女の瑣末(さまつ)な言動の中にこそ、女を知るヒントがある 6

これまで繰り返し述べてきたように、女性がうわべでいくら「反欲望」的な態度をとっても、心の奥底ではむしろその欲望を燃えたぎらせているのです。これが、一般的な女性の深層心理の解釈の仕方なのです。

その際、男性をもっとも悩ませる女の「反欲望」的態度の一つに、「~なんか気にしない」という言い方があります。たとえば、自分の容貌にあまり自信のない男に対して、女はよく、 「顔なんかどうでもいいの。

やさしくさえしてくれれば」といった表現をする場合があります。 単純な男であれば、その言葉を字義通りに受け取って、なんてやさしい女だろうと思うかもしれません。しかし多少深層心理の読み方を心得た男にとっては、これほど傷つく言葉もないだろうと思います。

なぜならこの言葉は、深層心理の部分では、「やさしさなんていらない。とにかく友人の前に出してもはずかしくない顔だちをしていれば」と翻訳できるからです。

この伝でいけば、「学歴なんか」「出世なんか」「背の高さなんか」という表現は、 彼女が相手の男の学歴、出世、背の高さをいちばん気にしている表われであり、男にないものねだりをしている証拠といえるわけです。

第一、常識的に考えれば、どうでもいいことをわざわざ口にするはずがないのです。 ここを読み違えると、当の男はとんだピエロになりかねないわけです。女心についてあまりにも無知だといわざる得ないだろうと思います。

最後に一言つけ加えておくと、動作や言葉にあらわれる女のこだわりは、物ごとの本質の部分にあらわれるというよりは、 男にとっては、むしろつまらない瑣末事と思えることに関してしばしばあらわれるものです。

たとえば、女性は好きな男に対しては、数ヵ月前のデートでも、彼がどんな柄のネクタイを締めていたとか、 そのときいっしょに入った喫茶店で何を注文したかというようなことを、驚くほど克明に憶えていることがあります。

その実、見た映画のストーリーなど肝心なことはすっかり忘れてしまったりするのだから、女性とはやはり、いわく、いいがたい存在だというよりほかはありません。 おそらくこれは、女性が男性にくらべて自己中心的な存在であり、自分が関心のあるもの、自分の興味があるものだけしか見ようとしないことから起こるのだろうと思います。

しかし、こうした女性のとりとめのない、 断片的な行為や言動のはしばしに表われるこだわりをきちんと見据えることが、その奥にある深層心理を読みとる手掛かりになるという事になるのです。

■こだわっているものから女の本性を見抜く実例集をピックアップしてみました。

※性的にあまりにも潔癖な女性は、幼児期のきびしいしつけに無意識にしばられている場合が多い。

※ラブホテル、ポルノ、セックス記事などを極度に嫌う女性は、性的関心が強い。

※電車の席で隣りに男がすわると露骨にイヤな顔をする女性は、男に強い関心がある表われ。

※ゲイバーに行きたがる女性は、男に対しておくびょう。

※ワイ談に柳眉を逆立てる女性は、強すぎる性的欲望を人に気づかれるのを恐れている。

※女性が”愛している?”と聞くのは、現在の状態に不安感を覚えている表われ。

※男の胸毛やヒゲに嫌悪感を示す女性は、男性的なものに対する強い憧れ、性的関心を隠そうとしている。

※女性が性的な話を極度に嫌ったら、相手の男に相当な関心を抱いていると思っていいです。

※女性が「愛」や「恋」についてとくとくと語るときは、心の奥底に性的不満が隠されている。

※女性の「~なんか気にしない」は実は気にしている証拠。

※男に関するつまらないことをよく覚えている女性は、その男に対して好意以上のものを感じている証拠。

■女の変身は、変心を表わしている

「女心と秋の空」などというように、とかくうつろいやすい女性の心は、昔からつかみにくいものと相場が決まっているようです。しかし、だからといってあきらめるにはおよばないのです。

秋の天候が雲の動きから察せられるのと同様に、女性の心の状態も、その外見の変化に注目すれば、かなり正確に読み取ることができるのです。

二十代の男性を対象にしたある意識調査によると、「女性の体の中で、どの部分にもっとも惹かれるか」という質問に対して、”髪の毛”が、バストやヒップよりも上位にランクされたというのがありました。それほど、女性の魅力と髪には深い結びつきがあるわけです。

