家、ついて行ってイイですか?
※今回のコラムは個人特定を避けるために一部フェイクを入れてます。
とある港区の路上。まんぼうでお店の閉店時間が早い。
私「寒いね〜。で、これからどうすっか?どこもお店空いてないし。」
彼女「ね。どうしよっか?」
私「・・家、ついて行ってイイですか?」
『家、ついて行ってイイですか?』
それは終電を逃した人に、タクシー代を払うので「家、ついて行ってイイですか?」とお願いして家について行く、某局の完全素人ガチバラエティー。
誰もが皆、一見は普通でも普通じゃない人生ドラマを持っているもの。そんな素敵な市井の人々のリアルな人生に触れていく番組です。
ご覧になった事ありますかね?
見た事が無いパパ活女子がいたら、ぜひ見てほしい。いくつかの神回、号泣もんだから。
質問箱でパパ活女子達がよく言ってますね。
オッサン、ジジイの話がつまらない。
オッサン、ジジイからお手当以外で何も得るものが無い。
いやいや。そう思ってるパパ活女子達よ。
まずは『家、ついて行ってイイですか?』を見て欲しい。
安っすい居酒屋でベロベロに飲んで酔っ払ったオッサン。期待感は皆無なのに家について行ったら深い話が出てくる出てくる。
家に招き入れる事で普段は人に言わない事を語っちゃう。心のドアもオープンになるわけ。
つまりパパ活女子達よ。目の前のオッサンやジジイはあなたの事を「好き好き大好き♡」とか言ってはいるけど、実は心のドアは君にオープンしてないわけさ。だから深い話が出てこない。浅っさい話しか聞き出せて無いから話もつまんない。だから愛着も湧かねえし、学ぶ事も無いわけ。
逆もしかり、外見と愛想だけではある程度の土台に乗るだけ。それ以上を求めるのなら人間的な付き合いが必要なわけ。人に気に入られる一番の手っ取り早い手法。それは誰にも言えない話を『あなただけに』に打ち明ける事。もしくは自分の内面を『あなただけに』さらけ出す事。
なんか最近の交際倶楽部、このどっちも少ない浅〜い交際が蔓延ってる気がする。
常に一定の距離を保って。相手のパンチはいなして躱し。的確にこっちのパンチだけ当ててフルラウンドの判定勝ちを狙う。
俺らってフロイド・メイウェザーだっけ?(笑)
メイウェザーの現役時代の練習メニューはご存知か?
いやいや、お互いド素人同士でしょ。観てる観客からブーイング受けるような泥試合。3ラウンドからお互い体力切れ。そんなドロドロの泥試合でいいじゃん。素人同士の戦いで歓声が生まれるのは、感情むき出しでパンチ振り回すジ・アウトサイダーみたいな戦いだと思うけど。
素人同士の上品な戦いほどつまんないものは無い。角田信朗がレフェリーだったら試合後に殺されるわ(笑)
しかしかくなる私もパパ活女子相手に最初は様子見です。浅〜い会話でいかにまわすか、いかに盛り上げるか。深い話は決してしない。序盤はそうする。
そしてパパ活女子が求めるものは『大人の交際等のサービス内容✕時間』と『お手当』のキッチリ等価交換制。
パパ活界隈ではそれがスタンダードであり普通ですが、等価交換で引き出すべきは『お手当』だけじゃなくて『深い話』も引き出した方がいいと思う。じゃないと学び残るものが無い。
決してパパの家に行け。パパを自宅に招き入れろ。と言ってるわけではありません。
もうちょっとお互いに『深い話』をしてもいいんじゃないかと。だってそもそも後腐れない関係なわけだし、いつかは関係切れるわけだし。
だからこそ、お互いに人には言えない事も言い合ってもいいんじゃないかと思うわけ。
せっかく交際倶楽部で縁あって交差したわけだし、その一瞬を濃いい付き合いにしようぜ。
しかし実際『深い話』はこれ、家に行かないと出てこないのも事実。
さて、今回のコラムでは私が実際に経験した『家、ついて行ってイイですか?』的なエピソードを紹介します。
都内某所 毎日飲み歩く男
私はいわゆる転勤族。数年に一度転勤があります。転勤先では元々の友人や知り合いは皆無。という事は社内の人間と飲みに行く機会が増えるわけです。
しかし私は、男でも女でも滅多に人に好意を持ちませんので、一緒に飲みに行きたいと思える人がいねえ(笑)
