2023年4月28日
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セックス”できなかった”夜のはなし

今日はわたしのセックスの話をしよう。

 

と言っても、わたしがいかにモテたか、という話じゃなくて、セックスできなかった特別な夜のことを書きたいと思う。

 

赤裸々に語る恋愛談は、みんな気になっているのに書けないことで。わたしには怖いもんなしだから書いちゃうけど、これを読んだあなたとの秘密にしてください。

 

昔、マッチングアプリにハマっていた頃があった。と言っても、わたしは一人で暮らせないタイプの人間で、寂しくてたまらないからただ人に会いたかった。移動するのも面倒だから、車を持ってるひとを呼び出すか、タクシー代を出してくれるひととしか会わなかった。あの居酒屋からあの家へ。まるで、渡り鳥みたいに渡り歩いていた。「自分を大切にしなよ」「男を馬鹿にすんなよ」何回も聞いたその言葉たちを無防備に受けながら、気にしないそぶりでヒールをコツコツ言わせて街を歩いた。

 

でも、だいたいはいいひとで、それなりに楽しく過ごした。一度家を追い出されたことがある。その時は、バスタブの中で髪を洗っていたら、追い出された。「無理!汚い!」と言われて、じゃあ「愛がなんだ」の岸井ゆきのと成田凌は汚いのか!?!?と内心半ギレだったのだけど、それぞれ踏み抜かれたくない地雷はあるだろうから、しょうがない。

 

ある時は、知らないバーテンダーとマッチして、彼がやっていると言うバーに行った。そこはなぜか、日本で2番目に頭がいい大学の人の溜まり場になっているらしくて、高学歴に囲まれたわたしはぼーっとするしかなかった。バーテンダーの彼は「ほんとにきたの!?」とウケていて、じゃあ俺の代わりに店番しててね、と一言残して彼は飲みに出かけてしまった。頭のいい学生たちもキャーキャーはしゃいでいて、わたしはなんだか嬉しくなってシェイカーを振りまくった。(ちなみに、わたしにバーテン経験は無い、ヤバすぎ)

 

お客さんの女の子が氷の場所から、お酒の場所から全部教えてくれて、よく分からないままわたしは一晩バーの店長をやった。それなりに面白くて、何人かの女の子がこっそり恋愛相談をしてくれた。

 

「実は…わたし隣に座ってるのが彼氏なんですけど、バーの店長とも付き合ってるんですよ…秘密ですよ…!」

 

ええ!?と声を出しそうになりながら、色々場所を知ってたのはだからか…!と納得して、イタズラっぽく笑う彼女になんだかウケてしまった。高学歴でもやってることはわたしとあんまり変わらなくて、なんだか人間はみんな同じなんだなあと感心した覚えがある。多分酔ってただけだけど。

 

結局追い出された家の彼とも、バーテンの彼ともセックスはしなかった。していない夜のことばかり思い出すのはなぜなんだろう。あの不思議な感覚を今も思い出せるのは、特別な思い出だから、きっと。

 

一度、15分だけ会った男の人がいた。わたしは朝まで飲んでいて、夜明けに暇だなーとアプリを開くと、すぐにマッチしたひとがいた。彼はタクシー代に飲み代まで出すから家においで、と言うので向かった。彼の家につくと、明らかに誰かと住んでいて、部屋はピンク色、ティッシュケースや鏡、小物は全部ハローキティだった。そこにロン毛でヒゲの細いバンドマン風の男の人がひとり。なんだかおかしくて、部屋に入った瞬間爆笑してしまった。「笑わないでよ〜」と気弱に笑う彼に事情を聞くと、昔少し仲良くした女の人に付きまとわれて結局同棲してしまったらしい。同棲"してしまった"ってなんだ?と思いながら、彼はなんだかんだで彼女のことをよく話す。

 

「弁当毎日作ってくれるんだけどさ、あ、俺バーテンなんだけど。弁当もキャラ弁なの、キティちゃんとかサンリオの。恥ずかしくてさ〜!もう別れたいよ!…まあ美味いんだけど」

 

ボソボソ話す姿は、彼女のことを愛しそうに感じて、わたしはビール2缶速攻で飲み干して、またね、お幸せに!とサラッと帰った。

 

パパ活の誘いもあった。だいたい体の関係アリの誘いで「俺とパパ活するならもう少し痩せてよ」なんて言われて、悲しくなったこともある。でも、面白い人がひとり。出会った日にふぐと寿司を食べさせてくれたパパは、金沢旅行に行こうとわたしを誘った。よくよく聞くと、奥さんも子どももいるらしい。

 

「それは不倫じゃない?」と聞いたけれど、はぐらかされながら、優しくてロマンチックな言葉をかけられた。紳士的なそのひとに溺れてしまいそうになったけれど、いつか請求されるかもしれない慰謝料のことを考えては頭を振った。

 

独り身のひとを選んだ方が、絶対安心安全だ。傷つく誰かの顔を思い浮かべる必要もない。紳士的な顔に惚れてしまったらもう遅いから、わたしたちはどこまでも冷静に、クレバーでいこう。

 

楽しい思い出たちと踊りながら、この世界の荒波を賢く生き抜こう。素敵なパパを見つけるのは至難の業だ。管理もしなきゃいけないし、細かなアフターケアとメンタルケア。毎日疲れることばっかりだけど、わたしたちが素敵な未来を迎えるために。渡り鳥は、いろんな人を渡り歩くだけじゃなくて、世渡り上手にもなれるはずだから。

 

マッチングアプリで無双しつつ、最高のパパを捕まえられる日まで走り抜けよう。明日も、誰かが誰かを愛する世界で。

Z世代のライター。セックスライフやメンタルヘルスについて主に執筆。 生きづらさについて書いていきたい。

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