シュガーダディー女子と合コンの巻 寿司屋編

ミカちゃんを見定めるという使命

予約した寿司屋は少し変わっていてマンションの1室にある。

カウンター席にテーブル席、そして個室。

部屋の間仕切りを取っ払って席を作っているので友人のマンションを訪れたような錯覚に陥る。

元々マンションの1室だから大きな窓があり開放感もある。

いわゆる高級寿司屋の佇まいとは異なり、ちょっと不思議な店内だ。

さりげなく?飾られた色紙や絵画は大将お気に入りの画家の作品で、油絵だけれども日本画風で店の雰囲気によくマッチしている。

時間丁度にミカちゃんのお友達であるナナ姫も登場して個室に案内された。

簡単な自己紹介の後、まずはビールで乾杯のところミカちゃんもナナ姫も「ビールだけは苦手なんです」とおっしゃるのでシャンパンを注文。

ここで本日のお勘定について頭を廻すべきだったけど、ジョーランキング1位と2位の美女二人のお願いを断ることはとてもできない。

それにしてもどうして寿司屋にドンペリが置いてあるわけ?と思う間も無く大将こだわりの美しいシャンパングラスとドンペリ登場。

オサム君が景気よく栓を抜き、みんなにサーブ。

そして乾杯。

シャンパンの泡が緊張を解し、舌をなめらかにしてくれる。

だからと言っていつものように饒舌になったりはしない。

美人を前にボロを出さないようにしなくちゃあね。

今夜はミカちゃんを見定めるという使命もあるから酔っ払わないようにシャンパンもゆっくり飲むジョー。

するとオサム君がすかさず

「ジョーさん、今日は大人しいんですね。猫かぶってるんですか?」


と茶々を入れてくるが、うまく言い返せない。
 

心の中で、「ジジイ殺し姉妹」と名付けた。

沈黙というわけではないけれど、最初は盛り上がりに欠ける雰囲気だった。

そんな雰囲気を察知してミカちゃんが話の口火を切る。

ミカちゃんは高校時代からモデルとして活躍し、ナナ姫は同じ高校の後輩で、彼女をこの業界に紹介したのはミカちゃんだという。

ジョーなどは「モデル」というだけで腰が引けてしまうが、当然ながらモデルって言ってもピンからキリまであり、新陳代謝が激しく、常に厳しい競争下にあるらしい。

ミカちゃんもナナ姫もデビュー当時はグラビアを飾ったが、その後は2人とも企業のイメージモデルとして活躍している。

二人とも

「トップモデルじゃないけど、長くやってる方ですね」

だという。

ミカちゃんによれば、デビュー当時の仲間でモデルを続けているのはほんの一握りだそうで、基本代わりのモデルはいくらでもいるので、年齢に応じた魅力をアピールし、何より役員受けがよくないといけないとい
う。

そのため外見的な美しさもさることながら、立ち振る舞いの美しさがより求められる。

オファーが途切れることなく、モデル業を継続できているのはこの美しさに寄るところが大きいと感じた。

これはオサム君からの事前情報なのだけど、ミカちゃんは役員クラスには特に評判が良くて業界では「ジジイ殺しのミカ」というあだ名があるらしい。

色んな殺し方をしてきたんだろうなぁと思わせるミカちゃんだった。

ブランド名には詳しくないジョーであるけれど、身に付けているもの全てが高価なものであることぐらいは分かる。ナナ姫もまた然りだ。

ジョーは心の中で、「ジジイ殺し姉妹」と名付けた。

ただミカちゃんもナナ姫もジョーがイメージする「モデル」とは異なり、お高くとまっている感じはなくて時々まじる京都弁が(二人とも京都出身)魅力的だ。容姿や雰囲気の美しさだけでなく気さくな話し方が二人の美点だとジョーは思った。
 