そんな時に異動してきたのが彼です。一回り年下の後輩です。
私は社内の人間をおおまかに2種類に分けます。官僚的でズルい『お公家』か、生き残るためには多少の危険やリスクも厭わない、気合の入った『野武士』か(笑)
彼は完っ全に『野武士』タイプ。私も『野武士』あがりではありますが、現在は宮仕え的な感じに抑えているので、彼の存在は新鮮でした。
お互い同タイプなので話が合います。自然と飲みに行く機会も増えます。彼は久々に私の好きなタイプです。貴重な仲の良い後輩になりそう。
そのうち彼に引っ張られて、仕事のやり方が元の『野武士』に戻っていきます。これはこれで良い刺激です。
しかし彼。何というか『生き急ぐ』というのか『死に急ぐ』というのか。ハードに仕事をこなしたうえで毎日飲み歩く。シラフのままで家には絶対帰らない。そして食べる量も飲む量も常軌を逸している時があります。
彼は独身です。好きな後輩なので、私の貴重なかわいい後輩女子のストックのなかから第一位を選んで、わざわざ彼と引き合わせたりしました。しかし彼、女性にも全く興味が無い。彼女作ろうとする気配すら無い。20代でまだまだ若いのに、なんでだろ。
若くして色々と割り切ってます。割り切るには早すぎます。なんでだろ。
そんななか、オミクロン株の影響でまんぼうに。お店の閉店が早くなり、仕事帰りに飲み歩けない状況になりました。
仕事が終わり、いつものように彼から電話がかかってきます。
彼「先輩、今日どうします?」
私「お店やってないよね。どうする?そういえば君ん家には調理道具とかあるの?」
彼「鍋ならありますよ。」
私「まじで?使ってる?」
彼「料理しないんで使ってないです。」
私「じゃあなんで鍋あるねん(笑)」
私「じゃあ、俺が鍋作ったげるわ。買い出しして家行くから待ってて。」
彼「いいんすか!?ありがとうございます!」
その日は初めて彼の家で宅飲みする事になりました。私はキムチ鍋の材料とお酒を買って彼の家に向かいます。
彼「うす!お疲れ様です!」
私「めっちゃいいところ住んでるやん。」
お腹も空いているので、私は早速台所を借りて調理を始めます。勝手に引き出しをゴソゴソ開けて包丁とかまな板を取り出しますが、そこで目についたのは、
『ピンク色のクッキングスケール』
なにこれ?(笑)
私「あれ、彼女いないよね?女の気配がするけど(笑)」
彼「いや・・・まあ、前の彼女が置いてったやつです。」
よく見ると彼の家には『前の彼女が置いてった物』が結構多い事に気づきます。グラス。お茶碗。お箸。家電。彼は料理を一切しないはずなのにキッチンまわりはなぜか充実してる。そしてそのデザインとか色とかに女子感があるのが違和感。
まあいいか。料理はしやすい。
ちょっとそこを掘り下げたい気もしますが、まずは食べて飲みましょう。手際よくキムチ鍋を作ります。そして手作りのレモンサワーも彼に振る舞います。
そしてレモンサワーも5杯目かな?彼もだいぶ酔っ払ってきました。さて、そろそろ彼の元カノとのエピソードを掘り下げましょうか。
私「元カノは料理作ってくれたの?」
彼「はい、まあ。。」
私「で、なんで絶対使わないであろう彼女のクッキングスケールとか残してるねん(笑)」
彼「いやいや、今後万が一でも使うかもしれないですし(笑)。それになんか、捨てられないんですよね。」
私「なになになに!?未練あんのか?(笑)」
彼「いや、そうでは無いというか。何というか。。」
彼「・・・」
彼「先輩、誰にも言わないで下さいね。」
私「どした?」
彼「誰にも言ってないんですけど・・・」
・・・
彼「俺、バツイチなんすよ。」
私「えっ!?」
彼「離婚してるんですよ。実は。」
・・・
彼は学生時代に付き合っていた彼女と社会人になって早々に結婚をした。幸せな仲良い結婚生活を二人で過ごしていたものの、しばらくして謎の体調不良が彼女を襲ったそう。
心配になっていくつも病院をまわって検査したところ、彼女は『筋委縮症』だと判明。難病である。
そこからは病気の進行を抑えるべく治療を続ける日々が続くも、みるみるうちに弱っていく彼女。大好きな料理も作れなくなる。
