恋愛ワクチン 第二十六話 シンデレラ物語

シンデレラ(Cinderella)という語は、cinder(
灰をかぶって仕事をしていた少女Ellaの物語。
しかし灰といえばashだ。
cinderというのは聞き慣れない
調べてみると、
Cinder. A small piece of burnt coal./wood that could still go on fire
Ash… Powdery substance left after burning something
とあった。
Cinderは灰というより燃えかすって感じですね。
燃えかすエ
湯葉は絵理へのラインの返事を確認した。
もう何度目だろう。
三日たっても既読にならない。
また会おうねと笑顔で別れたはずな
何か事情があってラインを閉じたのだろう。
パパ活ではよくあるこ
一か月ほどして、ユニバースの下請けというかスカウトをやっている東
「そういえば絵理ちゃん、急に連絡無くなっちゃったけど、東
「それなんですよ、湯葉さん聞いてくださいよ。絵理のやつ、
「そうなの」
「あいつ、顔可愛いから、オファーいくつか付いたんです。その中
「それは良かったね」
湯葉は本心からそう思った。
ここは湯葉の性格の良さで、女の子に
自分より良い条件を提示するパパが現れたときには、自分のことの
「そこまでは良かったんですけど、あいつ、これまで僕に渡してた
東田は、女の子から使用済み下着をネットオークションに出品して
絵理はパパ活の経験が無かった。
どうしてもお金が必要で、東田が
しかし下着のお金では足らず、東田に口説かれてパパ活を始めた。
それで湯葉は東田から絵理を紹介してもらったという流れだ。
「燃やせって言ったって、下着は元々あいつのじゃなくて、僕が絵
「そうなの・・まあ、絵理ちゃんの気持ちも解らなくはないけど、
絵理は、良いパパに巡り合えたので、下着売りや、パパ活の過去を
気持ちは解る。
しかし、東田の身になってみれば、シンデレラが王子様と出会うき
もっと感謝してくれたっていいじ
ユニバースのコンシェルジェスタッフの人たちも、きっと似た経験して
まるで後ろ足で砂をかけて、汚いものを隠すように去っていくシン
シンデレラに罪はないが、砂をかけられる側の気持ちも思いやって
絵理の話はそこまでにして、東田と湯葉は、奈菜という女の子の話
奈菜は、湯葉の友人の倉部が、アプリで発見した子だ。
例によって
「奈菜ちゃんどう?美人でしょ?」
「美人!っていうか、あの子こんな地方都市にいるべき子じゃ
「そうだよね。東京行かせてあげたいよね」
「本人その気はないんですか?」
「ブラジルとのハーフじゃん。お父さんいないし、小学校や中学校
「もったいない。せめてユニバースにデビューはさせられないですかね
「アプリもすぐにやめちゃったしね。本人、自分を認めてくれる人
「事務かあ。もったいない。職場じゃ目立つだろうなあ」
「小さなところで、ちょっとだけ綺麗に咲いてる花であれば満足な
「湯葉さん、なんとか口説いてみてくださいよ。実にもったいない
絵理で砂を噛む思いをした話の後で、また次のシンデレラを送り出
東田も懲りないが、湯葉も、奈菜がシンデレラになってしまえば、
東田と付き合ううちに感化されてしまった節もある。
まだ売れていないアイドルの追っかけをして、CDをたくさん買っ
これもまた一つのパパ活。