恋愛ワクチン 第三十九話 日帰り温泉デート

台風19号のの影響で、今日は会社を休みにした。
(追記:台風で被災された方お見舞い申し上げます。一日も早い復旧を祈念いたします)

一日暇が出来てしまった。

先回のコラムで、Uさんという方から「コラム続けてください」と励ましのコメント頂いたことだし、ちょっと一本書いてみようと思い立った。

こんな台風の日でも、呼べば必ず来てくれるだろう娘がいる。

沙紀ちゃんだ。

彼女のエピソードは、あちこちで断片的に書いたが、そういえばコラム記事としてはまだまとめていない。

Uさんに「女の子との旅行の話がいいです」とリクエストを受けたので、沙紀ちゃんと最近、旅行した話を書いてみよう。

一周年記念の旅行である。

何の一周年かというと、処女喪失から一年。

沙紀ちゃんは、ウィンさんからの紹介だ。

アプリで「初めてを貰ってくださる方、募集します」とあったので、ウィンさんが「僕の友人を紹介したいです」と口説いてセッティングしてくれた。

沙紀ちゃんは、二十代後半のOLさん。

「貰ってくれるだけでいいです。お金はいりません。その代わり、自分で相手を選びたくて、他の方とも会う予定です。お返事待っていただいていいでしょうか?」

謙虚で真面目だ。

地味ではあるが、マックさんの目には美人に映る。

と、ここまで書いて、いかん、この調子で書いていくと、また長編小説になってしまう、と気が付いた。

温泉旅行まで話がなかなか辿り着かない。

私の悪い癖だ。

端折ることにしよう。

三か月後、沙紀ちゃんはクリスマスパーティーに呼ばれていた。

マックさんに声をかけられて、集まった6~7人の女の子たちが、興味津々ベッドを囲んで眺めている。

ウィンさんも、まだ大人の関係には至っていない、お食事デートのお気に入りの子を抱き寄せて、ご機嫌な様子でこちらを見ている。

ベッドの上で、マックさんは沙紀ちゃんとセックスしている。

沙紀ちゃん、あまり回数多くイクので、いったい何回いくのかみんなで数えてみよう、と話が盛り上がって企画したのだった。

マックさんが腰を振ってピストン運動を繰り返すと、10秒か15秒のうちに、沙紀ちゃんは腰をのけぞらして、「ああっ、あー」と声をあげる。

そして崩れるように、いく。

それをウィンさんが見届けて、回数を数える。

その日は69回まで数えた。

パーティーだし、サンタの仮装をして街に繰り出して遊んだりもしたいので、とりあえず中断したが、沙紀ちゃんを見る女の子たちは羨望のまなざしだ。

「すごいね、沙紀ちゃん。どんな感じになるの?」

「瞬間、頭が真っ白くなって、本当に飛ぶって感じです」

「いいなあ、私もあんな風にいってみたい」

思えば、これは第一ステージだった。

沙紀ちゃんとは、その後も週一、多い時は週二回、いや三回会うこともあった。

一人暮らしなので、毎回お泊りだ。夜と朝の二回セックスする。

これだけ会うと、普通は飽きるが、沙紀ちゃんの反応の変化が興味深くて止められない。

耳を触るだけで「うっ」と言ってイクようになってきた。

どこまで進化するんだろう?

第二ステージは、挿入してピストンしている最中、いきっぱなしという状態で、ときどき正気というか、「ふうっ」と言って、意識が戻ってくる。

いく回数はもはや数えられない。

戻ってくる回数なら数えられるけど。

終わった後は、10分くらい、断続的な痙攣が続く。

さらに数か月後。マックさんは久しぶりにおもちゃに凝っていた。

ウーマナイザーという、クリトリスを吸引刺激するおもちゃを使って、沙紀ちゃんを首輪と手錠で緊縛して責めていたら、沙紀ちゃん突然、第三ステージに突入した。

「もうだめ、ああっ」と言って、そのあといつものようにのけぞって、いってしまったのだが、ちょっと様子が違う。

目は開いているが、まるで焦点が合っていない。

呼びかけても、まったく応答がない。大丈夫か?