一方で彼は仕事が激務であり彼女の看病が充分に出来ない。そんなもどかしい日々が続くうちに彼女はどんどん弱り、とうとう彼では看病がしきれず、彼女は実家に帰る事になる。
彼女が心配ではあるものの一方で自分は相変わらず仕事に忙殺される日々。時は残酷であり彼女の病状はどんどん悪化していく。
しばらくした頃、彼女からその震える手で書いた直筆の手紙が家に届く。その内容はこう。
『私達、離婚した方がいいと思う。これ以上あなたの人生に迷惑をかけられない。』
罪悪感、責任感、愛情。色々な感情が過ぎった末に二人が出した結論は結局、離婚。
離婚後、彼は彼女と連絡を一切取っていない。心配で気にはなるものの、罪悪感から連絡が出来ない。
ただ、彼女が生きている事は分かっている。
それは結婚した時に念の為、夫婦で入った生命保険。そこから障害年金が毎年支払われるから。その支払い時期になると彼は、年金が今年もちゃんと支払われているかを確認する。
支払われているという事は、彼女はまだ生きている。
それが彼女が生きている事を確認できる唯一の方法。
離婚した後は、誰も居ない家にシラフで帰る事が寂しすぎて出来ない。毎日外で飲み歩く生活になる。そして今まで以上に身を削って仕事に集中する。
自分で料理して一人で食べるのも寂しい。だから料理はしない。調理道具を使う機会は無い。けどなぜか、料理好きな彼女が置いていったものが、捨てられない。
・・・
私は〆のキムチ雑炊を平らげた後の鍋を見つめながら、なんとも言えない感情になります。
彼「これ言ったの先輩だけなんで、誰にも言わないで下さい。」
私「言えないわ。」
私「・・・そろそろ時間も遅いし帰るね。お疲れさま。早く休みなよ。」
彼「ありがとうございます!キムチ鍋、ごちそうさまでした!」
彼の家のドアを閉めてマンションを出ます。そして真っ暗な路上でタバコに火をつけて煙を吸い込みます。
・・・たぶん彼が前を向いて、自分の幸せのために生きられるのは、
『彼女が亡くなってから』
たぶん、そうなのだろう。
それまで彼は破滅的な生活を続けるのだろう。
だったら・・・
なるべく健康的な食生活を(笑)
彼に野菜を食べさせよう。鍋を作ってあげよう。お酒も缶じゃなくて手作りのレモンサワーを作ってあげよう。
俺が彼の近くにいる間はすみません。
鍋、お借りしますね。
港区在住 職業セクシー女優
まんぼうでお店の閉店時間が早い。
交際倶楽部での出会いであれば行くところは決まっている。それはホテル一択。それ以外無い。
しかし、ある意味で男の夢。
それは交際女性の家に行く事である。交際女性のプライベートスペースに招き入れて貰える事。それは心を許して信頼して貰っている究極の証だとも言えます。
一方で自宅訪問は非常にハードル高く言い出す事自体が難しい。
私の交際女性は現在一人だけ。元々ファンのセクシー女優さんただ一人。交際倶楽部経由では無く、ファンからここまでの関係にのし上がりました。多少のお金は使いましたが。
出会いは交際倶楽部では無い。もちろんお手当あげてはいるけどパパ活感はなんか薄い。
つまり・・「家、ついていけんじゃね?」
下心と夢と妄想が無駄に膨らみます。ファンの女性の家にあがる。夢あります。
ちなみ彼女は最近お引っ越しをしました。港区のとある駅近。彼女の収入は私より明らかに多いでしょう(笑)。
彼女からは引っ越し先の自宅付近のお店を一緒に開拓して欲しいとのオーダーがあり、最近のデートはもっぱら彼女の自宅付近です。
もちろん家に行った事はありませんし、言い出した事もありませんでした。
私は前回のハメ撮りお礼として引越し祝いを買ってあげる事にしました。彼女からのオーダーはとある家電。そこそこ重めの家電です。
彼女の家に送る?いやいや彼女は芸能人。今までも自宅のファンバレ等で引っ越しを余儀なくされる怖い経験もしています。
住所を聞けるわけがありません。
なので、家電は重いけど私が彼女の家の近所まで持参して、適当な路上で渡せばいいかなと思ってました。
そして、注文した家電が届きました。
私「家電届いたよ〜。適当な場所に渡しに行くね。」
彼女「ありがとう!うちに持って来てくれたら助かる!」
んッ?
