男との”対話”に表われる女の秘められた感情 10

■ 女は、”言外の言”で、男に本当の意思を伝えている

ひところ、テレビのワイドショーなどで、蒸発者の公開捜査がさかんに行なわれたことがありました。こうした番組を見ていつも感じたのは、周囲の家族が、 家出した人の心の動き、感情の変化に鈍感で、ほとんどその心中を察知していないということです。

この傾向は、失踪者が女性である場合、ことに顕著なようで、何かそれらしい兆候はなかったかというインタビュアーの問いに、残された夫や親たちは口をそろえて、ふだんとまったく変わりなかった。

家出の動機について心当たりはないなどと答えている場合のケースが殆どです。

たまたま私が見た番組でも、結婚十一年目に妻に出奔された男性が、こんなふうに語っていました。 「私は、性格的に口うるさく、新婚当時はちょっとガミガミいうと妻も反抗的な態度をみせることがあった」「しかし、最近は私がどんなに叱責しても、すぐに『すみません』と頭を下げて、 素直に私の言うことを聞き入れてくれた」 「だから、私の口うるささが家出の原因になったとは、到底考えられない」。

私にいわせれば、この男性は、女の深層心理についてまるで無頓着で、それ故に、奥さんに家出されても、その原因に思い当たらなかったとも言えるのです。

彼に多少でも女性の深層心理を読む術があったら、従順な態度の裏に、自分に対する反発心を読むことができたはずです。

女性が男の叱責や非難に、じつに素直に頭を下げて謝ってみせるのは、本心から自分の非を認めて、そうするというケースは稀だといっていいと思います。

むしろ、本当に非があるときは、意固地になって謝まらないことのほうが多いもので、すぐ一言であやまるのは、自分が悪いと思っていない証拠ともいえる場合が多いようです。

「すみません」が反射的に口をついて出るというのは、その一言で問題の解決をあっさり切り上げようとする心理のメカニズムが働いていると解釈でき、つまりは、相手の叱責、非難に対する黙殺の意思表示と思ったほうがいいと思います。

世の中には、何かにつけて「すみません」を、符丁のように口にする女性がいるが、こういった女性たちが、いちいち自責の念にかられて、謝罪の言葉を口にしていると思ったら、とんだ見当違いというものです。

これはほんの一例で、女性は男と接する際、表面的な言葉の意味内容とは裏腹な本音を話すときの言葉の量、あるいは声の調子や速さ、表情、身ぶり手ぶりなどで表出することが多いようです。

つまり、女性が無意識のうちに示す「対話グセ」には、実際に語られる言葉よりはるかに雄弁に、彼女の深層心理を語っているのです。

その意味で、これは実際に女の口から発せられる言語とは別の、もう一つの「言語外言語」といっていいものだろうと思います。

こうした女性の「言語外言語」な表現を的確にキャッチすれば、今まで表面にあらわれてこなかった女性の本音が浮き彫りにされ、自分に対する感情をうかがい知ることもでき、テレビ番組に出て、家出した妻に帰ってくれなどと涙を流して説得する事態を招かずにすむはずなのではないかと思います。

■ 女性が男に強気の態度を示すのは、精いっぱいの虚勢

女性一般に共通した「対話グセ」としてまずあげておきたいのは、お世辞をいうときの声高な調子です。

たとえば、出社早々女子社員から、唐突に「あら、今日のネクタイちょっとすてきね」などとハイトーンな声でいわれた覚えは誰にでもあるのではないかと思います。

こんなとき、彼女の外観を仔細に観察すると、いつもとちがうアクセサリーを身につけていたり、ちょっとヘアースタイルを変えていることが案外多いものです。

つまり、女性が男性にこれみよがしな調子でお世辞を言うときには、その”見返り”に、男性からもお世辞を言ってもらいたいという気持ちが働いていると考えて、十中八九まちがいないだろうと察します。

お世辞は、もともと、弱い立場の人間が強者にとり入ることによって、自分の劣等性を補強しようとする意味あいが強いものなのです。

ことに女性の場合には、相手にとり入るばかりでなく、相手からも自分を認める評価を引き出し、それを後ろ楯にして精神の安定化をはかろうとする傾向があります。

だから、女性にとってお世辞が、自分に対する評価の催促である以上、それがおのずとこれみよがしな調子で呼びかけられるのもうなづけるだろうと思います。

また、男のまえで何か虚勢を張ろうとしたり、煙幕をはりめぐらそうとするときにも、女の声音にはこれみよがしな不自然さを帯びてくるものです。

近ごろは、セックスに対するタブーがゆるやかになり、男女間でセックスの話題をとりあげてもそれほど違和感がなくなったのですが、そのせいか、ときどき酒席などで、自分の豊富な性体験を得々と弁ずる女性を見かけことがあります。

