2023年9月6日
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私の女としての価値は、時給2500円以下だった。

私がパパ活を始めたのは「大学生」を卒業した後のことだった。

大学時代はコンパニオンをしていた。要は旅館などに借り出されてお酌をするアルバイトだ。

当時の私はぜんっぜんかわいくなかった。でもキャバクラほどキラキラしている必要も、お客さんを捕まえてくる必要もないここでなら、普通のバイトよりは効率よく稼げるだろうと考えたのだ。

お昼過ぎに自宅へ迎えの車が来て、女の子を何名か拾って、片道2時間ほどの遠方の温泉地に向かう。コンビニの駐車場に停めた車中、バブルの負の遺産みたいなダサいヒラヒラの花柄ミニスカートに、白のジャケットの制服に着替える。

ジャケットの中は心もとない自前のブラトップ1枚。大学生から40代くらいまでが、同じ車の中でプライバシーもなく着替えなければならない。

お座敷に入ったら、私たちは固い畳の上で横一列に並んで正座をする。リーダーのママの号令で深々と頭を下げる。「自分はこれから2時間、この人たちを気持ちよく食事させるための『物』に徹するのだ」と、刻み込まれる。

ビール瓶を持って殿方の間に膝をつく。畳の繊維が膝に食い込む。相手のグラスにビールを注ぐと、こちらにもビールを注がれる。笑顔を貼り付けて乾杯して、飲みたくもないビールを空きっ腹に流し込む。

品もお金も地位も人生経験もない人たちと、たわいも実も面白みもない話をする。時々ビールを注いで、立ったり座ったりあちらこちらへ走り回り、あげくヒラヒラのダサいスカートの裾からそっと太ももを撫でられたりする。

「ホタルちゃん本当かわいいよ。僕すごくタイプだな」とかささやかれながらね。

「でもせっかく遠くまで来たんだから、2次会までは引っ張らなければ」と、笑顔で耐える。

なんとか2次会のカラオケか、部屋飲みに引っ張って解散。時間は大体23時を回る。「これ今日の分」と、リーダーから生の現金をバラバラと渡される。

こんなに頑張っても諭吉1枚にも満たない。でも、頑張っていただいたお金だからと、疑うこともせず大事にバッグにしまう。これがかつての私だ。

時給2500円で4時間。車代と制服代を引かれて8500円。ちなみにお客は1時間5000円支払っているので、マージンで50%会社に持っていかれている。

車酔いしやすいので、毎度酔い止め薬や飲み物を用意し、車中で食べる夕食を用意し、さらに畳でボロボロになってしまうストッキングも自前で毎度用意するので、実際にもらえるのは8500円以下。

これでも2次会に運良く引っ張れたらの金額で、1次会でお開きならたったの3500円ぽっちになってしまう。私がいくら頑張っても、メンバーに年配の方や容姿の良くない人が多いとお開きになる。

「あのおばちゃん抜きでなら、2次会もいいんだけどね……」と申し訳なさそうに言われた日には、自分や日銭とおばちゃんとの関係性を考え、機嫌を考え、お伺いを立てなければならない。

それだけ嫌な思いをして、タバコのにおいにまみれて、飲みたくない酒を飲んで、足を痛めて、おばちゃんの機嫌もとって、かわいくない女の子のフォローをして、太ももを触られながら気持ちの悪い男性の相手をして……そして自宅に着くのは1時。

やってられっか!!!!!!!!!!!! 

年下の美女から、お誘いを受ける。

私が客の裏引き(会社を通さず私が直接女の子を集めることで、マージンなしのギャラ全額を受け取れる神会を開いていた)をやっていたのがバレ、リーダーから干され始めた頃。裏引き会常連の年下美人ちゃんが言うのだ。

「ホタル先輩、パパ活やらないんですか?」

聞いたことはあったものの、愛人みたいなことは私にはできないと言うと「いや、ホタルさんなら絶対ごはん行くだけでも喜んでもらえますよ」と。

そうして私のパパ活ライフは始まった。大学を卒業して半年程経った頃のことだった。ここから私の価値は、ようやく少しあがり始める。

私の今の価値は……少なくとも、バラバラと生の硬貨を受け取ることはなくなった。封筒に丁寧に入れられた綺麗なお札を、ありがとうと目を見て渡していただける価値が、今の私にはある。

この懐かしい話をはじめた意味

なぜ私がこんな話をしたか。それはあなたが自分の価値を理解して、適切な価格設定をしているか見直してほしいからだ。

いま思えば、大学生ブランドというのは誰もが持ちうる最強の武器だった。

何ができなくても話せなくても、「大学生」と一緒の席につけるだけで喜ぶ男性は多い。私はその価値をさっぱり理解せず、たった2500円で自分を売ってしまっていた。移動時間も含めれば、時給なんてコンビニバイト程度かそれ以下にしかならないだろう。

当然運営の大人たちは、私たちの価値を理解していたに違いない。そこに2500円しか寄越さないなんて、搾取しすぎにもほどがあるだろう。

これを読みにきてくれた賢いpjさんは是非、自分の価値を改めて考えなおしてほしい。大学生ブランドだけでなく、女の子の価値を高める要素はたくさんある。

それに「時間と労力と交通費をかけて待ち合わせ場所までいくこと」「きちんとメイクすること」「かわいくあるために、自分に似合うメイクや洋服の研究をすること」など、「会っている時以外に頑張っていること」も勘定にいれてほしい。

では自分の価値とは何か。あなたの価値は、どのように勘定したら良いか。若さ以外にどんなものが価値になりうるのか。今度はそんな話をしたい。

Writer: 
本業>>>p活なゆるpj。全pjちゃんの味方で仲間でありたい。みんな一緒にもっとかわいく賢くなろうぜ。私の名前を見たパパは回れ右推奨です。ただし良い定期に出会いたいなら素直にそこに正座しな。

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