お金持ちの男性が好みの女性に金品を与えて生活の面倒を見る、愛人。古くは水商売の女性に使われてきた言葉ですが、最近は既婚男性の不倫相手や浮気相手に使われることもあるようです。
お金持ちの男性の生活の面倒を見てもらうことには魅力を感じますが、何年も愛人関係を続けていて気がついたら結婚適齢期を過ぎて取り返しのつかないことになってしまうケースもあります。長年、愛人をつとめてきた女性の話を聞いてみました。
■学生のときから不倫ばかりしてきた女性
契約社員として働く東京都在住のエリコさん(仮名・40歳)。エキゾチックな雰囲気でまるでモデルと見間違うほどの美女です。
「私、男運が悪いんですよね」
そう語る、エリコさんの恋愛遍歴は年上の男性ばかり。その理由を、父親が子供のときに離婚していることも関係しているのかもと自己分析します。
「大学生のときに付き合っていたのは45歳の会社役員。年上男性って優しいし、金銭的にも余裕があるから好きなんですよ。デートはすべて彼持ちで、当時はプラダやヴィトンのブランドバッグが流行っていたのでよくプレゼントしてもらいました。いま、思えばその頃から愛人の性が身についていたのかもしれません……」
20代の頃は結婚願望が薄く、年上男性との自由気ままな恋愛を楽しんでいたエリコさんですが、20代後半になるとまわりの友人達は結婚ラッシュに……。エリコさんも結婚を意識しだし、同世代の男性とお付き合いを始めるも、今まで年上に奢ってもらうのが当たり前だった癖がなかなか抜けず難航したといいます。
■30代後半も愛人に捧げる
そんなエリコさんは34歳から5年もの間、ある男性の愛人をしていました。
「詳しい職種は言えないのですが、彼はある業界でそこそこ有名な人です。出会いは業界のパーティーで彼は最初、結婚していることを隠して私に近づいてきました。私も彼のことを好きになって交際が始まったとき、彼が結婚していることがわかったんです」
エリコさんはさすがに年齢的にも不倫はできないと感じ、彼に別れを告げようとしました。しかし、彼に「妻とはもうすぐ離婚するから」と押し切られてしまったといいます。
「でも、付き合って何ヶ月経っても彼が離婚する気配はありませんでした。最初はときめきもあったのですが、さすがに気持ちが冷めてきてしまったんです。しかも、その時期に私の仕事の契約が終わり、就活をすることになり、恋愛どころではなくなりました。すると、仕事が見つかるまでの間、彼がマンションの家賃を払ってくれると言い出したんです」
ちょっとしたタイミングが重なったことで、流れるように愛人生活に逆戻りしてしまったというエリコさん。それから数カ月後、エリコさんは今の会社に勤めることができたのですが、彼はその後もエリコさんの生活費を工面してくれたといいます。
「ちょうどその後にコロナ禍に入り自宅待機が続いたため、つい彼に甘えてしまったんです。でも、気がつけばもう30代も後半。まだ、結婚したいし子供もほしい気持ちもあります。彼にいつ離婚するのか問いただしてもはぐらかされて、その度に私が『もういい!別れる!』と言うと引き止められました。おそらく彼は私との関係を暴露されたくなかったんだと思います」
■40歳で貯金なし、婚活は難航
エリコさんからしたら、早く別れて婚活をしたいのにわざわざ暴露するメリットもありません。何度もケンカや説得を繰り返し、半年前にようやく彼と別れることができたといいます。
「でも、別れたからといってすぐに婚活で恋人ができるわけではありませんでした。婚活で40歳の壁は厳しくて、マッチングアプリや婚活パーティーでも年齢制限で選択肢が絞られてしまいます。それにプロフィールで男性の収入を見ても、いまいち理想的な人に出会えません。昔は結婚に興味なんか持てなかったのですが、仕事もいつ切られるかわからないし貯蓄もない。将来が不安で仕方ないんですよね……」
愛人家業を長く続けてきたエリコさんが、普通の家庭に入って満足を得られる生活を送れるのでしょうか。年上の男性に金銭面を見てもらうのは若いうちはよいかもしれません。
しかし、一度、旨味を味わってしまうと普通の恋愛では物足りなくなってしまいます。エリコさんは理想の結婚相手を追い求める前に、学生時代になくした普通に恋愛をする感覚を取り戻すのが先かもしれませんね。