Contents
地方在住 童貞パパとの半年間のお付き合い
今日は奥手で地味な童貞パパのお話。
4話まであるよ。
このパパとは半年くらいお付き合いしたんだよ。
恋人とだって半年間も関係を続けるのって簡単じゃないと思うから、レナだいぶがんばったと思うよ?笑
お別れは悲しかった。
パパ、まだ元気にやってるかな。
出会いは交際クラブ
このパパとは交際クラブで会いました。
30歳独身で頭脳派だった。
第一印象はモテない男性って感じだった。
一流企業のマネージャーだったんだけど、お給料は1000万円くらいって言ってたと思う。
このパパ、栃木県からわざわざ毎週上京してた。
レナのためにじゃないよ。笑
東京出身ということもあって友達もみんな東京にいるみたいで、週末は必ず東京に遊びに来てるんだって。
だから会えるのは土日だけだったし、帰るのに時間がかかるから丸一日デートに出かけたこともあるけど、夜は絶対21時頃には解散してた。
地味で奥手なパパ
パパは仕事熱心でまじめな雰囲気でオシャレもへたっぴだしトークも下手くそだった。
眉毛とか唇の手入れもしてなかった。
清潔感があるのとスタイルがいいのだけは救いだったけど、服も髪型も普通すぎてイケメンでもないし街を一緒に歩きたいタイプじゃなかった。
パパが言うにはレナと出会う前にも3人くらい、交際クラブで紹介された女の子と顔合わせしたことがあるみたい。
でも、3人とも2回目のデートを約束しないまま連絡が取れなくなったんだって。
第一印象悪すぎてブロックされるって言ってた。
怖い感じとか清潔感ないとかではないんだけどきっとお金持ち感もないしイケパパでもないし。
また会いたいなって思える相手じゃないんだろうね。
レナを気に入ってくれた
レナが2回目のデートをしたいって言った時に、パパはレナのことを「明るくて優しくて、内面的にも本当に魅力的な女性だな。」って言って褒めてくれた。
レナはクソパパに優しくないしパパを選り好みする。
レナのご飯パパを選ぶ基準的に、このパパは合格だったから愛想よくしてただけなんだけどね。
男性に気に入ってもらえるのって嬉しいよね。
クラブでのナンパはセックス目的ばっかりで、なんだか「可愛いね」って言ってもらえることがあっても本心なのかセックスしたくて無理して嘘ついてるのかな、って疑っちゃうけど奥手なパパがレナの中身を褒めてくれたのって、偽りがないように思えてすごく嬉しかった。
パパが交際クラブを始めた理由
パパは年齢も若かったし独身だしパパになるんじゃなくて普通の恋愛をしたくはないのか、と不思議だった。
パパはレナにすごく心を開いてくれててなんでも話してくれた。
パパに彼女を作らないのか結婚しないのか聞いたことがあった。
そうしたら衝撃的答えが帰ってきた。
「僕は、出会いもないしかっこよくないし大富豪ではないしモテないし。
お金を払ってでしか自分の好きなタイプの女性とデートすることはできないんだと思ってる。
大金をはたいて結婚相談所に一年間通ったこともあったんだが、自分の好みの女性や自分より若い女性はほとんどいなかった。
そこで週刊誌の記事で交際クラブに出会った。
交際クラブでは女性にお手当としてお給料としてお渡しすることで、自分の好きな女性とデートすることができる。
僕みたいないけてない男性はこういう形でしか女性と一緒にいることはできないと思ってる。
僕はお金を払ってでも可愛い子が一緒にいてくれるだけで嬉しいし、疑似恋愛のような感覚がいい。」
パパは偽りではなく本当にそうやって考えているようだった。
パパは4回目のデートで、交際クラブでの源氏名呼びではなく私の本名を呼びたいからって本名を聞いて来た。
大体の男性は1回目のデートで聞いてくるからびっくりだった。
本名じゃないってわかってて、聞くまでにこんなに時間戸惑いがあったんだなって。
多分パパなりに色々なことを考えてるんだろうね。
パパは童貞なのかもしれない
奥手なパパは、まったく口説いてこないし指一本触れてこない。
流行とか芸能情報にも疎くて可愛いくらいに世の中を無知だった。
パパがあまりにデート慣れしてなくて困ったこともあった。
例えば、銀座の人気のランチ店は予約を受け付けてないからピークタイムを避けないとすごく並ぶとか、六本木のクラブに行く女子は外人好きが多いとか、東京出身なはずなのに東京の遊び方を全然知らなかった。
このパパ童貞なのかな?って思うようになったのは、5回目くらいのデートのときだった。
これまで男女の話を一切してこなかったパパが、彼氏いないふりをしてたレナに「レナちゃんは彼氏いたことあるの?」と聞いて来た時だった。
なんでレナのこと処女だと思ってるの?
ってかレナ、今彼氏いるし?
