海外出稼ぎの夜職女子は本当に稼いでいるの?国内外の夜遊び事情について聞いてみた(元キャバ嬢ライター・カワノアユミさんインタビュー)
カワノアユミさん
女性が男性と食事やデートをして、その対価としてお金をもらうパパ活。元々は港区女子を中心に始まった言葉ですが、昨今はパパ活絡みの事件も増加し、社会問題化されています。
そんないま、Twitterなどで募集しているのを見かける海外のパパ活案件をご存知でしょうか。アメリカ、ドバイ、香港などでパパ活をすると日本よりも高額の報酬がもらえるといいます。
海外パパ活案件とはどのようなものなのでしょうか? 今回は、アジアの日本人キャバクラで働いた経験を持つライターのカワノアユミさんに、海外と日本のパパ活や夜の店の情報を聞いてみました。
パパ活の海外出稼ぎとは?
ー少し前から、Twitterなどで日本人女性のパパ活の出稼ぎ案件をよく見かけます。
ー私が知人に聞いた話では中東で1ヶ月200万円ほど稼げると聞きますが、これについてカワノさんはどう考えますか?
カワノアユミさん(以下、カワノ):海外パパ活案件は一見、オイシイ案件に見えるかもしれませんが、実際は日本でいう店舗型のソープや出張型のデリヘルなど、海外風俗であるケースが多いです。
元セクシー女優などの肩書きがないとそこまで稼げないですし、就労ビザは下りないので現地で入国検査で引っかかるなどのリスクもあります。昨年10月には、香港で日本人の元セクシー女優が売春容疑で逮捕されています。
他には、個人案件といってブローカーが海外の富裕層男性に女性を紹介するものがあります。大体、一晩〜3日ほどの日程でデートしたりホテルに行くもので、日本のパパ活と同じです。
海外のパパ活案件はわりと前からありました。私が聞いたのは2014年のタイ。元々、日本でスカウトマンをしていた男が、日本から旅行で来るキャバクラ嬢を現地の富裕層のタイ人に紹介していました。
タイに観光で来るキャバ嬢をゴーゴーボーイなど夜の街に案内し、散財させて金欠に陥ったところにパパ活を持ちかけるんです。キャバクラ嬢からアテンド料も取れるし、富裕層タイ人から紹介料ももらえるので一石二鳥です。
また、同じ頃からマカオの風俗に日本のAV女優が出稼ぎに行く案件がありました。日本のAV女優は中国人に人気なので、2週間で200万円ほど稼げたそうです。 いまの海外パパ活の案件はその頃に比べると相場が下がっているという印象を受けます。
海外で日本人女性の給料は下がっている?
ー海外の水商売や風俗で日本人の価値は高いのかと思っていました。昔に比べて下がっているとはどういうことでしょうか。
カワノ:身を持って経験したことですが、私が初めて香港のキャバクラで働いた2000年代初頭、日本人キャバクラの日給は3万円でした。しかし、2016年にふたたび香港のキャバクラで働くと月収28万円と1/3程度に下がっていたんです。
一方、値段が高かったのは韓国クラブ。こちらは連れ出しありのキャバクラですが、料金はお客さんが席に座るだけで3万円と銀座の高級クラブ並でした。
その次に高かったのは中国人の連れ出しキャバクラ「夜総会」。こちらは座るだけで1時間、約1万5000円でした。
日本人キャバクラは1時間、約7000円と香港のフィリピンパブとほぼ同じ料金でした。海外案件は円安のうちはオイシイように見えるかもしれませんが、今後、日本人女性の報酬はさらに下がる可能性があると思います。
タイの夜遊びは、もはや日本よりも高い
ーいまは円安の影響もあり、海外パパ活に誘致しやすいということなのでしょうか。その一方で、海外の夜遊びはインフレ傾向にあると聞きます。
カワノ:円安も関係しているのですが、特に日本人に人気のタイの夜遊びはコロナの少し前から値上がりした印象を受けます。
ステージの上で踊っている女性を連れ出せるゴーゴーバーは、連れ出し料はコロナ前に比べて4000円〜8000円ほど値上がりしました。
バンコクのナナプラザやソイ・カウボーイなどの人気の店となると、2時間のショートコースで約1万5千円、一晩のロングコースでは2万7千円〜3万円となっています。
他にも店に支払う連れ出し代と飲み代が5000円ほどかかるので、トータルで考えると日本の風俗のほうが全然、安いです。
タイで安く遊びたいのであれば、援交カフェはショートで約1万1千円、ローカルエリアの立ちんぼは4000円ほど。交渉が必要なので初めての旅行者にとってはハードルが高いと感じるかもしれません。
夜遊びをするのならいまは日本が1番?
十数年前まで安い印象だったタイの夜遊びは、いまでは気軽に遊べなくなっているといいます。そのため、タイで夜遊びをする日本人旅行者は減ってきているそうですね。
カワノ:女の子と遊ぶなら、いまは日本が1番コスパが高いと思います。日本ならマッチングアプリでパパ活をすれば2万円ほどで素人の子と出会えるし、1万円以下の風俗店もたくさんあります。
ひと昔前は性風俗店しかなかったのが、数年前からパパ活を窓口に普通の女性が体を売るようになり、母数が増えたことでパパ活をはじめた個人売春や風俗全体の相場が下落したんです。新宿の大久保公園や大阪梅田の立ちんぼの相場は1万2千円〜2万円ほどになっています。
ー今後、日本の風俗やパパ活事情はどうなっていくと思いますか?
カワノ:コロナ前は飛田新地などに中国人観光客が押し寄せてましたが、これからはYou Tubeで日本の現状を見た外国人がパパ活女子や立ちんぼ求めて訪日してくるようになるかもしれません。
インバウンド需要が高まったら、インフレが起こります。実際に、一時は相場が下がった大久保公園の立ちんぼはYouTuberが訪れるようになってから値上げしつつあるという話を聞きますね。
まとめ
海外のパパ活は入国審査が厳しくなっていて、病気の心配など様々なリスクがあります。パパ活を安全に行う上でSNSでの言葉巧みな勧誘に騙されないよう、十分に注意しましょう。