しばらくしたら、雲の上に昇ったような優しい笑顔で、「パピプペポポヨ、ピぺポぺパパパ」みたいな、意味不明の言語をしゃべりだした。

宇宙との交信みたいだ。

あとで聞いてもまったく覚えていなかった。

なんでも聴覚・視覚など、全ての感覚が、後頭部に集中する感じになるのだそうだ。

長くなったが、「←今ここ」である。

Uさんのリクエストで、沙紀ちゃんと、日帰り温泉旅行をした話を書きたいのだが、なかなか出発できない。

でも、ここまでに至る経緯を書いておかないと、一周年記念の感慨が伝わらない。

「沙紀ちゃんって・・まだ僕と出会ってから一年しか経ってないんだっけ?」

「出会ってからというか、初めてを貰っていただいてから、まだ一年ですよ(笑)」

「沙紀ちゃんにとっては本当に激動の一年だったなあ・・感慨深いから、記念に一緒に日帰りで温泉にでも行こうか?」

「本当ですか?嬉しいです!」

それで、新幹線に乗って、さらに在来線を乗り次いで、ひなびた温泉地にやってきた。

平日のお昼なので、お客はまばらだ。

駅は無人駅だし、初めての宿で心配だったが、意外と新しく小ぎれいな造りである。

聞けば、数年前に災害で全壊したので建て直したばかりらしい。

露天風呂付の部屋をデイユースで借りた。

部屋に入って、まず浴衣に着替える。

着替えの際は、お互い裸になるので、ついつい触り合って、そのままベッドに倒れたくなる。

というか、沙紀ちゃんはしたくて堪らないので、しがみついてくるが、今日は時間はたっぷりある。

じらすのもセックスの内だ。

抱き合ってキスした後、おとなしく浴衣に着替えて、仲良く手をつないで、離れたところにある大浴場へと向かう。

新婚さんみたいでいいなあ。

沙紀ちゃんは、過去に彼氏がいない。

だから、こういう旅行も、私とが初めてだ。

いろんな初めてを頂いてしまった。

大浴場には誰もいなかった。

女風呂はすぐ隣なので、呼べば聞こえるかもしれないが、向こうには誰かほかのお客さんがいるかもしれないので我慢する。

風呂から上がると、昼食の準備が整っていた。

お手頃なミニ懐石。

窓からは、渓流の眺めがよい。

その向こうは、山の緑が美しい。

そのあと、部屋で夕方までしっかりセックスして沙紀ちゃんをさらに耕し、その後、タクシーを呼んで新幹線の駅まで送ってもらった。

行きは在来線でのんびりと、帰りはタクシーでさっさと移動。

この辺の旅行のコツは、年の甲である。

タクシーの中で、沙紀ちゃん、頭をマックさんの方にもたせかけながら、幸せそうだ。

もちろんマックさんも心地よい。

思えば、沙紀ちゃんと、こういう風にまともなデートしたこと無かったなあ。

処女を開通させて、感度が良さそうなので、この一年間、夢中になって開発してきた。

いろんなプレイをした。

体中に水性マジックで卑猥なことを書きこんで写真撮ったり、拘束したままクリトリスの愛撫を続けて、

「生中出しでしてくださいと言わないと、挿れてあげないよ」

とじらして、

「お願いです、生中出し用の使い捨てオナホになりますから、どうか挿れてください」

と言わせたりもした。

それ以来、沙紀ちゃんとだけは、毎回生でしている。

危険日は外出し。

他の子は必ずゴム付けるけど、沙紀ちゃんだけは別格、そう言うと、沙紀ちゃん、またそれで興奮するようなので。

私が生が好きなのではなく、さらに開発するためのプレイの一環である。

温泉旅行からの帰りのタクシーの中で、私にすり寄って、幸せそうに眼を閉じて、沙紀ちゃん、ふと呟いた。

「私たち、一線を越えちゃいましたね・・」

一線・・

処女犯されても、あれだけ開発されても、生で中出しされても、「一線」では無かったということか?

「一線」って、日帰り温泉旅行だったの?

え、これそんなに重要なイベント??

あれだけ過激なセックスよりも、まったりした、平凡な日帰り温泉旅行のほうが、沙紀ちゃんには重要な意味があるということだったみたいです。

気が付かなかった・・

沙紀ちゃん、謙虚だから、ほかの娘と遊ぶのは止めてとは言わない。

ただ、前みたいに、他の女の子たちと複数でというのには、誘っても参加しなくなった。

恥じらいが生じたのかと思っていたけど、実は淋しくなるからなのかもしれない。

今日は台風で私の会社は休み。沙紀ちゃんの会社はどうだろう?

休みであれば、呼べば間違いなく来る。

嬉しそうな笑顔で。

コラムの原稿も書き上がったし、これからラインしてみよう。
 

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