『竹取物語』には、男の誠意を試そうとする女性心理が描かれている 8

前回の7話目からの続きになりますが、まず①の「確認」の”NO” についてですが、ここには、男を強く求め、渇望しながら、なおかつ不安に揺れ動く女性の複雑な深層心理が働いていると言えます。

一方では男に依存しながら、もう一方では男を信じきれないで苦悶しているのです。そこで男の「誠意」を試し、それを確認することによって、自分を安定させようとするわけです。

たとえば、女性はしばしば自分の夫や恋人に対して到底実現不可能と思える無理難題を吹っかけることがあります。 相手の給料ではとても手のとどかない高価な宝石をねだったり、あるいは毎日長文の手紙(メール)を書くように依頼したりします。

そんなことが相手の男にとって無理な注文であることぐらい、彼女は百も承知なのです。 しかし、その要求が現実的にはかなえられないとしても、そこから、自分に対する男の「誠意」がどの程度のものかを推しはかることはできるわけです。それがまさに彼女のねらいめなのです。

こうした女性心理は、古くからある数多くの「嫁とり話」「無理難題説話」の中に、実に鮮やかに投影されているわけです。

たとえば日本の代表的な説話である 『竹取物語』では、五人の貴公子に求愛されたかぐや姫が、 それぞれの男に、宝来の山の玉の枝を持ってこいとか、竜の玉を持参しろなどと無理難題を提示して相手を困らせるシーンがきわめてシンボリックに描かれております。

ストリーの上ではそれらの要求は、求愛をしりぞけるための方便ということになってはいるのですが、 物語の背景に、男の"愛"を試そうとする女性心理が見え隠れしていることにすぐに気づくはずです。

この無理難題で男の「誠意」を確かめようとする”NO”に、もうすこし情緒的な色彩が加わると、それは”すねる”しぐさに転化することになります。 女性は自分の要求が通らないとき、その要求を論理的にきちんと説明できないとき、あっさりと論理的対決を放棄して、感情というもう一つの武器をとるのです。

”私は気分を害している”"私は自分の思いどおりにいかなくて、 ”不満足"という自己主張を貫くため、プイと横を向き、口をきかず、泣き、すねる。つまり、女性がすねるのはその理由でなく、結果を男に伝えたいがためなの場合が多いのです。

そしてその深層には、”ここですねて決定的な事態には追い込まれないだろう”という計算がきちんと働いているわけです。 これは明らかに甘えであることに他なりません。すなわち、”すね”は形を変えた甘えにほかならないわけで、弱い者が強い者に対して発動するきわめて有力な”情緒的” 武器とも言えるわけです。

先に述べたようにこの「確認」の”NO”は男の誠意を求めることによって自分を安定させようとする意識がつねに働いているわけですが、こうした自己中心的な女性の心理がきわめて顕著な形であらわれるのが、「○○だからいや」という断り方をする女性のケースだろうと思います。

たとえば、デートを申し込まれた際、「うちは門限がきびしいから、遅くなると困るから、いや」とか、「私はもう決まった人がいるから、いや」といった具合に、理的、道徳的な理由を盾にとって、誘いを断ろうとする女性がよくいます。

いかにも志操堅固で、きまじめな女性に思えるのですが、その深層は一概にそうあっさりと片づけることができないものなのがあります。彼女たちが男に対してこのような”NO”のポーズをとるのは、けっして深層の内なる声につき動かされているのではなく、 たんにうわべの道徳律や倫理観をとりつくろっているにすぎないという場合も少なくないのです。

もしそうであるなら、「○○だからいや」の「○○」の部分に、当人が自分で自分を納得させられるだけの別の理由がはいれば、「○○だからいや」は、瞬時にして「△△ならいい」にすり替わってしまうわけです。

「夜の十時までならいい」「フィアンセに絶対バレなければつき合ってもいい」といったことになる可能性大なのです。

つまり、こういう女性は、本心では、「△△ならいい」という△△を探し求め、うわべだけでも自分を納得させられる理由づけができ、 自己の安定化がはかられれば、意外にやすやすと、男の軍門に下る傾向を強く持っている場合が往々にしてあります。