こういう女性たちの語り口は一様に冗舌で、男性体験をひけらかすといった印象がきわめて強いようです。

しかし、女性がこうして異性体験を誇示する裏には、かえって男性との接触を避けたいという不安が根ざしている場合が多いのです。

第一、女性がこの種の話を吹聴しても、利益を得るところはあまりないからです。

性的な解放が進んだといっても、まだまだ純潔崇拝が根強く残っている日本の社会では、敬遠されるのが関の山で、恐れをなして逃げる男が多いはずです。

もちろん、こんなかんたんなことが当の女にわからないわけはない。したがって、女性の自慢話は、逆に男性への牽制を意図していると考えたほうが真実に近いだろうと思います。

事実、声高にこんなことを言う女性にかぎって、ふだんは意外にまじめそうな女性が多いもので、彼女たちは結局、男性たちと性的に五分に対決する自信がないともいえそうです。

その不安を押し隠すために、かえってこうした強気な態度を示して、男性に対して心理的優位に立とうとする分けです。

したがって、もしこれらの女性のまえに、彼女たちを精神的にしっかり支えてくれるような男性が現われたら、あっさりとこの虚勢の鎧かぶとをぬぎ去って、素直な女になると考えても、まず当たらずとも遠からずといえるだろうと察します。実際、男っぽい女ほど、その内実がじつに素直で驚かされることが多いのです。

■ 女は男の反応を愛情のバロメーターにしている

話は変わりますが、私が大学生時代、当時としては珍しくはないのですが学生結婚に踏みきった先輩がいました。

そのときの先輩の言がたいそう粋なものでした。彼は、彼女のつく可愛いウソにたまらない魅力を感じていっしょになったというのです。

この女性は、福岡のかなりの素封家の出身で、市内の高校に通っていたのですが、先輩と出会った当時は、家が貧しくて都内で下働きをしているといっていたそうです。

そして、交際が進んで、先輩が愛を告げるような言葉を口にしはじめると、 故郷に許婚者がいて一年後には帰らなければいけないだの、初恋の人が忘れられないだのといって拒むのだそうです。

しかし、これらのウソがふだんの会話のトーンと同じ調子で吐かれるのではなく、声が上ずったり、しどろもどろになったりと、ウソ発見器にかけるまでもなく、 すぐに”虚偽申し立て”であることが露呈するような性質のものであったらしいのです。

そんな彼女に先輩は、自分に対する愛情を強く感じたのだそうです。

深層心理学的に見ると、女が見えすいたウソをつくのは、男に対して性的衝動をおぼえ、愛を感じはじめた意識のあらわれと解釈することができるようです。

女は一般に、ストレートに愛情を伝えることができないので、はっきりそれとわかるウソをつくことによって、相手の男に対して婉曲な愛情表現を試みることが多いのです。

私はあなたにこんなに甘え、わがままな仕打ちをしている。それもこれもあなたへの好意がそうさせているのだから、黙って私の愛を受け入れなさい、とほのめかすと言うわけです。

当然、このようなウソには、声がうわずったり、沈黙があったり、上目づかいの視線があったりなど、さまざまな形で「言語外言語」な表現がまとわりついているのはいうまでもないことです。

結局、女性にとって重要なのは、こうした見えすいたウソに対する男の反応な分けです。

それこそが愛のバロメーターだと、女性はみているわけです。

したがって、ウソに対して男が無反応でいると、より強い嫉妬心を起こさせようと、今度は実際行動に打って出るといった可能性もなきにしもあらずなのです。女心とは、そうしたものなのです。