この質問の仕方から、きっと彼女いたことないんだなって感じた。
キャバクラとか風俗みたいのは行ったことや見聞きしたこともないみたいで、システムもわかってなかったから遊びのセックスをしたこともないんだろうな、って感じた。
レナもパパを気に入ってた
レナにとって今までに出会ったことのない男性のタイプだったことや、レナとパパの今まで見てきた世界があまりに違っていて単純に興味が持てて、このパパのことをもっと知りたいって思って仲良くしてた。
パパが素敵な女性と出会えた時にその女性パパのことを好きになってもらえるようにと、色々なアドバイスをした。
例えば、出会ったばかりのころパパはスリムなのにブカブカなズボンをはいていた。
体型に合ってないズボンはだらしがなく見えるからやめた方がいいとかね。
あと、駅からたくさん歩くレストランに行く時はタクシーを拾うべきだとか。
エレベーターやエスカレーターは女性に先を譲る方が紳士的だとか。
パパは無意識だったけど、興奮したときに声が大きくなるクセがあったから直した方がいいよ、とかね。
今思いかえすと、パパに幸せになってもらいたくて必死だったなあ。
パパとはいろんなデートに行った
デートは毎回、パパの選んだレストランだった。
パパは洋食が好きだった。
なのにレストランでのマナーがなってなかったから大分更正させたけど。笑
パパはランチしたあとコーヒーを飲みにカフェに行くのが好きだったから、毎回デートは4~5時間と長かった。
たまに一緒に博物館に行ったり、お買い物に行ったり、映画に行ったり、ワインテイスティングに行ったりもした。
1番印象的だったデートは一緒に脱出ゲームに行った時だった。
今でも鮮明に覚えている。
まわりもカップルばかりで脱出ゲームは周りとコミュニケーションを取らなきゃいけないゲームであるっていうのがすごく恥ずかしかった。
他の人からどう見られてるのかなって気になった。
レナには彼氏がいるからもし知り合いに会っちゃったら何て言い訳しよう、って不安だった。
友達以上恋人未満
パパに出会ったころレナは純粋にパパに興味があって友達になりたかった。
わがままはいわなかったしパパが行きたいところに行ってやりたいことをしてた。
パパを助けたかったし、パパに幸せになって欲しかった。
パパはレナの嫌がることはしなかったしレナの誕生日にはレナの欲しいものをくれた。
レナが困ってる時はすぐにわかってくれた。
お顔合わせのときにご飯パパを希望しているって伝えて合ったからか、それともレナをそういう目で見てなかったからなのか、レナには1回も迫って来なかった。
交際クラブで出会うパパたちはセックスの交渉をしてくる人が多かったからこそパパとの体なしの関係大切にしたかった。
体なしでも繋がれる関係は本当の関係だと思った。
ただ次第にレナはわがままになっていった。
お手当てをあげて欲しいっておねだりしたり、パパは運動神経が良くないのにパパと一緒にスポーツをやろうとしたりした。
パパはレナのわがままを可愛いと言ってたけれど、わがままを言えば言うほどきっと友達からは遠いものになっていった。
パパの誕生日
パパには物欲がなかった。
言ってしまえば三大欲求のない人間だった。
誰かと一緒にいるとき以外食事は取らないらしい。
お腹が空かないと言ってた。
性欲もほとんどないと言っていた。
セックスしたいという願望もないと言っていた。
それからパパは3時間くらいしか寝てないと言っていた。
睡眠薬を飲んでいて、飲まないと全く寝れないと言っていた。
レナは欲しいもののないパパの誕生日に何をあげたらいいか迷った。
迷って、お菓子を手作りした。
パパがいつもカフェで頼むお菓子を、ショートケーキを手作りした。
レナはお菓子作りが得意なんだけど、このときはクリームを作ったりスポンジを作ったり美味しいイチゴを買いに行ったり、人生で1番大がかりなお菓子作りだったな。
お菓子のほかにレナの大好きなかおりの香水をプレゼントした。
そうしたらパパは常にそれをつけてくれていた。
レナはそれが嬉しかった。
油断禁物
レナの彼氏は束縛が強かった。
彼氏にはパパ活をしてることは内緒にしてたしバレたら殺されちゃうかもしれないと思ってた。
パパ活どころか男友達と遊びに行くのも不満がっていたくらいの彼氏だった。
ただ、パパと遊ぶのはいつも昼間だったしレナは大学の友達と遊ぶといって彼氏に嘘をついていた。
ちょうどパパと出会って半年くらいしたころ彼氏の家にいる時にパパからメッセージが来た。
レナのスマホはロック設定をしてないんだけど、レナが見ていないうちにレナの彼氏はそのパパからのメッセージを読んでしまった。
そしてテレビに夢中だったレナの横でレナとパパのメッセージのやりとりを全部読んでいた。
レナは全然気付かなかった。
彼氏にひっぱたかれるまで。
結局、体の関係がないこともわかってくれてパパと二度と会わないという条件でレナを許してくれた。
パパとのお別れ
そう。レナはパパと別れなきゃいけなくなった。
悲しかった。
でも彼氏と別れるわけにはいかなかった。
だからパパにはお別れを告げた。
レナは留学に行くと嘘をついて、パパとお別れした。
パパ、幸せに元気でやってるかな。