■ 沈黙や強がりは屈折した女性心理の表われ

②の「屈折」の”NO”は、 一般的には、強がり、強弁の表現として、麦われることが多いようです。いわゆるキャリアウーマンタイプの女性がよく口にする「結婚なんてしたくない」「恋人なんていなくても淋しくない」という言い方がまさにこれにあてはまるだろうと思います。

いうまでもなく、こういう言葉を声高に述べる女性は、心の奥底で結婚、あるいは恋人を強く求めているケースが圧倒的に多いのです。表面にあらわれる「反欲望」の態度が、深層における「欲望」の大きさをあらわすことはすでに述べたとおりです。

だいぶ前ですが周囲に独身主義を吹聴しながら、そのじつ秘かに結婚情報サービスセンターに通いつめる四十女を主人公にしたテレビドラマがありました。激しく揺れ動く女性心理をじつに生々しく現出してみせたその演技には、いたく感心させられたものがありました。

一杯飲み屋で職場の同僚と、とっくりを転がしながら、「男がなにさ」と大声を張りあげた翌日には、センターの机の前で血まなこになって男の写真をあさる。表面的に男を黙殺するそぶりを見せれば見せるほど、心の中の欲望が増幅していくのです。

まさしくこれが、「結婚したくない女」のステレオタイプなのだろうと思います。また、男が答えづらい問いを発したとき、女性は往々にして沈黙をもって答えるものだが、これも内なる欲望を隠匿した屈折表現の一つといえるだろうと思います。

うわべはあたかも”NO”を装いながら、本音の部分では”YES”の意思表示をしているのです。プレイボーイで鳴る私の知人の建築設計士に、女性に抵抗感を抱かせずに自然な形で一夜をともにする方法というのを聞いたことがあります。

それは、夜もふけたホテルのバーなどで、「帰る? それとも泊まっていく?」と問いかけることなのだそうだ。実はこの言葉の順序がミソなのです。

女が男と二人きりでいるというのは、すでにその準備ができている証拠なのです。 しかし、そのあからさまな期待感を男に気どられたくない。

そんなとき「泊まっていく?」ときりだしたのでは、女も内心を見透かされたようで、反発を覚えるのは必至なわけです。

そこでまず「帰る?」と女の期待感を裏切っておいてから「泊まっていく?」とさりげなく助け舟を出してやれば、女も面目が保て、ただ黙ってそれを受けいれればいいというわけです。

まだこのテクニックを実行する機会に恵まれていない男性はお試しあれ。要は黙っているのが肯定の返事になるような誘い方をしろということであり、その点では屈折した女性心理をたくみに利用した言い方といえるだろうと思います。

■ 女の不平、不満と真の意識とのあいだにはかなりのギャップがある

これまでに二百組以上の男女の仲をとりもち、自ら、月下氷人が何よりの趣味といってはばからないある知人の会社経営者が、縁組をまとめるコツについてこんなことを言っておりました。

写真や経歴を見て、相手の男性に不満を感じ見合いをしぶる女性に対しては、 「あなたは見る目が高いから、不満が出るのはごく当然ですが、どうでしょう、ほんの軽い気持ちで一度だけ会ってみては」と説得すると、お見合いぐらいなら、という考えになって くれることが多いということです。

つまりこれは、彼女たちが不満を抱くこと自体の価値を認められたために、説得を受け入れる気になったということなのだろうと思います。

こうした女性のの心理の深層を分析してみると、彼女たちが不平や不満を口にするのは、 不満が満たされることより、不満を持つことの価値を認められたがっていると読みとることができるわけです。こう推測すれば、彼女た女の不平、不満は、③の体裁を整える”NO” に該当するわけです。

彼女たちの意識下には、もちろん不満を言いつのる後ろめたさも多かれ少なかれあるに違いないのですが、しかし、「不満を持つのは当然だ」とか「無理もない」と自分の不満に根拠を与えてもらうと、その後ろめたさも解消され、同時に自分の価値を認めてもらえたことで、うれしく思う気持ちも強くなるという事になるのです。

