第一編
今日は初めて、パパに振られた話をしまーす。
しかもイケパパに。
あーあ。もったいなかったなー!
このパパとはステーキ屋さんで顔合わせでした。
レナが行ってみたいお店で良いよって言われたから、オシャレなステーキ屋さんで待ち合わせにしたよ。
このパパは、一見完璧なイケパパ。
だって、外資コンサル勤め株投資で稼ぎまくり億ションに住んでて顔も中の中。
背も高いしスリムだし清潔感あるし、肌のお手入れも念入りだから女子がうらやむプルプル肌の持ち主。
そして40歳にして独身。
彼女なし。
玉の輿を狙う婚活女子が発掘したら群がるくらいの優良物件。
なんで?ってなるよね。
レナもね、なった。
なんでこの人パパになりたいの?なんでこの人彼女作らないの?
実はね、ちょっと難あり。
仕事以外は家から出ない、引きこもり。
毎週ジャンプ買って2時間かけて読み込む漫画オタク。
極め付けは、1人で週末に温泉行っちゃうくらいに旅行大好きの変わり者。
しかも料理出来ないし家政婦もいないから、家にいるときはほとんど何にも食べないんだってさ。
そんな話しながら、「レナちゃん作ってよ」って言われたから「喜んで♡」っていっておいた。
40歳までどうやって生き延びたんだろう?って不思議になる難ありパパ。
こんな顔合わせ初めてだったんだけど、イケパパに顔合わせの定番質問を投げかけてみたの。
パパは別に、パパになるのも構わないし結婚してもいいし彼氏になってもいいんだってさ。
ただ、今寂しくて誰か一緒にいてくれる人が欲しい。
資産はいっぱいあるから、死んだらたくさん資産入るよって銀行口座の残高まで見せてくれた。
イケパパ、パパ活女子と実際に会うのはレナが初めてだったみたい。
でもその女慣れしてない感じとか、条件条件聞いてくるガツガツした感じもなくて好印象だった。
このパパ、悪く言うと根暗なんだけど。
多分いい見方をして、ただおとなしい人っていうとそんな感じ。
レナは清潔感のあるイケおじ大好物だからこのパパなら彼氏にしてもいいかな、くらいに思ってた。
レナ、軽いね。笑
あんまり詳しいことは言えないんだけど、このパパを気に入った理由はね、レナとすごく趣味があって長いお付き合いをしたいなーって思ったの。
だから顔合わせの後に、次のデートの約束をしたの。
パパが、パパの高層マンションからの綺麗な夜景をレナに見せてあげたいって言うから「うん、見てみたい」って言っちゃった。
あ、もちろんパパが相当なお金持ちだったこともあったけど。笑
「大人の関係を望んでいます」って言ってくるパパよりもさ、「うちのマンションからの夜景をぜひレナちゃんにも見てほしいな」って言ってくれるパパの方がスマートでかっこいいよねぇー。笑
もう一回言うけど、このイケパパとは条件のお話とかしてないの。
レナは自分からは切り出せなかったの。
でも、パパのマンションに行くお約束しちゃった。
だってパパ、レナが相当な額のお金を必要なこと話したら全部払ってくれるって言ってくれたんだよ?
あー。レナ、軽いわ。笑
第二編
2回目のデートでは、パパのマンションの近くのカフェに行って2人でおつまみを買って、一緒に仲良く歩いてパパのお家に行った。
レナはパパの名前も会社も知ってたし、何となく安心してた。
もちろん緊張もするけど、それ以上に安心してた。
なんとなく、こんな落ち着いたパパだし襲われることもないだろうなーって思ってた。
まずは、マンションのラウンジに連れてってくれて都心最高峰の夜景を見せてくれた。
東京タワーもスカイツリーも見えて、すごくロマンチックだった。
パパはアディダスのジャージだったけど。笑
パパに部屋行こうって言われて、もう自分でも信じられないくらい超ドキドキしながら部屋に行った。
入って見てすごい安心した。
レナもさ、そんなにたくさん男性の部屋を見たことがあるわけじゃないんだけど、でも「男の人のお部屋ってこんなに綺麗にできるものなの?」ってくらいピカピカに綺麗で、綺麗好きなパパの性格がよく出ていた。
これまで、このイケパパ満点だよ。
トイレとかお風呂とかも案内してくれて「部屋が一個空いてて物置になってるから、レナが気に入ったらそこに住んでいいよ。」って言ってくれた。
「嫌ならいいけど。家賃浮くでしょ?」ってさりげなく提案してくれるパパが可愛かった。
「えー!パパと同棲なんてありえない。」
前までそう思ってたけどイケパパはレナの部屋を作って、レナの好きなベッドを買って置いてくれるみたいだからそれでもいいかなって思った。
なんだかんだ遅い時間になってきて、でもパパはベッドにも誘ってこないしこのイケパパ何考えてるんだろう。
って思ってたら、パパが切り出してきた。
「もう遅くなってきたから帰る?」
このパパ、イケパパすぎる。
マンションまで来てるのに体の関係求めてないんだぁ。
「駅まで送るよ」
え、駅まで送るって。それって電車で帰れってことだよね。
「またね」
タクシーで帰りたいなってわがまま言ってみた。
レナ、なんか悪いことしたのかな?
レナからチューしたり、レナからベッドに誘わなきゃいけなかったのかな?
レナから付き合ってくださいって積極的にアピールしなきゃいけなかったのかな?
色々考えたけど、レナはパパ活慣れしててタクシー代をいただけるのが当たり前だと思っていて当たり前に聞いてみた。
「今日はお金を渡すつもりで会ってなかった。会うたびにお金を渡すみたいな、短期間になりそうな付き合いはしたくない。今、万札持ってないから、コンビニまで一緒にこれる?ATMでおろすから。」
あ、そうなんだ。
渡すお金、用意してなかったんだ。
パパは都度パパになる気はなかった。
でもレナはそのパパの繊細な気持ちが読み取れなかった。
なんとなくわかった。
パパ、今レナがお金を要求したことで冷めちゃったんだろうなって。
もしかしたら、傷つけちゃったんだなって。
パパごめんなさい。
レナは短期的利益を見過ぎてるのかもしれない。
でもボランティアが苦手なんだよね。
わざわざコンビニに行かなくてもいいよって、今度で良いよって、勇気を出して言ったけど遅かった。
パパはもう会った時の笑顔じゃなかった。
タクシーに揺られながら、パパにありがとうメールを出した。
ごめんなさいも伝えた。
でもパパはもう何も聞きたくなかったみたい。
未読無視。
二ヵ月くらい続けてたラインをパパからブロックされてた。
あーあ。レナ、パパに振られました。
言葉でじゃなくてブロックでね。
辛かった。1週間くらいブルーでした。
でも立ち直って新しいイケパパ探ししてるよ。
繊細なパパもいる。
パパの気持ちを考えないと関係構築は難しい。
大切なことを学んだ。
さあ、また1からがんばるよ!