「顔合わせにおけるお手当」問題 その1


これは、ユニバース倶楽部のような交際クラブ・デートクラブの話ではなく、最近、流行りの「パパ活マッチングアプリ」での話である。

現在、マッチングアプリでのパパ活(以下、アプリ・パパ活)においては、連日、「顔合わせの際にお手当なしはありか/なしか」について、激論が交わされている。このコラムをお読みになるような、交際クラブ・デートクラブ利用者あるいは利用者予備軍には、しょぼい話で申し訳ないが、説明しよう。

 

アプリ・パパ活における顔合わせの位置づけ


交際クラブ・デートクラブでは、男女とも入会時に審査がきちんと行われ、審査通過後には様々なルールやマナーについて説明を受ける。そして、出会いはスタッフが仲介してくれ、お互いの交際に関する希望などの情報が、あらかじめ交換される。とても安全な空間である。

 

初回デート代も、最初から設定されている。このようなきちんとした環境下での出会いなら、写真でしか顔を知らない女性との初回デート時に、食事などの実費に加えて、お車代(最低1万円で相手のランクによる)を出すのに躊躇はない。女性は厳選されており、現れた女性が写真やプロフィールと違ったことはほとんどなく、もし何らかの問題があった際は、運営側がアフターフォローをしてくれるからである。
 

 

しかしパパ活マッチングアプリにおける出会いは、こうではない。

素性の知れない男女が集まる、「途上国の国際市場における商談」のようなものである。アプリ登録者の審査はほとんどなく、本人確認ですら緩いため、掘り出し物は確かにあるのだが、不良品、贋物も多い。以前の記事(パパ活とバレンタイン)で「パパ活はカオス」と書いたが、これは主にアプリ・パパ活の話である。

 

パパ活マッチングアプリの運営側のスタンスは「出会いの場を提供するだけ」であり、マッチング後は「個人間で好きにやり取りしてください」と知らん顔である。だから、互いに目的や経験も様々な男女が、マッチング後に個人同士でやり取りして、会う/会わない、会う時はどこでどのように会うかなどを決めていく。

 

ゆえに、アプリ・パパ活における「顔合わせ」は、交際クラブ・デートクラブにおける初回デートとは異なり、先ほどの国際市場の例でいえば、「パンフレットだけじゃなく、現物を見せろ」というものになる。つまり、交際クラブ・デートクラブにおける初デートよりも、面接の要素が強いのだ。
 


 

需給バランスのと顔合わせのお手当の関連


アプリ・パパ活における顔合わせには、需給バランスという問題も加わる。

 

これは交際クラブ・デートクラブでもそうだが、パパ活マッチングアプリも圧倒的な買い手市場であり、売り手(女性)の数が、買い手(男性)をはるかに上回る。実感や各種の情報を総合するに、男性3 対 女性7くらいの比率だろう。

 

「買ってください」「買ってください」とパンフレットが所狭しと並ぶなか、「パンフレットの写真や説明が本当かどうか分からないから現物を見せて」という意味合いの顔合わせに、たとえ1万円くらい(5,000円のケースもある)だとしてもお手当を払うのが釈然としない、という心理状態になるのは理解できる。

 

だから、アプリ・パパ活では「顔合わせはパパ活じゃないからお金は払わない」という男性が一定数いる。「パパ活ではない」というのは、先ほどの例でいえば、商品の現物を見せてもらっただけであり、契約(交際)はしていない、という論法である。

 

ちなみに、僕も最初は当然と思って顔合わせでもお手当を渡していたのだが、写真やプロフィールと全然違う女性に何度も遭遇したり、女性からの「会いたい、顔合わせしたい」オファーが非常に多かったり、中には多くの男性と顔合わせして手当てを稼ぐことが目的(拘束時間が少なくて済むため)と思われる女性に遭遇したりするなかで、何となく「顔合わせでお手当を払うのがばからしい」と思うようになってきている。

 

ちなみに、交際クラブ・デートクラブでの初回デートは、ラウンジや食事から始まるのが一般的だろうが、アプリ・パパ活ではカフェで小一時間ということも多い。なかには、スタバで30分というのすらある。
 


 

女性側の顔合わせに対する意識


このような状況にもかかわらず、「顔合わせでお手当なし」に対する女性からの風当たりは相当に強い。「わざわざ時間を使ってるんだから、お手当なしなんてありえない」という声が圧倒的に主流である。

 

実際に「顔合わせはお手当なしでもいいですか?」と聞いてみたことがある。

すると、「そんな人、初めてです」「それはありえないと思います」などの反応が返ってくる。圧倒的な買い手市場にもかかわらず、女性の多くの意識では、「顔合わせはパパ活であり、お手当をもらって当然」のようである。

 

「全然、会えない」「登録後、誰とも会っていません」などと言う女性が多いのだが、この大きな原因の1つが「顔合わせにお手当がある」からではないかと思う。

 

もちろん、なかには「顔合わせだけでお金をもらうのは悪い」「短時間の顔合わせなので、初回はなしでいいです」という女性も一定数いる。理由は「お互いにとっての面接だから」「そうしないと会えないから」などが多い。

 

アプリ・パパ活において、まずは「顔合わせはお手当なし」でチャレンジしてみる、あるいは「そうでないと会わない」というポリシーの男性は、これも実感レベルだが、全体の3割ほどと思う。僕のように、「途中で渡すのがアホらしくなってきた」という男もいれば、最初からそれで会える女性狙いの男性もいるだろう。

 

パパ活マッチングアプリの出会いの場では、このような男性と、「お手当なしなんかあり得ない」という女性のバトルが、日夜繰り広げられているのである。

 

このテーマを記事にしたのは、訳がある。

先日、顔合わせ時のお手当の有無を巡って、あるパパ活マッチングアプリの掲示板で、男女を巻き込んだ大論争が行われたのだ。これは、掲示板で以前から「顔合わせでお手当なしなんて、ありなんですか?」「今回も、お手当なしって言われました。皆さんどう思います」などと書き込んでいた、ゆめさん(22歳・大学生)の投稿が契機である。とうとう彼女は、「やっぱり顔合わせでお手当なしはおかしい」と、長文の持論を掲示板に掲載して、意見を求めたのである。

 

その大論争のきっかけになった、彼女の投稿を、次回の「その2」で紹介しよう。
 


 

※カフェの写真はO-DAN、その他はイラストACの無料素材。

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