女性が恋人に対して結婚の約束を迫るなどというときにも、この甘えの形を借りた「言語外言語」がたいへんな威力を発揮する場合があります。

女性は、気を許した男性に何かをねだるときには、異常なまでに熱心に甘えてみせるところがあります。

それこそ自分の持っている武器のすべてを使って、相手から応諾の言質を引き出そうとするのです。

すね、甘え、媚びを売り、ときには泣いてみせたりもします。

しかし、女がこれだけの努力を払って本当に求めているものは、約束の実行というより、約束をしたという事実確認であることのほうが多いのです。

つまり、女にとっては相手が契約書にサインしたということが何よりもたいせつなのであって、その約束が履行されるかどうかは二の次なのだわけです。

証書さえ手にはいれば、あとはいつでもその権利を行使して、約束の実行を要求することができるとう安心が心理的に発生するのです。

婚約をとりかわす際でも、女は婚約という形で男の中に自分の権利を確立することが第一の目的で、かならずしも早急に妻の座に座りたがっているわけではないのです。

権利をかち得ることで心理的な安定がはかられれば、まずは満足なのです。

「結婚とは、彼の権利を半分にし、義務を二倍にすることである」といったのは、ドイツの哲学者ショーペンハウエルです。

彼はあるパーティで、男と女ではどちらが賢いだろうかとたずねられ、言下に「女にきまっている。なぜなら女は男と結婚するが、男は女と結婚するからだ」 「こんな不利なとりきめをする男は馬鹿としかいいようがない」と答えたというのです。

この彼の言葉も、ある意味では、男に契約書を書かせることによって、彼の権利をもぎとり、拘束しようとする女性心理、女の本音を揶揄したものといえるのではないかと思います。

■ 女性は、男の本質より、 まず容貌、声などの周辺部分からひかれていく

最後に、女性の「対話グセ」の中で、相手に関心を抱いているという積極的な意思を示す「言語外言語」を一つ紹介して置きたいと思います。

女性はときとして、政治や仕事の話など、女性一般にあまり興味をひかれないと思われる話を男性が長々とするのを、熱心に耳をそばだて、身を乗りだして聞き入ることがあります。

女性がこんなそぶりを見せたら、まちがいなくそれは、相手の男性に大きな関心を抱き、好意を寄せている証拠といっていいと思います。

しばらくまえの話になりますが、NHKを辞め、民放のモーニングショーのキャスターに転出したMT氏は茶の間の女性たちに圧倒的に人気が高いと評判でした。

しかし、事情通にいわせると、MT氏の個性は、お堅い政治ものの本格的な語り口にもっともよく発揮され、それはかならずしも女性受けするようなものではないという。

つまり、女性たちがMT氏の話に聞き入るのは、話の内容ではなく、彼の声、容貌、服装にひかれている部分も少なからずあるということなのです。

また、作家のMS氏は、IH氏と組んで文化講演をするときは、かならず自分がIH氏よりまえに講演するようにしていたと言います。

IH氏は文壇きっての美男子として知られているからです。 その彼のあとで壇上に登っても、女性の聴衆はほとんど帰ってしまっているのだそうです。

話の含蓄では負けないのに、というMS氏のため息が聞こえてきそうです。

これも、女性というものが自分にまったく関心のない話でも、その話し手に異性としての魅力を感じていれば、熱心に聞きほれることができるという一つの証明といえるだろうと思います。

したがって、貴方のむずかしい専門的な話を、彼女が熱心に聞き入っているようであれば、大いに脈ありと考えてもよいと思います。

女の話しぶりの周辺にあらわれたこうしたクセは、言葉の内容よりも、彼女がほんとうに伝えたいメッセージを含んでいるものなのです。

■ 対話グセから、女の本性を見抜く実例集をピックアップしてみました

※女性が男性経験をひけらかすのは、男と性的に五分に対決する自信がない表われともいえる。

※女性がウソを言うのは、相手の男を愛し始めた証拠。

※軽口や冗談をうまく受け流すことのできない女性は、視野狭窄で、思いつめるととことんというタイプが多い。

※女性が男の仕事の話を熱心に聞くようになったら、相手に大きな関心を持ち始めたと見ていい。

※女性からの問いかけは、すでに女性の側に用意された答えを確認するためのものであることが多い。

※女性が男に、「~してほしい」と言うときは、「~」の実行よりも約束を取りたがっている。

※女性がすぐあやまるのは、自分が悪いと思っていない表われ。

※女性の男に対するお世辞は、自分がそれ以上のお世辞を求めているメッセージ。

次回のお話は、”噂話”の中で女が本当に語りたいことを具体的にお話していきたいと思います。

なので題して、噂話に熱中している女性の心のスキをを突いて本音を見破る。というお話をしてみたいと思います。

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