至るまで、暗号というのは「コスト」で考えられます。
そもそも全ての暗号は解読が可能。というか解読不能な暗号は味方も解読できないので暗号として成立しません。ですので暗号を作る際には解読コストというものを考えているので御座います。
例えば現代の主流となっているRSA暗号について考えてみましょう。この暗号は掛け算を使っているので、パソコンでガンガン計算すれば私でも確実に解くことが可能で御座います。
問題なのはその時間。掛け算の数があまりにも多すぎるので世界最高のパソコンを使っても、その計算に1年弱はかかります。
例えば私が死ぬ気でご質問者様の通帳をハッキングしたとして、その中に100万円しか入っていなければどうなるでしょうか?1年間もスパコンをぶん回して得られる金額はたったの100万円。これではスパコンの電気代すら賄えません。
このように情報セキュリティは、得られる報酬に対して解読のコストを上げるということが重要になってきます。ご質問者様の銀行口座の価値などほぼほぼ0ですが、これがペンタゴンの機密情報であれば1年2年を使っても盗み出す価値があるでしょう。
それではご質問者様の身バレ、つまりご質問者様がパパ活をしているという情報にはどれだけの価値があるでしょうか?
某アナウンサーが愛人契約しているという情報には明確な価値が御座いました。具体的な金額は知りませんが、週刊誌に売ればお小遣い程度のお金は貰えるのでしょう。
一方でご質問者様の場合はどうでしょうか?
仮に私がご質問者様の情報を得たとして、それを週刊誌に売りつけても1円にもならないでしょう。つまり私にとってご質問者様の情報の価値はほぼほぼ0ということで御座います。
しかし、もしも私がご質問者様のことを酷く嫌っていたら?
大学生なら大学にでも売りつけるか、脅して金を揺するか、勤め先に流して会社に居られなくするか、ともかく色々な有効活用の方法が思い浮かびます。
大嫌いなご質問者様が不幸な目に遭うのであれば、100万でも1000万でも惜しくないなんて風に考えるかもしれません。
人から嫌われないことが最強の情報セキュリティであるというのはこういう意味で御座います。
人から嫌われることでご質問者様の情報の価値は跳ね上がる。情報の価値が上がれば、その分解読に莫大なコストをかけることが出来る。
そして現代において本気で狙われたら情報を守り抜くことは極めて困難でしょう。
ご質問者様のことを気に食わないと思う人の人数。それがご質問者様の情報の危険度で御座います。