それゆえ、素直に説得に応じる気にもなるのです。結局、彼女たちにとって重要なのは、口の端にのぼった不平、不満というより、あくまでもそれを口にしている自分自身であり、だからこそ、ことさらに体面保持を問題にするというわけです。

これに似た例として、性格の不一致、趣味の違いなどさまざまな理由をあげつらって、男を退ける女性がいますが、これも表面に出てくる不平と深層にある意識が、くいちがっているケースといえます。

こういうケースでは、表面上の不満の内容とはまったく裏腹に、心の奥底では別の欲求不満、たとえば性とか容貌についての不満がわだかまっていて、そのはけ口、うさ晴らしの方便 として、男への不平、不満が列挙されることが多いものなのです。つまり、不平を言いつのることで理屈のすり替えを行なって、自分を納得させているというわけです。

■ 女は反論を並べたてることで、恐怖心をぬぐい去る

そもそも女の反論は、本心からの反論ではないことが少なくないようです。ことに、女性が「あれも”NO”、これも"NO”」 と、反論することを習癖にしはじめたら、それは自分自身に自分の行動を正当化させる弁解と考えてまずまちがいないようです。

私の飲み仲間の奥方は、数年まえ新しいマンションに引っ越す際、その新しい居住空間に対して、ベランダが狭いの、隣室のピアノの音がうるさいの、果ては、三階以上では子供の落下事故が心配だのと、じつに八十項目以上におよぶ不満を並べたてたと旦那が嘆いていました。

それでいて転居をとりやめたかといえばさにあらず、たいして不安な様子もみせず、意気揚々として移り住み、現在までに至っているのです。これなど、自己正当化の口実としての反論のさいたるものだろうと思います。

このように、女性というのは、自主的に自らの理由で行動することを恐れ、相手に理由を求め、それによって安心して行動を起こす一面があるのです。だから、行動を起こす前にあらかじめその行動に対する反論を考えて、責められたときの言いわけを用意しておくというわけです。

■ 否定から、女の本性を見抜く実例集をピックアップしてみました。

※女性が男に無理難題をいうのは、男の誠意を試そうという心の表われであり、男の誠意に疑問 を感じている証拠である。

※女性の反論は、自分自身に自分の行動を正当化させる弁解であることが多い。

※答えにくい問いに女性が沈黙するのは、YESの意思表示と思っていい。

※女性が男に小さな抗議をするときは、その抗議が聞き入れられないことを望んでいることが少なくない。

※女性の”~だからイヤ”は”~ならいい”の裏返し。

※性格や趣味の違いなど複数の理由で男を退ける女性は、じつは、性とか容貌に不満なことが多い。

※女性が不平不満をもらすときは、その不満が満たされることより、不満を持つことの価値を認められたがっている。

※女性の”結婚なんかしたくない” は、結婚に対する強い願望の表われ。

※女性の”すねる”は、”甘え”である。

ここまで述べてはみましたが少しでも紳士淑女の皆様に納得でき、うなずけるものが少しでもあれば幸いです。

これは私事のどうでも良い話なのですが、私は以前のコラムに書いたK婦人との愛人話の他に、現在も同時進行で仙台のある大学准教授(人妻)とお付き合いをしております。彼女の担当は『看護学と心理学』の他にもう一教科あったと思いますが、彼女との交際を通し寝物語を聞く機会が多いことも起因しております。

こうして女性心理をコラムに書けるのも、彼女は女の本音部分を理論的に説明してくれるので男としては嬉しい限りです。勿論ベットでの官能的な要求も素直に言葉でハッキリと言ってくれるので、神秘の女体がより深く理解できるので肉体と精神をより深く互いに堪能できます。

それでは次回からは、『女がふとしたはずみで漏らす本音を探る』という内容を、各項目事に分けて詳しくお話していきたいと思います。まずは、”言葉グセ”に無意識に表れる女の本音。と題しての、お話から始めさせて頂きたいと思います。

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