女性の側も、「女の命」とまではいわないにしても、長い豊かな黒髪が、女性美の象徴であることは十分に承知しているのです。したがって、もし女性が、突然髪を短く切ってしまったという場合は、その内面にかなり大きな変化があったと考えて良いかと思います。

古い話しになりますが、女優の高橋恵子さんとい方がおりました。彼女はまだ関根恵子といっていた十代のころから、黒くて長い髪が目立つ人でした。ところが彼女はある日、この髪をボーイッシュと呼べるほど短く切ってしまったのです。

ちょうどそのころ、彼女はある若い作家と同棲中であり、まもなく二人で岐阜かどこかの山の中に入り、世間との交渉をいっさい断ってしまったのです。自分の過去を清算するほどの思い切った行動に移るまえに、髪を短く切るという女性の心理は、どうやら洋の東西を問わないもののようです。

かつてジェーン・フォンダは、映画監督のロジフェ・バデムと離婚した直後、トレードマークの長い髪をバッサリと切り落としてしたことがありました。そして彼女は、新しい恋人、ドナルド・サザーランドとともに、 ベトナム反戦劇の巡業で世界中を飛びまわり、同時にウーマン・リブ運動のスポークスマンとして、活発な行動を開始するようになったのです。

この、髪に象徴される女性の外見上の変化が何を意味するかについては、 その具体的な内容はさまざまですが、いずれにしろ、その真意はひとつ、「女性の”変身”は、”変心”を表わす」ということです。

つまり、高橋恵子さんやジェーン・フォンダの場合、「髪を短く切る」という表層の変化は、 「過去との訣別」という深層の変化をはっきりと物語っていたわけです。もちろん、この表層の変化は、彼女たちのように変心の”意思表明”とイコールのこともあるが、むしろ一般には、まだ変心”願望"にとどまっている場合は一般的です。

だから、女性の変身を見逃さなければ、深層にある変心の意味をいち早くキャッチすることができるから、それが意思表明にいたるまえに、何らかの対応措置を講ずることも十分に可能となるの場合が多いのです。

■ 女の変身は容易にキャッチできる

女性の変身を察知するのは、きわめて容易であるといってよいかもしれません。なぜなら、それは、一人の女性について、近い過去と現在を比較すればよいだけのことだからです。もし、昨日長かった髪が今日短くなっていれば、それに気がつかない男性は、まずいないはずです。

このように、つき合っている女性の態度なり行動なりに変化が生じた場合、男性のほとんどはそれに気づく分けです。次いで、「何かあったな」と、彼女の深層の変化に注意を向けるのは必須です。 しかし肝心なのは、その後なのです。

いくら彼女の変身に気がついても、その読み方を知らなければ、変心の内容を見抜くことはできないからです。以前に厚生省の調査によると、このところ定年離婚〟が増加しているというのがありました。 これは、離婚を決意した妻が、夫の定年を待ち、退職金という慰謝料の元手ができたところで別れ話を持ち出すという話しです。

そして、夫の大多数は、妻から切り出されるまで、そのことにまったく気がついていないというのです。 こうした定年離婚を考えている妻のほとんどは、夫が会社に出かけているあいだ、離婚後の生活設計のために、特別なセミナーに通ったりしているらしい。

ところが、準備がととのうのにともなって、 これもほとんどの妻が、以前とは比較にならないほど、夫に対して、やさしく、かつ甲斐甲斐しく振る舞うようになるのだそうです。この変身の意味は、心理学的に見れば、彼女たちは、離婚を考えそれを実行に移すため夫に隠れてセミナー通いをしている自分に、少なからずやましさを感じているからなのだそうです。

そして、このやましさをなんとか解消したいとも思っているようです。だが、自分の本心をまだ夫に打ち明けるわけにはいかないから一種の罪ほろぼしのつもりで、かいがいしく夫の世話をやくという神経になれるとおい分けです。

このように、女性が、以前にもまして”女性的"なかいがいし優しさを示すようになった場合、その深層にはなんらかのやましさを秘めているケースが多いのです。

そのやましさが、昨日ついた罪のないウソについてなのか、 それともほかに好きな男ができたという切羽つまったものなのかはともかくとして、変身の読み方がわからなければ、定年離婚を切り出された夫のように、”そのとき”になってアワを食うハメにもなりかねないことになってしまう分けです。

