恋愛ワクチン 第四十三話 「ロマネのラブレター」

マックさんはコラム記事「ロマネな夜」を公開してから、ロマネさ
しかしなかなかコメントが付かない。
やっぱり恥ずかしいのかな?
マックさんはLINEで催促した。
「コメント書いでくださいよ。待ってます」
賢明なロマネさんには見透かされているだろうが、これも羞恥プレ
ロマネさんから返信が来た。
「あれもこれもと書いていたら長文で大変なことになってしまいま
「2000字越えますか?」
「軽く越えます(笑)」
「では、私が新記事として、UPしましょう。」
そして、送られて来たのが以下のメッセージである。
表題はロマネさんの希望で「ロマネのラブレター」とした。
マックさんが、ロマネさんの文章のファンで「ロマネさんからラブ
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女性会員のロマネです。
マック様
この度はコラムを執筆頂き誠にありがとうございます。
以下、僭越ながら私の感想文を失礼致します。
匿名質問箱をご覧の方は私の文面がとにかく長いことをご存知と思
皆様
事実は小説よりも奇なり、という言葉がございます。
私はマック様からオファーを頂戴してから「恋愛ワクチン」のバッ
白状致しますとユニバースさんの面接に行く前に1度「恋愛ワクチ
どんな男性会員様がいるんだろう…素敵な紳士が美女と夜な夜なロ
女性の方にはなんとなくご想像つくかもしれません。
最近ネットに
当時の私は恥ずかしながらそちら側。
あまりに強烈な「性」の前に萎縮し、いやいや現実にこんなシチュ
こんなことを許す女性がいるわけない。
「いやぁ良くできた官能小
くわばらくわばら…もし万が一こんな倒錯的な世界があったとして
穏やかに和やかに細く長く交際して頂ける男性
勿論これだけが理由ではありませんがある種一因となり、よりお相
その私が交際タイプ詐欺(?)に手を染め、初めて「Cタイプ」に
皆様
私は確かにそう思っていたのです。
デートが終わったあとに「ほらやっぱりね!フィクションだったよ
恐ろしいことです。
マック様の書かれる「恋愛ワクチン」、120%実話でございます
例え私が嘘だと騒いでもパプワ様が証言されるでしょう。
私はあの日、出会ったばかりのマック様へ膝をつき奉仕をし、人生
皆様
初めてのオファーに浮かれた私は10月、回答者になることを決め
その頃からマック様は非常に気になる存在でありました。
質問箱の識者であり燃料投下班。
エピソードのスケールの大きさ、
マック様は時折「ダイヤの原石を探すのが好きだ」と仰っていまし
過去の質問箱を見ると運営様に申し出をし回答者様がOKを出せば
皆様
私はふと自分を顧みたのです。
質問箱でも多用する表現ですが、私は自身を「しがないアラサーOL」と自称しています。
昔から図体ばかり育ち、顔立ちも童顔とは程遠く友人には「お前は
職業はOLですが丸の内のキラキラしたOLではなくどちらかとい
日々失われる若さ、特筆すべき点のない容姿やスタイル、特別な能
私にもダイヤの原石だった頃があったでしょうか。
ですが今の私は
パプワ様
白状致します。
私は図らずともマック様がパプワ様にオファーされたと知り、なん
若く、美しく、聡明な女性。
そうか、そんな女性を「交際倶楽部の
だからこそ質問箱に私の名前が出た時に驚いたのです。
「パプワさ
初めは身の程知らずと思い、お返事を控えました。
正規にマッチン
ですが、一方でこんな機会は二度とないとも感じていました。
とんでもない世界を見せてくれそうな男性とその男性に選ばれた女
そのお二人にお目にかかる機会があるならばと、リップサービスで
マック様
初めて個人的なやりとりをさせて頂いてから、私はずっと「性感帯
必ずしも肉体に限ったことではありません。
心の底のヘドロの様な
「初日から肉体関係は無理なんだよね?」
と聞かれたとき私は確か
底知れない男性とその横で噎せ返りそうなほど色香を漂わせている
ぼうっと「これが交際倶楽部か」と思いながら手は静かにスカート
皆様
その後のことは全てマック様が書かれた通りです。
一言一句、一挙
地を這うような劣等感の塊である私にとって、若い娘さんの前で責
首輪姿を晒しホテルの宿泊客に怯えながら玩具で弄ばれるほど
タクシーの運転手に振動音
見ず知らずの人に好奇の目にさらされながら一糸纏わぬ姿でご挨拶
皆様
皆様は私がマック様を憎んでいるとお思いでしょうか。
身の程知らずに足を踏み出し、良いように扱われた私を憐れだと笑
皆様
違うのです。
私はあの日、確かに幸せでした。
信じて頂けないでしょうが私は恐らく特別な性癖は持ち合わせてい
人様に見られて昂ぶることも、痛みを与えられて悦ぶようなことも
あの日あの瞬間、私の目に映っていたのはマック様だけでございま
マック様
私の羞恥の表情を、困惑の顔を貴方様が楽しんでおられたことに私
私が悶えるほどに、無垢な瞳をキ
皆様
質問箱をご覧の方はお分かりでしょう。
私は「一期一会のガチ恋ロマネ」でございます。
どんな方でも対峙すれば、嘘偽りなく敬い愛すること。それだけが
あの日、私は確かにマック様を愛しておりました。
あの日、羞恥に潰れそうな私を支えたのは責苦に耐えた私を愛おし
マック様
この憐れなアラサーの押し付けがましい愛情を懐かしく思われるこ
あの倒錯的な「交際倶楽部」の夜を私は生涯忘れないでしょう。
愛を込めて ロマネより
= = = = = = = = = = = = = = =
マックさんは一読して溜息をついた。読んでいる間、息が止まって
何という迫眞感。
マックさんの淡々とした文章とは異なり、根底に、深い愛を感じさ
マックさん一個人に対してというよりも、男性というもっと大きな
ロマネさんの愛という、心の子宮の中に入れて貰った気分だ。
とても心地よく、幸せだ。
また、ロマネさんが、マックさんが次から次へと繰り出す、アトラ
言われてみれば解る。
マックさんは、実際にお会いした方はご存知の通り、外見は本当に
だから自分は恋愛弱者だと若い頃から思い込んでいた。
しかし、振り返ってみると、勇気を出して女性を口説いてみると、
マックさんが見つめると、相手は驚き、しかし、しばらくすると笑
瞳だけはイケメンなのだろう。
手つきの優しさ、器用さは生来のものだ。
そこは自信がある。
自分のことって、本当に分からないな。
それはロマネさんにも言える。
ロマネさんは、お世辞でなく、魅力的な女性だ。
私が若かったら、本当に結婚して欲しいと願ったと思う。
そんなロマネさんが、御自身を「消えるのを待つだけの燻った炭」
それは違う、と声を大にして叫びたい。
マックさんのこの気持ちが伝わって、「心の底のヘドロの様な劣等
単なる羞恥プレイなら、そういう性癖の無い女性は、嫌がるだけの
マックさんもまた、あの時間、ロマネさんを、ロマネさんがマック
それをロマネさんが感じ取って、応えてくれたのだと思う。
そして、今、この記事を書いている間もずっと、ロマネさんのこと
年を取っていて良かった。
若かったら、切なくて苦しかったかもしれないからだ。