以前コラムで書いた、ラブドール。そんなラブドールが心を持ってしまうお話し…映画「空気人形」。
Magnolia、気になっていたので、早速レンタルして観てみました。
映画「空気人形」~前半、あらすじ
空気を入れて使用する、性欲処理のための人形…いわゆるラブドールの「のぞみ」。持ち主はレストランで働く独り身男性(板尾創路)。そんな「のぞみ」が、なんの因果か、心を持ってしまい、男が仕事のあいだ、あちこち出歩くようになります。とあるレンタルビデオ店で「のぞみ」は、店員男性に一目惚れ。「のぞみ」は昼間、そのビデオ店でバイトを始めます…。
ラブドールの使いかた
ラブドールとのエッチから、始まるこの映画。
Magnolia的には、ヘェ?って感じで。とくに、ことが終わったあとの、手間が、きちんと描かれています。
お風呂場で、ラブドールのアソコから取り出した、シリコン部位を、丁寧に洗う男。
ああいうのが、性器部分にはまっているのですねぇ。
しかし、洗う姿は悲しいものがあります。
飽きられてしまった「のぞみ」
そんな「のぞみ」に飽きてしまった男。「のぞみ」を押入れの奥にしまい込み、新型ラブドール「のぞみ」にご執心。なぜ「のぞみ」なのかというと、別れた彼女の名前らしい。
過去を引きずる男性の姿
よく言われますけど、引きずってますねぇ…。Magnoliaの過去に付き合った男性も、やはりことごとく引きずられます。そりゃもう、ズルズルと。別れる時に、なかなか素直に同意してもらえることはありません。
残念ながら、女性は別れを決めたら、ほぼ同時に前を向いてるものです。
「のぞみ」登場
そんな男の目の前に、まるで人間のように動ける「のぞみ」は現れ、心を持ってしまったことをカミングアウトします。
そして男を問い詰める「のぞみ」。
そのときの2人の会話が、あまりにも興味深いのです。
これが今回のコラムのテーマです。
のぞみ「あなたは、私のどこが好きなの?『のぞみ』って昔の彼女の名前なんでしょう?」
男「人形に戻ってくれ!」
のぞみ「…なぜ?」
男「そういう面倒臭いのがイヤやから、お前にしたんや!」
のぞみ「…私、面倒臭いの?」
男「いや、いや、お前は面倒臭ない。人間が面倒臭いんや!」
面倒臭い関係とは?
この男にしたら、過去を根掘り葉掘り詮索されたり。好きかどうかを尋ねられたり。いわゆる人間らしい「面倒臭い」やり取り抜きに、気持ち良い思いだけしたい。
自分のいいなりになってくれて、自分にとって都合の良い「のぞみ」であって欲しい。
…もうこれ以上、自分が傷付きたくない。
そんな男性の心理がよく表されてる会話です。
人と人の作りだす感情
男女に限らず、人と人とが交われば、必ず軋轢が生まれます。気持ち良い、楽しい、好き、といった快楽だけでなく、気持ち悪い、つまらない、嫌い、そんな心が傷つく感情とも、ワンセットなのだと、Magnoliaは思います。
恋愛関係になると、それはさらに増幅されます。
大好きになればなるほど、嫌いになったり、腹が立った時の振り幅も大きくなるでしょう?
まさに恋愛って、感情はジェットコースターみたく、上下に激しく振れるものです。
交際との類似性
なかには、そんな「面倒臭い」関係を楽しむかたもいるようですが、大半の交際男性は、この男と似たような気持ちなのではないでしょうか?
ただ違うのは、この男は自分が傷付きたくない気持ち、過去を乗り越えられないところから、「面倒臭い」関係を避けている。
その一方、交際男性は、「金銭面・精神面での余裕」から、リスク回避を計算している。
そして交際女性のほとんどは、「面倒臭い」関係は彼氏専用であります。
「面倒臭い」ことは抜きにして、交際を楽しみましょう。
「面倒臭い」ことは言わないので、お金をくださいね。
…それが交際の立場なはずです。
交際のお手当とは、マックさんの記事などにもありますが、「手切れ金」を分割で都度払いしてるようなもの。
Magnoliaも、これには同意見です。
そして、その根底には、「面倒臭い」を回避する、すなわちリスク回避の思考があります。
「面倒臭い」抜きのはずなのに…
なのに「面倒臭い」ことになるのが、人間です。
少し長くなりそうなので、そんな「面倒臭い」ことになってしまった、そんな顛末を次回はお話しできたら、と思います。
Magnolia