えっ、い、いいのか!?
彼女の家に、持っていくのか?俺。
動揺する心を抑えて、まずはラインを打ち返します。
私「了解!」
そして調べます。
『うち』って『家』って意味で合ってるよな?
『うち 家』とグーグル検索で調べます。
うち。それはやはり家(うち)。
『うち』って入力したら漢字の変換候補に『家』と出てくるし、やはり間違いない。
うちは家(うち)
ゲッツ!ゲッツアンドターン!!
新年早々、ダンディ坂野が脳内に降臨します。
ダンディ坂野は本当にしぶとい。時々現れます。
ここで一旦整理します。
彼女は新年早々に私にハメ撮りの夢を叶え、次は自宅訪問の夢も叶えてくれるのか!?神様か(笑)
相手はただの素人パパ活女子じゃねえ。芸能人。テレビも出とる。
一方で私は業界人でも無ければイケメンでも無ければ、金持ちでもなければ独身でも無い。もちろんジャニーズのアイドルでも無い。
既婚者子持ちの普通のサラリーマンです。
そういえば、ジャニーズのアイドルとセクシー女優がたまにフライデーされる。あれってどういうコネクションなんだろ。
既婚者子持ちの普通のサラリーマンが、ジャニーズに並ぶのか(笑)
家電はデート前に彼女の家に持って行く事になりました。彼女から住所が送られてきます。
重い家電を担いでその住所に向かいます。ようやく到着。めっちゃ良いマンションです。芸能人感が半端ない。
彼女にラインを入れます。
私「下に着いたよ。」
彼女「了解!待ってて!」
彼女が下に降りて来ます。
彼女「持って来てくれてありがとう!」
彼女は重い家電を私から受け取ります。
・・・あれ?
そして彼女はエレベーターに戻ろうとします。
いやいやいやいや、待て待て待て待て。
私は彼女の背中に向かって、慌てて声をかけます。
私「それ重いだろうから!俺、持って行こうか〜?」
彼女「いや、大丈夫。」
エレベーターのドアが閉まります。
期待したのに結果はコレ。
『マンション下での受け渡し』
ナニコレ(笑)
人生何事も全てが上手くいくわけでもありません。マンション下で一人で苦笑い。
しかし私はこう考えます。
相手のある事、勝率5割。
一人で決められる勝負であれば、努力次第で勝率を限りなく100%に近づける事は可能です。しかし、相手がある勝負事については良くても勝率は5割だと考えます。
つまり、多くの勝ち拾うためには5割の負けを拾う事が必要。それは勝ちと同義で意味ある結果だと。
『負け』それは私にとっては前フリであり勝ちへの『フラグ』です。
とりあえずマンション下まで来た。今回はそれで良しとしましょう。リベンジの機会は次回に。
彼女「お待たせ〜!」
彼女がマンション下に降りて来ました。さて気を取り直して、本日もエスコートいたしましょう。
【後日】
(さて、彼女とはこれからどうすっかな。。)
今日も私は、後輩の家でしゃぶしゃぶ作って、手作りのレモンサワーを作っています。
彼に野菜は取らせてるけど、これだけレモンサワー何杯も飲ませてたら意味無い気がする(笑)
いや・・・『手作りの』レモンサワー?
