イクメンという言葉が世に出て、何年経っただろう。
でもイクメンになりたいと思いながらも、実現できていない男性のほうが多いのではないだろうか。
さて今回お会いした2人の男性たちは、世代でいえば、イクメン予備軍だ。まだ学生である。
実は当初、結婚や育児について、彼らと話す予定などなかった。
学生さんは、結婚などの前にまず就職だろうし、独身の方とは、いつも仕事の話をすることが多かった。
ワタシと会っている時間で結婚や子どもの話になる場面は考えにくい。
共通の話題としては、やはり好きな食べものや遊び方、趣味といったことが無難なのだ。
ところが、偶然にも若い彼らと会った時たて続けにイクメンに通じる話題になったため、たいへん興味深い時間を過ごせた。
実際にどんな話になったのかをぜひ皆さんにもお伝えしたい。
~イクメン予備軍・1人目~21歳・学生~
大学3年生の彼。
2人兄弟のお兄ちゃん。ご両親とも仲良しで家族4人で好きな歌手のコンサートへ行くこともあるらしい。
これまでの彼女は3人。
皆同級生で、学業とバイトが忙しくすれ違いが続き別れてしまったらしい。
そんな彼とは、とある登録したサイトで出会った。
男性側が顔写真を掲載しないとメッセージがやりとりできない仕様のようで、ほとんどの会員さまが自分の顔写真を載せているようだ。
この彼の顔に、ワタシは今回一目惚れしてしまった。
見れば見るほど思いが募り、サイトからカカオへ移行し連絡をとりあった。
あらわれた彼はワタシの思ったとおりの好青年。女性に優しく大事に扱ってくれる、そんな印象だ。
ランチのときに勉強の話、就活の話から結婚の話になった。
彼:「僕のうち、親がすっごく仲良しなんすよ。だから僕も結婚して、仲良し家族作りたいです。子どもも絶対欲しい。」
私:「あー子どもは確かに可愛いよねー。でも経験してみて思うけど、もう一回最初からやれと言われたらもうできないよー。大変だったもん。」
彼:「それって、奥さん独りで抱えるからじゃないですか?僕だったら絶対できるだけ手伝います。というより、とれるんなら育休とりたいです。子ども好きなんで。」
私:「え?もしかして〇〇君イクメン候補?」
彼:「あ、それです(笑)」
え?こんな若くしてイクメン候補なんだ!しかもイケメンのイクメンだ。
ふぅ。時をさかのぼりたいゎ。さかのぼって彼の前に同世代として現れ、彼の奥さんになりたい(笑)
彼の結婚相手は幸せだろうなあ。休日に仲良く、家族で出かける様子が目に浮かぶ。
ああ。彼の隣にいるのがワタシでないのが非常に残念!
彼のはにかむ笑顔をワタシは正視できない。素敵すぎて、息ができなくなる(笑)
この日ワタシは、未来の彼の奥さんに軽く嫉妬しながら仲良し時間を過ごし、帰宅した。
~イクメン予備軍二人目~21歳・学生~
偶然にも、先の彼と同年齢の学生さん。
サイトでのやりとりが、すっごくキュートでワタシの母性本能が爆発した相手だ。
サイトを離れてから、写メの交換をした。ちょっとだけチャラい感じがして、一瞬ひるんだ。
でも、写真は写真でしかないわけで。
ここは実際に会わないとわからないということで会ってきた。
この彼は、チャラい外見に似合わず、すごく真面目だった。やはり大学3年生のため就活が始まるころである。
会った途端、彼はワタシにこう聞いてきた。
「なんでこんなことしてるの?」と。
そうだなぁ。なんでかなぁ。
きっかけはパパ活でパパに出会い、でもそれも今会えない日々が続いて寂しい。
そんなのも、理由の一つではあるけれど。
一番大きいのは、夫への不満かなぁ。
彼:「その不満、ダンナさんに言いました?」
私:「言ってない。言えない感じ。無言の圧力があるっていうか。」
彼:「え?言わなきゃだめですよー。言わないといつまでもわかってくれないですよ。」
私:「それはそうなんだけど…。」
彼:「ちゃんと伝えてもみないで、片方だけ不満に思うって、ずるくないですか?」
私:「…。」
彼:「僕なら、ちゃんと伝えて欲しいです。そのうえでお互いの妥協できるイイところをみつけます。もし僕に原因があるなら直したいです。せっかく好きになった相手なのに、言わないまま不満を抱えるって悲しいです。」
私:「確かにね…。」
彼:「ダンナさんも、言ってほしいって思うはずです。まだsamamiさんのこと好きなら絶対そうです。そのうえで、もう一回やり直せると感じたら他の男の人探さなくてもいいじゃないですか?」
ああ、彼のこの頼もしさはいったいどこからくるのかしら。
チャラい外見からは、とうてい想像できないほどの説得力と正しさ。
彼:「僕、母のこと大好きなんです。男の子って小さいとき大変だっていうじゃないですか。しかも僕も反抗期みたいなことしてたんで(笑)なんかそういうのあるから、今めっちゃお母さん大事にしたいです。」
私:「〇〇君のお母さん、幸せだなぁ。」
彼:「samamiさんも、ダンナさんと幸せになってほしいです。まだまにあうのでは?」
恐らく、ワタシは彼のお母さん世代に近いはずだ。だからこその、彼のこの発言だ。
昔から、マザコンなどと言われるが実態はただただママを大事にしていきたいという、純粋なキモチだけだ。
こんな形で出会ったワタシに、幸せになってほしいなんて言ってくれる男子が果たしてこれまでいただろうか。
私:「〇〇君もさ、そのうち結婚とかするよね。」
彼:「たぶん、します。したら奥さん大事にします!」
私:「お、頼もしい(笑)でも子どもができたら色々大変だよ。」
彼:「そうみたいですね~。でもできるだけ頑張ります。仕事はもちろんだけど、奥さんサポートします。家事とか、子どものこともやります。」
この先就職して、結婚をして、仕事も忙しくなるという現実を彼らは一番意識している世代だ。
ただ、意識してはいるがそこに悲壮感はこれっぽっちも漂っていない。
そこが非常に小気味よく、そろそろ離脱組になってきたワタシからはただただまぶしいばかりだ。
ワタシのこの先進むべき道へ、そっと背中を押してくれた彼に出会えたことが、なんだか今とても嬉しい。
~イクメンになる下地~samami的見解~
彼ら二人に共通していたのは
「両親が仲が良い」
「お母さんが、それなりに頑張って子育てしていた経緯を体感していた」
ということだ。
感受性の強い彼らは、一番身近な異性である「お母さん」をずっと観察してきた。
観察してきたからこそ、キモチの浮き沈みを瞬時に察知し寄り添うことができた。
恥ずかしくて「ありがとう」なんて言えなかったはずだけど、それは言葉にせず今でも持ち続けている。
なんて素敵なんだろう。
こんな少しの時間で、すごく幸せな気持ちを分けてもらった。
出会いはどうあれ、同じ地域に住み同じ時間を生きていく人間同士、ワタシの人生に強烈に影響を与えてくれた彼らに全力でエールを送りたい。