そこでこれから、女性の表層に示される変身が、どんな深層の変心を意味しているのかを見抜くポイントを述べて見たいと思います。

■表層の変化から深層の変化を読むための原則は四つあると考えます。

①女性の中にある欲望や願望などが、何らかの原因で増強、あるいは減弱した場合。

②女性の中にある欲望そのものの強さは変わらないが、その欲望を強く意識させられる場合。

③女性の深層に、外部から何らかの影響が与えられた場合。

④女性が、自分の変化を相手に見せることによって、相手の何かをはかろうとする場合。

そこで、まず原則の①ですが、さきほどご紹介した”定年離婚”のケースがこれにあたるを考えられます。男と女は、お互いの存在に愛情を感じ、一生をともにする目的で結婚をする。しかし、十年二十年と暮らすうちに、 さまざまな不満が蓄積していき、愛情も冷えきってしまうことはめずらしくないわけです。

そうなると、心の中で離婚に対する願望がくすぶりはじめる。そしてこの火ダネを大きく燃えあがらせる決定的な原因となったのが、「退職金を慰謝料としてもらう」というアイデアにほかならないわけです。

だが、社会の荒波にもまれることの少ない主婦が、 この自分の決意にやましさを感じ、それを打ち消すため、逆に表面ではやさしさやかいがいしさを装うということは、すでに述べたとおりであります。 この、やさしさやかいがいしさを装うことと同根にあるのが、「ふだんより口数が多くなる」という変化なのです。

以前、大学時代のあるゼミで、いつもはあまり自分の意見を主張することがないある女子学生が、そのときにかぎり、まるで人が変わったように討論に加わり、活発に発言するということがありました。

この変化に不審を抱いた教授は、ゼミのあとその学生だけを残し、「今日の君はいつもと違うようだけど、何か心配事でもあるのかい」と尋ねてみた。すると突然、彼女は泣きだしたというのです。

彼女によると、父親の会社が不渡り手形をだし、今日明日にも倒産を迎えるというのです。浪費癖のある女子学生は、精神的に満たされていない。そうなれば、自分も学校を続けるわけにはいかなくなると、涙ながらに語ったというのです。

一般に人間は、他人に知られたくない秘密を心の中に持っていると、話すテンポが速くなったり言葉数が多くなったりします。ことに女性の場合は、男性にくらべて、秘密をかかえている不安を発散させる場が少ないから、どうしてもこの傾向が強くなるのです。

したがって、ふだんあまり口数の多くない女性が急に多弁になったら、その変化の原因が、彼女の深層に横たわる「人にいえない秘密」にあると考えて、まずまちがいはなかろうかと思います。

女性は、不安を発散させる場が少ない、と言いましたが、これは”不満”についても同様です。男性であれば、上司や仕事の不満を、「ちょっと一杯」という形で、日常的に発散させることができます。 しかし女性は、男性のようにそうたびたび縄のれんやスナックに出かけるわけにはいかないわけです。

そのため女性の中には、いったん不満を発散させる場を得ると、歯止めがきかなくなる場合もめずらしくないのです。 たとえば、酒席で示す女性の醜態は、とても男性のおよぶところではないし、団地生活で暇をもてあました主婦たちの中に、アル中が激増している事実も、女性の発散ぷりのすさまじさを物語ってるとも言えます。

また、女性の多くは、自分の欲求不満を解消するため、服やアクセサリーなどを衝動買いすることはご承知のとおりだと思います。そして、この衝動買いは、深層に根を張った不満が大きければ大きいほど、それに比例して額も増大してくようです。

最近、プロ野球の某有名選手が、妻の浪費グセに手を焼いて、ついに離婚をしてしまった、という話をご記憶の方も多いと思います。ひと口に浪費というが、聞くところによると、彼女の金の使い方は、とにかくケタはずれであったらしいのです。

何百万円もする宝石や車を買うのは序ノ口で、千万円単位の毛皮のコートを、つけで購入したこともあるという。たしかに、彼女の行動は常軌を逸しておりましたが、同情の余地もあるようです。 二人はまだ新婚だったそうだが、おそらく彼女は、遠征で不在がちの夫にかまってもらえず、その不満がケタ違いの浪費に走る原因となったのであろうと想像されます。

このように女性が表層の変身で示すサインをうっかり見逃すと、深層の変心にまったく思いがいたらなくなるから、とんだ大やけどをすることにもなりかねないというわけです。

次回のお話は、女の無表情は、何よりも本音を物語っている。と題してお話をして見たいと思います。

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