そういえば、彼女はレモンサワーが大好きです。
手作りのレモンサワー。これ、使えないか?(笑)
私のレモンサワー作りの技術は日に日に向上しています。基本はレモン果汁:シロップ:お酒が1:1:2でマドラーでかき混ぜる。そしてレモンと炭酸水を入れて完成。この分量の微調整でお好みの味に調整します。
彼女はお酒好きでレモンサワーも大好き。さらに新居でバーカウンターを作ろうとしています。
・・・これや。
何事も繋がるもんです。人生に無駄な事はありませんな。
レモンサワー作りのセットを彼女にプレゼント。そして「家、ついて行ってイイですか?」からの、彼女の家でレモンサワーを作ってあげる作戦。
これやッ!
早速作戦を決行します。
今回は焼き肉ディナー。20時のラストオーダーである事がグッドです。お店を出ます。
私「寒いね〜。で、これからどうすっか?どこもお店空いてないし。」
彼女「ね。どうしよっか?」
私「・・・家、ついて行ってイイですか?」
彼女「なに、それ(笑)」
私「このレモンサワーセットでレモンサワー作ったげる。」
彼女「えっ、いいの?飲んでみたい!」
グッド
あっさり作戦成功。勝率を5割に戻す事が出来ました。
エレベーターに乗って彼女の部屋に向かいます。
玄関に入る第一歩。それは私にとっては月への第一歩と同じ価値ある第一歩です。この光景は死ぬまで覚えておこう。
彼女「引っ越し作業の途中で。そこそこ散らかってるからごめんね。」
たしかに。そこそこに散らかっています。
私は早速彼女のキッチンでレモンを切り、グラスを洗い、レモンサワーの準備に取り掛かります。
そして後輩の家で練習したレモンサワーを彼女に作ります。
私&彼女「かんぱ〜い!」
ゴクゴク
彼女「おいしい〜!!」
私「でしょう(笑)」
おかわりを作ります。
気づいたら彼女はそこそこ酔っ払っています。
私「とにかく、めっちゃオシャレな部屋だね。」
彼女「うん。なんかそろそろ、こういうオシャレな部屋にしたくて。」
私「前はオシャレじゃ無かったの?」
彼女「うん。前は実家みたいな。そんな落ち着く部屋にしてたの。」
私「なんで実家みたいにしたかったの?」
彼女「なんだろね。ご飯屋さんも落ち着く家庭的なお店が好きだし、なんかそういうのを求めてたんだろうね。一人が寂しくて。」
そろそろ頃合い。彼女を少し掘り下げてみましょう。
私「どういうきっかけで地元から出てきて今の仕事を選んだの?」
彼女「まあね。色々あるんだけど。。まあ勢いでかな(笑)」
私「それ、すごい『勢い』だね(笑)」
彼女「まあ、色々あってね。。」
・・・
彼女は生まれは地方出身。
親は離婚し母親が再婚。妹が2人。小さいアパートで家族で暮らしている。
今の父親は自分の父親では無い。仲は悪くないけど少し距離はある。妹達とは半分しか血は繋がってないけど、妹達はかわいいし大好き。大事にしてる。
その妹達には夢がある。でも実家の家計は厳しくて妹達の夢を叶える、そのための学校に行かせる教育資金が無い。
一方で自分には特に夢が無い。やりたい仕事も無い。
だったら・・・。
自分が稼いでそれを叶えてあげたい。自分よりも夢がある妹達の人生を優先したい。
そんな気持ちで、学力も資格も無くても稼げるこの仕事に応募した。
初めは忙し過ぎて大変で1年があっという間だった。ほぼ毎日休みなく仕事。しかし、このAV業界で生きていくのは結構大変。長くこの仕事を続けられる人は本当に少ない。なぜなら一通りのジャンルに出尽くしたら『2巡目』のオファーがぐっと減るから。その間に新しい新人はどんどん入ってきて、撮影オファーはその新人の『1巡目』にまわされる。そこで収入もモチベーションも下がってみんな辞めていく。3年以上続く人はほとんどいない。そんな厳しい業界。
『1巡目』が終わって仕事が減った時期に、仕事で頼りにしていた人にも裏切られ、当時付き合ってた彼氏とも別れた。絶望して自殺も考えた。それほど自暴自棄にもなった。その時期は事務所のスタッフに当たってしまって、周りにずいぶん迷惑かけた。
