恋愛ワクチン 第三十一話 妄想

マックさんはNovemberさんとのデートを数日後に控えている。

ブルネットの長い髪。

灰色の瞳。

ハーフの美人だ。

「同世代の男の子からは見向きもされなかった」とのことだが、さもありなんと思う。

こんな神秘的な瞳を前にして、普通の若い男は声を失うだろう。

しかし、その外見とは裏腹に、ハーフの女性というのは、純日本人以上に日本的なハートを持っていたりするものだ。

繊細でシャイで、しかし同世代の女の子たちと仲良く群れて遊びたい。

普通にキャピキャピしたい。

だから、そういう孤独感を満たして、自分を「普通の日本人の女」として扱ってくれる男性を渇望している。


というのは、マックさんの妄想だ。


なぜ妄想しているかと言うと、デートに備えてのシミュレーションである。

Jasmineさんのときも、レモンさんのときも、マックさんは妄想した。

若い頃なら、その妄想をオカズに2、3本抜けたと思うが、さすがに年だ。

そこまでのエネルギーはないが、予習はする。

事業で例えるなら戦略またはスキームの構築である。


まずは、新幹線出口でNovemberさんをお迎えしよう。

友人のウィンさんが車を出してくれるので、待機してもらって、マックさんが一人で行く。

Jasmineさんやレモンさんのときと異なり、マックさん一人で行くのは理由がある。

内気なハーフの女性は、相手に受け入れられるかを気にして、常にびくびくしている。

自信が無い。

だから、マックさんが一人で行って、会った瞬間にしっかりと笑顔を見せてあげると、安心するはずだ。

アイコンタクト3秒で心が通うだろう。

難しい話ではない。

相手が見つめてきたら、目をそらさずに微笑む、それだけだ。

マックさんはアイコンタクトに自信がある。

決して男前ではないが、信用されやすい顔立ちだという自負がある。


繰り返すが、決して男前ではない。


Novemberさん、くれぐれも期待はしないでください。

「コラムライターマックさん」のイメージとは懸け離れていると思う。

ギャップに萌えてください(汗)。


次いでウィンさんの車に乗せてもらう。

Jasmineさんと座った後部座席である。

Jasmineさんには、初対面から挿入までの最短時間のギネス記録に協力してもらったが、Novemberさんとは、肩に手を回してスキンシップを取るところから始めようと思う。

これには理由がある。

Jasmineさんのように、若い頃から口説かれ続けてきた女性は、火を付けやすい。

Novemberさんは、時間をかけなければ、心からリラックス出来ないタイプのような気がする。

火を付けにくい。

ちなみにレモンさんの時は、楽しいことが大好き♪そうな気がしたので、ウケ狙いでリアルジャスミンさんを連れて行った。

マックさんなりに色々考えている。


さて、その後だが、目下の妄想としては、ウィンさんと別れて、マジックミラー号(もどき)に乗り換えようと思う。

ただし、レモンさんのように繁華街でのプレイが目的ではない。

静かな公園に停めて、ちょうどベンチで恋人同士が仲良くするように、荷物室のソファで寄り添って語り合おうと思う。

ハーフの容姿がコンプレックスだった学生時代の思い出話から、初めて絶頂を教えてくれた彼の話まで、いろいろ話してもらって、マックさんは一つ一つに、そうだったの、大変だったね、それは良かったね、と合い槌を打つ。

長い髪の毛を撫でながら、一時間ほどこれを続ければ、心はさらに近付くだろう。

Novemberさんは「受け入れられている」と感じて安心する。

だんだん火が付きやすくなる。

レストランでお食事しながらだと、当たり障りのない話題しか振れないし、物理的な距離もあって心が近付かない。

かえって緊張してしまうかもしれない。


今、書きながら思い付いたが、ワインとチーズを荷物室に用意しておくのもいい。

うん、そうしようかな。

ピクニック気分だ。


話は変わるが、昨日、アナグマの肉が届いた。

マックさんが、アナグマの肉は美味という記事を読んで、これはまだ食べたことが無いと、衝動買いのクリックを押したからだ。

よく確認して買わなかったので、見事に一頭、四肢つきの冷凍品が届いてしまった。

近所のレストランに預かってもらって解凍・解体中である。

これを調理してもらって、あとはバケットとチーズがあれば、グルメで楽しい夕食になる。

マックさんはマジックミラー号(もどき)を運転するので、ワインを飲めないが、赤ワインは女性をその気にさせる効果があると聞く。

ワインやチーズと同じく、Novemberさんを熟成させよう。

ほどよく出来上がってくれば、女性は、自分から抱き付いてくるとか、何かのサインがあるはずだ。

マジックミラー号(もどき)の中では、この熟成が出来る。

外の公園の景色を見ながら、しかし誰の目も気にすることも無い。

そのあと、駐車場に戻って、車を降りて、近所のラブホテルまでは、歩いて行こう。

タクシーを拾う距離ではない。

のんびり歩いて10分ほどだろうか。

手を繋いで恋人気分を味わうのもいい。

手を繋いでラブホまで歩くなんて、まるで高校生のカップルじゃないか。


楽しそう♪


二人とも独身だ、遠慮するものなど何も無い。

ホテルに入ってからのプレイは未定である。

これまた妄想だが、それまでの焦らしが長ければ長いほど、濃いエッチになるような気がする。

一応首輪とロープは持っていこう。

やったこと無いけど、赤ワインを浴槽に開けて、ワイン風呂にしたら楽しいかな?



ところで、ジョーさんが新記事をUPしたが、コメント欄が閉じている。

淋しい・・

私のコメント欄は開かれているので、お待ちしています。

まるでG20前の韓国の社交辞令のようだが、こちらは本音である。

何か足跡残してってくださいよー。

別にジョーさんを乱交オフ会に巻き込もうって訳じゃないですから(汗)。

これからもお互いリアルな顔が判らないコラムライター仲間として、良い関係続けさせてください。

よろしくですm(_ _)m
 

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