パパ活の向こう側

「コラムを再開したい。ついては今後の運営についてライターからの意見を聞きたいので、オンラインミーティングに参加してもらえないか?」
そういう趣旨のメールを頂いた。
実のところ、ユニバース倶楽部やパトロでの私の活動は低調になっていて、今後どうなっていくかも判らない。次回は更新しないかもしれない。
パパ活自体は相変わらず続けているのだが、この数年いろいろやり尽くして、性欲というかパパ活欲が成仏しつつある。
今、性欲とパパ活欲を並べて書いたが、私の中ではこの二つは微妙に異なる。
だいたい80%くらいは重なっているが、重ならない部分もある。
パパ活にあって性欲に無いものは何か?
いくつか挙げられるが、いちばん分かりやすいのは、パパ活女子という生き物に対する好奇心だろう。
なぜあの若い女子たちは、性を売るのか?
もちろんお金のためなのだが、なぜ彼女たちはそんなにお金が必要なのだろうか?
その背景は、私にとっては、社会学的な興味の対象であり、これは例えて言うなら、Youtubeの「丸山ゴンザレスのディープな世界」を通して闇社会を垣間見るような刺激がある。
私自身が経験してこなかった人生。私は、社会的に一定の成功を収めたと言えるのだろうが、それは自分自身の実力というよりは、生まれ育った環境、要するに運が良かったという面が大きかったのだ、そういう発見、言わば人生の辛みを彼女たちは感じさせてくれた。
性欲を甘味とするなら、彼女たちがお金を必要とする背景は甘みを引き立てる辛みであったともいえる。
もちろん彼女たちが訴える不遇な環境は、必ずしも真実ばかりでもない。誇張や嘘が混ざっている。
しかしその誇張や嘘もまた、私にとっては新鮮であった。なぜ彼女たちはそのような誇張や嘘を付くに至ったのか?その深層にまで心惹かれた。
しかし辛みというのは段々と慣れて来る。同じ刺激を前にすると「ああ、これは前にもあったな」と既視感が禁じ得ない。
そんな感覚が最近は増えてきたということだ。
この既視感は、プレイの内容にもある。ハプニングバーや混浴温泉に行ったり、マジックミラー号を自作したり、ずいぶんと色々な遊びをしたが、ああいうのは本当に単純で、「こんなことをやってみたい」というムラムラとした妄想が先にあり、それを実現・達成してしまうと、満足感と共にそのムラムラは消滅して行ってしまう。
私の持論だが、このように昇華してしまうものは、本来的な性癖ではない。根源的なところから来るものであれば、いくら繰り返しても終わりがないはずだからだ。
それで最近はというと、結局のところ残ったのは、若い女子の甘い香りと張りのある肌への恋しさである。こればっかりは飽きが来ない。
なので、女子たちが抱える闇への興味や、過激なプレイではなく、夜お泊りして全裸で抱き合ったまま寝てくれる子、というのが継続の基準になってきた。
抱き枕ちゃんですね。
これがまた居ないようで、探せば居るんです。
独り暮らしで寂しい子。正面から向き合った状態で、朝までずっとしがみ付くように抱き付き寝してくれて、「私もこれ好きです。ていうかこれ嫌いな女の子なんているんですか?」とまで言ってくれる。
まあ、それが私の近況なのですが、話を戻して、コラムの再開についての私の意見である。
今の私は、交際クラブの活動履歴や内容からベテランといって良いだろう。
もっともベテランという言葉は、日本語では「経験豊富な先達者」のような意味だと思うのだが、英語のveteran は「退役軍人」である。
書きながら気になって今調べたら、日本語のベテランは英語のexpertに当たるらしい。なるほど。
私はまだ退役はしていない。そういえばOBという言葉がある。あれって何の略だっけ?
これまた調べてみたらOB=old boyであった。
ちなみにOG=old girl。そうだったのか。
それでふと思い立った。
アメリカには退役軍人会というのがある。
ユニバース倶楽部の退役軍人会を作れないだろうか?
