見た目的には素敵なパパ
このパパに会うのは3回目。
見た目もまあまあイケているし、スポーツもしていて引き締まっている。
ちょっとカジュアルなシューズにきちっと合わせたスーツが似合っていて、センスのある経営者という感じだった。
今日のランチデートはがっかり
このパパとの1回目のデートは、19時に待ち合わせてお茶デート。
東京駅のペニンシュラホテルの高層ロビーから、丸ビル、新丸ビル、その間の並木道のライトアップを眺めてゆっくりコーヒーを楽しむ優雅な夜景デートだった。
2回目は銀座エンポリオアルマーニビル、最上階のバーでのディナー。
銀座の景色を楽しみながらシャンパンをいただき、フィンガーフードを楽しむ夜だった。
ここはとてもロマンティックで、レストランスタッフも上品で気が利く素敵なお店だった。
今日は平日のランチに会いたいってことで、ランチデートだった。
今回は銀座SIXに入っている高級フレンチ。
コース料理で、素敵な盛り付けになんとも言えない味わいの素敵なランチだった。
でも結果として、がっかりなデートだった。
平日の昼間だから仕方がないのかもしれないけれど、レナが話しかけているときもスマホで文字を打っていた。
仕事なのか、だれか別の女の子とチャットしているのかはわからない。
とにかく前回とは明らかに態度が異なっていて、ちょっと大げさにいうと偉そうな態度だった。
パパ、どうしてもスマホが気になるみたいね
レナだってデート中にスマホが気になることがある。
例えば彼氏からメッセージが来た時や、デートの後に友達と待ち合わせがあるときだってあるし、単純に気になっているニュースを待っている時間だってある。
でもパパとテーブルに向き合っているときにスマホをずっと触っているのは無礼だと思うし、同じことをされたくないと思うからしない。
どうしても見なければいけない仕事のメールがあるときは、あらかじめ断りを入れる。
「レナ、今日まで期限のお仕事があって今日はメールをチェックしたりしないといけないかもしれないの」とかね。
それでもなるべくスマホを見るときは、パパが席を立った時やレナが席を立ってトイレに行くときにしている。
やっぱりそれが礼儀だと思うから。
これはパパとのデートだけではなく、仕事でも対友達でも同じことだと思う。
これができない人は、相手への気遣いや思いやりができない人だと思うな。
パパが求めること
3回目のデートだしそろそろ大人に誘われるのかな、と少しドキドキしていたレナ。
でも今日のパパはずっとスマホをいじっている。
こんな方とまともなお付き合いができるのだろうか。
実はこのパパは、経営者なのにちょっと奥手っぽいというか、変わっている人だった。
ちょっとレナとの会話に緊張しているというか、あまりレナの目をじっと見て話すタイプではなくちょっと目が合うとそらして
という恥ずかしがり屋さんだった。
そこでレナから「ほかの女の子に会ってみて、どうだった?」と切り出してみた。
パパは3秒くらい考えて「レナちゃんが求めているものと僕が求めているものは、違うのかもしれないんだよね」と話を始めた。
「レナちゃんはかわいいし、お食事やおでかけのデートで大人の関係がなくても、他の女の子が大人の関係をしてもらえるお金と同じくらいのお手当をもらえているんだよ。それだけレナちゃんに魅力があるってことだし、僕はね、それはすごいことだと思うよ。でもほかのパパ活している女の子たちは、ぼくと大人の関係になりたいとか、その場合はいくらもらえるのか、月極の契約をしたいって言ってくるんだよ。話がとても速い。一方で、お金で買えてしまう大人の関係はつまらない。それなら風俗に行ってプロを買えばいい。関係を楽しみたいからお金と時間をかけていいところへデートに行きたいって思うんだよね。でも僕が今までお付き合いしていた彼女はお金をかけてあげることはあっても、お金を渡すことはなかったんだよね。それって駄目なのかな。さっきからずっと調べ物をしていた。パパ活ってなんなのか。お手当を渡さないといけないのか、いくら渡すのか。いいお店に連れて行ってあげて、普段20代の女性が経験できないことを体験という形でプレゼントするのは、パパ活じゃないのかなって。素敵な女性がお金に困ってパパ活するのはわかるんだけれどね。でもね、お金を渡すから大人の関係しましょうっていうのは萎えてしまうんだよ。取引しているみたいなんだよね。」
そんな答えのないことをグーグル先生に聞いていたのかと思ったら、開いた口が塞がらなかった。
レナは少し時間をかけて続けた。
「パパ活はお金という手段を使って、境界線のある関係性を楽しむことなのよ。パパだって結婚しているのだから女性から本気で惚れられてしまったら困るでしょう。女の子だって本気の恋愛をしたくてパパ活してるわけじゃないのよ。ある程度我慢したり、パパのしたいことを叶えてあげる代わりにお金を対価としてもらってるの。もしレナがパパの本命の彼女でお金の関係がなかったら「何でず~っとスマホ見てるのよ」って怒ってるところだよ。怒らずに我慢できてパパのやりたいようにしてあげれるのは、パパがお金という解決手段を使っているから。パパ活ってそういうものなんだよ。」
スマホ中毒な私たち
現代を生きる人間は、スマホに夢中になりすぎているのかもしれない。
パパ活相手もスマホで見つかる。
パパ活ノウハウもスマホで見つかる。
パパ活相手とのメインコンタクトはスマホのチャット。
でも、大事なことを見落としていると素敵な相手との出会いも見落としかねない。
レナはスマホというモノより、人間同士の関係性というコトを大事にできる人になりたいと思った。