恋愛ワクチン 第四十六話 プラトニックセックス

ジョーさんとの復活しりとりコラム、「ぷ」を頂いた。

「ぷ」から始まる語といえば・・「プラチナ」・・いやいや、プラチナはマックさんにとって鬼門である。

ユニバースに入って最初のデートが、支店の親分肌の女性スタッフお勧めのプラチナ女性で、見事に玉砕した。

悪いのはマックさんの方だ。

会って挨拶もそこそこに、

「お部屋に行きましょうか、それとも、ラウンジでお茶でもしながら軽くお話ししましょうか?」

と切り出したからだ。

とにかく、プラチナにはトラウマが出来てしまった。

意外とブラック女性とは相性が良いのだ。

一番安心なのは、ゴールドのCかDだけど。


「ぷ」


プラトニックラブ・・そうだ、プラトニックセックスという言葉があった。

洒落てるし、これにしよう。

「プラトニックセックスで書きます」

そう宣言した。

飯島愛の自伝の表題である。

プラトニックラブは、肉体関係を伴わない精神的な男女の愛を言う。

ユニバース倶楽部のタイプでいえばA女性である。

ということは、対極としてのプラトニックセックスはD女性ということになる。

マックさんの経験からは、Dの女性と言うのはむしろ、プロ感・スレ感が無い。

これは逆説的でちょっと信じがたい方もいるかもしれないが、むしろ一部のBやC女性の方がよほど計算高いと思う。


あと、Dの女性はあまり会話が上手では無い子が多い。

会話が得意でない分、ベッドでご奉仕しますみたいな女の子が多いのであって、不器用なぶん純朴でもある。

タイプD女性、経験したこと無い方、一度試してみてください。

多分、予想(思い込み)と違うと思います。


そんなD女性の一人に、「プラトニックセックス」についてどう考えるか聞いてみた。

20才の大学3年生である。

「プラトニック?何か聞いたことあるなあ、何だっけ?」

早速スマホで調べようとする。

「プラトニックラブって言うでしょ?それをもじった言葉だよ。」

「その、プラトニックラブが、私わからない・・」

「え、知らないの?」

「聞いたことあるような気がするけど・・プラトンってギリシャの哲学者?それは知ってるけど」

プラトニックセックスどころか、プラトニックラブさえ、最近の20才女性にとっては死語のようです。

考えてみれば、プラトニックラブなんて、教科書に出てくる単語じゃないし、日常で目にすることが無ければ知らなくても不思議じゃない。

飯島愛が亡くなったのは2008年。

20才のこの娘は、まだ9才でした。

この子、頭は悪くないです。

TOEICは900点台。

10年後には、「パパ活?なにそれ?」っていう、「パパ活」という単語を知らない交際娘が出てくるんでしょう。

男女の営みは変わらず、昔から似たようなこと繰り返しているんですが、それを形容する言葉は現れては消えていきます。

プラトニックセックスのお話はここまでなんですが、これだけだと短いんで、最近経験した小話を書き加えます。

ひとつは、友人のウィンさんに誘われて、夜、女の子二人組とお食事デートしたお話。

ウィンさんがアプリでやりとりしてた女の子から、

「友達と一緒でもいいですか?何なら3Pで」

というオファーがあって、珍しい話だから、よかったら来ませんか?と誘いがあった。

マックさん、その夜は遅くからの待ち合わせのお泊りデートだったので、夕飯だけ同席させていただくことにした。

現れたのは、若いけど今一つさえないぽっちゃり女性が二人。

ユニバで、スタンダードで合格するか微妙なレベル。

性格は明るくて楽しそうな子たちだ。

4人でご飯食べながら、なんで二人で活動してるの?と聞くと、

「安心だからですよ。1人だといろいろ怖いじゃないですか」

なんとなく釈然しなかったが、食事の終わりごろ、女性たちから積極的にアフターの金額提示があって、それを聞いて納得した。

「私たち、二人だから高くつくと警戒してるでしょ?二人で3万でいいですよ」

なるほど。

最近のアプリの相場は下がってて、3から4、時には2でもOKと聞く。

この子たち、1人では多分、なかなかアフターに持ち込めない。

それで、2人セットで3Pはいかが?というビジネスモデルに戦略を変えたのだろう。

3Pの王様気分が、一人分の値段で出来るのなら、食指をそそられる男性もいるに違いない。

実際アフター率は悪くないそうだ。

女の子たちも、変化する。

変化して、適応する者だけが生き残る。

プラトニックセックスが死語になったと、嘆いているだけでは、先に進めないのだ。

マックさんも変化しなければ。


小話もう一つ。

昨年は、女の子3人と女性社員数名を連れて海外旅行に行ったが、女性社員たちが今年もまた行きたいという。

それで、ハーフのカンナちゃん(第33話「ブランク」参照)を連れて行こうと誘ってみた。

とても喜んだ。

勤め先を有給とるから、ぜひ一緒に行きたいとのこと。

「じゃあ、さっそくチケット取るから、パスポートの名前と生年月日教えてくれる?」

「・・・」

しばらくラインの返信が途絶えて、

「ごめんなさい、ちょっと考えさせてください。今日中にはお返事します」

とのこと。

深夜になって、今回は見合わせたい、誘ってくれて嬉しかった、有難う、と返信が来た。

どうしたの?と聞くと、

「カンナって、本名じゃないんです。本当の名前をマックさんに知られるのが嫌なんです」

「身バレが怖いの?」

「それもあるけど、私、ハーフなので、中学高校と苛められてきて、その記憶を消したくて、卒業してからはずっとカンナとして生きてきました。今の友達にも本名明かして無いです。だから、マックさんに本名知られたくないんです」

分らなくは無いような気がする・・

まるきり嘘では無いだろう。

しかし、ひょっとしたら何か別の理由もあるのかもしれない。

それが何かは判らないが、詮索は厳禁だ。

それは彼女が決めた距離感、ファイヤーウォールなのだから。

この互いの距離感の尊重は、交際の関係性を維持するうえで最も大切。

交際女性の基本的人権みたいな事項である。

「わかった、それじゃあ、飛行機の便だけ決めるから、カンナちゃんだけは、自分でチケット買ってくれる?チェックインも別々でいいよ。席が離れるかもしれないけど、それは仕方がない。向こうに着いたら、リンカーンリムジン手配しておくから、それに皆で乗ってホテルまで一緒に楽しもう。滞在中、僕と一緒の部屋だけど、決してカンナちゃんのパスポートを盗み見たりしない。それでどう?」

「それならいいです。嬉しい。本当は私も、とても一緒に行きたかったんです」

あえてお互いの心にも距離感にも、深入りしない関係性に基づいたセックス。

深入りしないと保証することによって安心してもらい、そこに疑似恋愛的な共感を呼び起こす。

これもまた、プラトニックな理性的なセックスではないだろうか?

まあ、もっともこんな言葉遊びはいくらでもできます。

死んだ父親が、悪いことをして言い訳をするマックさんを叩きながら、よく言ってました。

「言い訳をするな、理屈と絆創膏はどこにでもくっつく!」

マックさんきっと、ああ言えばこう言い返す厄介な子供だったんだろうな。
 

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