2023年5月18日
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アラサーでパパ活はもう厳しい?

ヴァンクリのピアスに、スナイデルのワンピース。もちろんバッグはレディディオール、ヒールはヴァレンティノ。

 

そんな理想を描いて、東京に来た女の子たちはきっと多かっただろう。インスタグラムを開けば、毎日のようにアフタヌーンティーに行き、高級ホテルでご飯を食べてる写真があがってる。恋人だって持ち物のひとつだ。カッコよくて背が高い、細身でよく服が似合う素敵な男性の隣なんて、きっと誰だって歩きたい。自慢できるようなモノを持たなきゃ、自慢できるようなところに行かなくちゃ。そんな考えに支配されては、目の前が見えなくなる。みんな、そんな夜を超えてきた。

 

「東京日記」というツイッターアカウントがある。いわゆるOLやホス狂、メンヘラに地雷系。風俗嬢やキャバ嬢、パパ活女子まで、東京の表面をすくいとったような漫画で、よくバズっている。

 

そこには、冒頭で書いたようなパパ活女子たちで溢れている。馬鹿にされてる内容の時もあれば、寄り添うような内容の時も。パパ活女子がいかに東京にはたくさんいるか、ある意味この漫画がどれだけバズるかで分かるような気がする。

 

わたしは去年、アラサーになった。アラサーになった途端、突然雨のように降りしきる、「結婚」「出産」「昇進」「バイト生活」「夢」たち。アラサーは正直やることが多すぎる。仕事にもきちんと就かなきゃ!と思いつつ、結婚を焦らせる田舎の両親。孫の顔を見たがる祖父母に、今のフリーターみたいな状況はとてもじゃないけど言えない。

 

大学生の頃はよかった。「女子大生」というブランドが私たちを守ってくれたから。女子大生というブランドは、ヴァンクリにもディオールにも敵わない。一番手に入れたくて、お金になる、期間限定の高級ブランドだ。女子大生というだけで、ちやほやしてもらえるし、パパも捕まりやすい。

 

そんな華の学生生活が終わった瞬間、わたしたちの床が急に開いたような急転直下。"歳をとる"、そんな当たり前のことがこんなに足を引きずるものになるなんて思いもしなかった。パパ活をやっていないひとでもそれは多分同じで。男性はずるいなあ…とついため息とともに漏れ出してしまう差別意識は、やっぱり頭の中にこびりついている。

 

年齢があがるなんて、人間である限り当たり前のことなのに、パパたちは若さを求める。そして、美しさを。たしかに、私たちが一番美しい時は、十代後半から二十代前半だろう。今、水を弾くような肌と、吸い付くような肌触り。シワひとつない、ハリのある頬に、シミのない手入れされた白さ。形の整った胸は、まだ垂れることなんて知らない。髪だって艶やかで、細い手足はお人形さんのよう。そんな「今」を、当たり前のように享受できていた女子大生の頃。

 

アラサーは怖い。急にシミが増えた気がするし、日焼け止めを塗り忘れた日なんて絶望する。シワが目立つようになるかも、とアンチエイジングに手を出す。もたれるようになった胃は、揚げ物やお肉を毎日食べ続けるにはなかなかしんどい。肌荒れがようやく治ってきた年頃には、今度は加齢が追いかけてくる。勘弁してくれよ。

 

だからわたしたちは、一瞬先には過去になってしまう"今"を切り売りしている。

 

パパ活で大切なことは、パパにとって、いい娘であり、可愛い彼女であり、理想の奥さんになることだ。結婚もしたことないし、あんたの娘じゃないし、なんて毒づきながらも、それを求められる生活。わたしたちが一番綺麗な頃を、どうか見届けてほしい。そんな気持ちでいる。

 

ある意味パパたちは「目撃者」だ。この世界にわたしが存在していたことを、証明してくれる何よりもの証拠。わたしを評価してくれるならやっぱり嬉しいし。友だちも少ないわたしのことを目撃してくれていたならば、この世界のどこにも居場所がないと思っているならば、この世界に生きていたことの、存在証明になる。

 

「誰にも愛されない」「お金もない」「顔も可愛くない」なんて絶望することしかできなかった幼い頃とは違って、わたしたちは自分で稼ぐことができる。値段をつけて、交渉して、お茶やら大人やらでお金を稼ぐだけ稼ぐ。歳を取れば稼げなくなる。

 

でも、諦めなくてもいい。歳を取れば、経験は増えるし、知識も増える。ノウハウをnoteで売ったっていいし、アドバイザーにだってなれる。歳をとるなんてみじめだ!なんて言わずに、年齢を重ねるこの人生というロールプレイングゲームをプレイしてほしい。このゲーム、クソだけどね。歳をとることはレベル上げ。経験値が上がれば上がるほど、わたしたちは勇者になれる。

 

だから、歳をとることに絶望しないでください。需要がなくなったなんて悲しまないでください。あなたの手元にハイブランドは残らなくても、あなたの脳とこころはあなたの中にあるから。

 

歳をとるたびに現れるモンスターを、軽快にぶっ倒しながら、この人生のデスロードを歩いていこう。血まみれのレッドカーペットで、スナイデルをまとったわたしたちは"歌舞伎町の女王"になれる。

Z世代のライター。セックスライフやメンタルヘルスについて主に執筆。 生きづらさについて書いていきたい。

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