最近はようやく前を向いて仕事が出来るようになったし、前は流されて仕事してるだけだったけど、今は自分で考えて仕事が出来るようになった。ファンの人達に支えられている事もようやく分かった。ようやくプロになれた気がする。
そして妹も行きたかった大学に入学が出来た。妹はお姉ちゃんの私よりちゃんと自立して、しっかりしてる。勉強も頑張ってる。夢に向かって頑張ってる。
今までの私は私生活もだらしが無くて、仕事もプロとしての自覚は無かったけど、これからは仕事も私生活もちゃんとする。仕事も積極的に入れて、家事も自炊もちゃんとする。そんな自立した人間になりたい。そんなのもあって心機一転、引っ越しした。
・・・
自分よりも夢がある妹達の人生を優先したい。
自己犠牲の精神を持っている人間は周りから利用されがちである。若い女性ならなおさら。おそらく彼女もそうだったのだろう。それが分かって一旦は病んで絶望した。
しかし彼女が偉いのは、そこから擦れた立ち直り方ではなくて、真っ直ぐな立ち直り方をしたところだと思う。大人になれた事だと思う。
辛い経験から、さすがに最近は人に対して昔より色々慎重になったとは言ってた。
しかし彼女、私を家に上げています。結構なリスクを犯しているとも言えます。
ただ今回の話を聞いて、それを直接言われた訳では無いですが、なんとなく理由が分かりました。
それは、
『彼女は私に100%気を許しているから』
ではありません。残念ながら。
ではなぜ私が家に上がれたかと言うと。私は以前、
「もし万が一、俺との付き合いでトラブルがあれば、事務所から俺を訴えてもいいから。」
と言って、私が自分の免許証、社員証、名刺を写真で撮って彼女に送ったからです。
私は全てをお金で解決出来るほど金持ちではありません。お金が不足する分は、身を削りリスクを取り勇気を出して補います。
そうです。彼女は『私が身を削った分』を、自分も身を削って返してくれたのです。だから、家に上げたんです。
今回の件、私はそう理解しました。
レモンサワーも3杯目。ちなみ彼女は前日にファン向けのイベントがあった影響で、少々疲れ気味で眠たそう。
疲れた彼女を強引に押し倒して、彼女の新居の新しい布団を私の汗で汚す。リスク返しをしてくれた彼女にそんな事が出来るわけがありません。
今日は大人しく帰りましょう。
私「今日は早く寝なよ。」
彼女「うん。すぐ寝れそう。ありがとう!」
リスク返しで家上げただけなのに「ありがとう!」って。私の微かな罪悪感をも消そうとしてくれる彼女。
彼女の家のドアを閉めてマンションを出ます。そして真っ暗な路上でタバコに火をつけて煙を吸い込みます。
・・・
彼女、料理が苦手です。なのでそもそも調理道具がほとんどありません。
外食もいいけど、今度は土鍋とコンロ買って鍋作って〆の雑炊して。翌朝分の雑炊を残してお茶碗に入れてラップして、それを冷蔵庫に入れて帰りますか。
もちろん、やらずに。
次は家電じゃなくて、『鍋』買いますね。
って。
彼女は今回、気を使って家に上げてくれただけ。それを分かってるはずなのに俺、
もう家に上がろうとしてるやん(笑)
『理性』と『欲』って、どこでどう繋がってるのかね。
とにかく今回の件、その後輩、そして彼女。双方の話を聞いた事から私の心の距離は確実に近くなりました。
もし彼女から何か助けを求められたら、大金は払えなくても出来る限りの援助はするでしょう。お金が足りない場合は出来る事を考えて、時間をかけたり体を張ったり労力かけたり、自分で出来る助けは必ずするでしょう。また、お金の助けを求められた時に十分な支援が出来るよう仕事を頑張ろうとも思います。
つまり、今回のコラムでパパ活女子達に何が言いたいかって言うと・・
『ちょっと深い身の上話をするだけで、オッサンの心はグッと掴める。つまり思った以上にチョロいよ!』って事!
ご参考あれ。