肩書きと人間性って必ずしも一致ない

ミカちゃんの話がひとしきり終わった頃、お刺身の盛り合わせが美しいターコーズブールーの九谷焼で運ばれてきた。

歓声を上げる女性陣。

この店は味もさることながら見た目の美しさが売りだ。いわゆる超高級寿司屋ではこんな風に大皿で料理が供されることはあまりない。

大皿で刺身が供される場合食べるのにタイムラグがあるから刺身が乾き、味は落ちるのだろう。

しかしジョーの舌はその差を見分けるほど洗練されていないし、大皿で供されることで銀座の半額になるのなら当然?そちらの方がいい。

ジョーの場合、寿司屋で 30,000 円を超えるとどんな美味しい寿司でも値段の方が買ってしまう。

その点ここは特殊な飲み方をしなければ酒代を入れても 20,000 円前後なので支払いの心配をすることなく料理を楽しむことができる

(結論から書けばこの日は特殊な飲み方をしたようです。お会計は銀座に迫るものでした。しかも4人分の支払いだし。トホホ)。

お刺身が提供されたあたりから、急にピッチが上がり、結局開けたのはシャンパン1本にワイン3本。酒量に比例して話の方も盛り上がった。

色々な話の中で好みの異性のタイプという話題になった。

「容姿はあんまり重要じゃないですね」
とナナ姫(さすがにジョーでもこの言葉は真に受けません)。ミカちゃんも相槌を打つ。

オサム君はハンサムとは言えないかもしれないけれど、容姿には気を使っているし、自信もあるからミカちゃんの発言に顔色が曇る。

「私たち、10 代の頃から社会的地位の高い方と接しているから、肩書きと人間性って必ずしも一致ないことは痛感させられてきました」
とミカちゃん。その言葉をナナ姫も引き継ぐ。

「むしろ、偉い人ほど、必要以上に威張っていたり、横柄な態度を取る傾向がありますよ。もちろん例外も少なくないですけど」

「で結局、二人にとって重要なポイントは何なの?」
とジョーが尋ねると


「仕事熱心だけどこか可愛げのあるチャーミングな男性が好きですね、そして年収 3,000 万以上」。


おいおい、結局そういうオチかい!

とにかくよく飲み、よく食べ、よく話した。楽しい、楽しい時間だったことは間違いない。
 

途中から全く記憶が飛んでいる。

しかしジョーのもう一つのミッションであるミカちゃんについては「金がかかる」という以外にわかったことはない。

オサム君がトイレに行ったとき、

「よく知っていると思うけど、オサム君は男性から見ておチャーミングな男だし、年収もご希望をクリアーしているはずだよ」

とつぶやいてみた。

「お友達であるジョーさんがそう言うのなら説得力ありますね。でも年収はともかくチャーミング度は私にはまだわかりません」

とミカちゃんは受け流す。

オサム君が席に帰ってきたので、この話はこれ以上広がらなかったけれど、オサム君もイバラの道を歩んでいるのはよく分かった。

まあまあの時間になったので、これで解散かと思ったけれど、オサム君が

「もう一軒行こう!」

と号令?掛けたので、タクシーで麻布十番のカラオケ屋に向かった。

ジョー以外はマイクを握ると離さないタイプで日付が変わるまで歌い続ける。

ジョーも下手な歌を2曲ほどが歌ったことは覚えているが、途中から全く記憶が飛んでいる。

記憶が戻ったのは朝方宿泊先のホテルで。どうやって帰ってきたかそしてどうやって部屋に入り、服をハンガーにかけ、バスローブを身にまとったか全く覚えていない。


携帯を確認すると、オサム君からの着信と数件のラインメッセージ。


オサム君、ミカちゃん、ナナ姫からだ。ミカちゃんとナナ姫といつライン交換したかも記憶にない。


さらに驚いたのはナナ姫からの次のメッセージだ。



ジョーさん、今日はごちそうさまでした。初対面だと思えなくらいとっても楽しかったです。すごく酔っ払っていたみたいだけど、ホテルへはちゃんと帰れましたか?次回は沖縄ですね。またお目にかかれるのを
楽しみにしています




うむ?沖縄って、どういうこと?酔っ払って部分的な記憶が飛ぶことがあるジョーだが、

全く覚えていないのは初めてもしれない。

オサム君やミカちゃんのメーッセージを確認すると次回はみんなで沖縄に行くことになったらしい。

というわけで(どういうわけだ?)シュガーダディー女子と合コンは沖縄編をお届けします。



ジョー・ルビコン

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