「ユニバース倶楽部experts」は何だか鼻につく。
「ユニバース倶楽部veterans」または
「ユニバース倶楽部old boys」の方が語感として良い。
入会条件は、過去にユニバース倶楽部に在籍していた男性会員であること。いわば卒業生である。準ずる形で、現在の私のような、会員ではあるものの、活動歴が長く最近はほとんど活動していない者も含む。
木田社長は「どこかのタイミングで、匿名質問箱とコラムをセットでユニバース倶楽部のドメインから別ドメインに引っ越しする予定です」とオンラインミーティングで述べていたし、再開コラムでも書いている。それならばぜひ、新サイトの表題は、「ユニバース倶楽部veterans」か「ユニバース倶楽部old boys」にして欲しい。
上で「入会条件」と書いたが、オープンで一般の人の目にも留まる部分と、会員だけがログインした上で閲覧したり投稿したりできる部分との二本立てにすると良いと思いったからだ。これなら管理者の判断で、過激な内容は会員しかアクセスできないって形に出来る。そういう意味での「入会条件」である。
さっそくChatGPTにイメージイラストを作らせてみた。
うん、なかなか良い出来だ。
もうちょっと退役軍人っぽくするために男たちにライフルを持たせてみよう。そうChatGPTにお願いしてみた。
「申し訳ありません。ライフルや武器をイラストにすることは出来ません。代わりに盾や旗などいかがでしょうか?」
「ああ、じゃあそうしてください」
出来上がったのがこれ。
なかなか格好よくないですか?
試しに、これをプリントして、キャップにワッペンのように貼りつけて、コメダでお茶するときに被って行ってみた。全然違和感無い。
なんならTシャツにプリントも出来るのではないだろうか?
話が変わるが、TENGAというオナホールがある。
あれは恥ずかしい性器具を、デザインの力で表舞台に押し上げた好例と言える。
この「パパ活」だって、上手に持ち上げて行けば、少なくとも「かっこいい」存在にはなるはずなのだ。オナホールに出来ることがパパ活に出来ない訳が無い。
ところで「パパ活」という言葉も、お洒落感的には問題があると私は考える。
社会的認知を一気に高めたという功績はもちろんあるのだが。
それで以前、「パパ活川柳」に応募した時の一句を思い出した。
―パパ活は 恋がお金に なる世界―
恋がお金になる世界。
略して「こいがお」
こちらはフリー素材のイラストを探して、私自身でデザインしてみた。
別のコピーも思いついたのでもう一枚。
体を売るのではない。恋心を売るのだ。
どうでしょう?お洒落じゃないですか?
女子受け狙いである。TENGAの女性版でirohaってのがある。あれはいまいちヒットしていないようなのだが、女性向けのバイブで北欧デザインのものが画期的と言われた後だったからだろう。
「恋心売ります」って、この活動の本質を突いたコピーだとも思うんだよね。だって、多くの男性会員たちは、ただ女を抱きたいだけじゃない、恋のような気分を味わいたくて、交際クラブに入ってくるのだから。
別に私のこのアイデアが採用されなくても文句は言いませんが、希望としては、私たち「ユニバース倶楽部veterans」または「ユニバース倶楽部old boys」たちが自らの手で造り上げたような存在になってくれることを希望します。
なぜなら、実際に経験してきた私たちこそが、この活動の本質を知っているから。
再び木田社長の再開コラムからの引用で恐縮ですが、
「ライターに執筆料を払い、広くライターを募集していくことで、より広く、いろんな知見が集まるだろうと思っていました。でも蓋をあけてみれば、報酬目当てのそれっぽいコピー記事ばかり」
これなんですよね。
経験していない人にこの活動の是も非も分らない。
「非はともかく是なんてあるのか?」と知らない人は考えるかもしれませんが、私が最後のほうで書いた長編コラム「善と悪」で記したように、「悪人でなければ成し得ない善」ってあるんです。
傍から見ると、私なんか年寄りだから、肉にたかって集まって来る禿げ鷹を、手乗り文鳥のように勘違いして愛でているとしか思えないんだろうけど。
それでも私は言いたい。
「私たち経験者にしか見えてない景色ってあるんだ」と。
長くなったのでそろそろ切り上げますが、表題をなぜ「パパ活の向こう側」としたかというと、ベテランもしくはOBになって、この活動を各自が総括することこそが、パパ活の向こう側の世界だと私は考えるからです。
それが自分に都合よく勝手に記憶を改変したただの自慢話であったとしても良いじゃ無いですか。むしろ、まさにそれこそが一番幸せな「パパ活の向こう側」という約束の地なのかもしれません。
皆が風呂敷を広げて「俺の活動がいちばん良かった」って自慢し合う世界って、楽しそうじゃ無いですか?
自虐ネタは嫌いだな。自虐って、あれ実は加虐の裏返しなんだよね。そこが私には透けて見えるから。
最後の一文は蛇足だったかもです笑。








